「BTOはどこがいいか」という問いには、単一の答えがありません。GPUの帯によって最安が入れ替わり、保証を揃えると順位がまた変わるからです。
たとえばRTX 5070帯ではG-Tuneが最も安く、エントリー帯ではドスパラが最も安くなります。そして同じドスパラでも、ブランドを絞り込むと同じ中身が3万5,000円高くなります。
この記事では、2026年8月に各社の実売価格と保証規定を調べ直した結果を並べます。
先に結論
- 急いでいるならドスパラ
- 在庫モデルは当日から翌日出荷。この速さは他社にありません
- 長く使うならG-Tune
- 標準3年保証で、修理は郵送・引き取り・持込・訪問の4方式から選べます
- セールを待てるならフロンティア
- 同じ構成でセールと通常価格に8万円の差がありました
- 自分で増設するならパソコン工房
- 元に戻せる範囲の改造は保証対象外にならないと規約に明記されています
同じGPUでも帯で最安が入れ替わります
まず実売価格です。2026年8月に各社の公式ページで確認しました(ドスパラは2026年9月11日に再確認)。
RTX 5070帯
| ショップ | 価格(税込) | 構成 |
|---|---|---|
| マウス(G-Tune) | 259,800円 | Core i5-14400F/16GB/500GB・3年保証 |
| パソコン工房 | 264,800円 | Ryzen 7 7800X3D/16GB/500GB・液冷 |
| ドスパラ | 274,980円 | Ryzen 7 7700/16GB/500GB |
| フロンティア(セール) | 324,800円 | Ryzen 7 9700X/32GB/1TB |
| ツクモ | 362,800円 | Core Ultra 5 225F/32GB/1TB |
この帯はG-Tuneの25万9,800円が最安、僅差でパソコン工房が26万4,800円と続きます。ドスパラは27万4,980円で、この3社の中では最も高くなりました。しかもパソコン工房はRyzen 7 7800X3Dという上位CPUと液冷まで積んでいるため、価格・構成の両面でドスパラより有利です。
なお構成が揃っていない点には注意してください。フロンティアとツクモはメモリ32GB・SSD 1TBが標準なので、他社を同条件に上げると差は縮まります。2026年はメモリが高騰しているため、32GBが標準で付くことの価値は以前より上がっています。
エントリー帯(RTX 5060)
| ショップ | 価格(税込) | 構成 |
|---|---|---|
| ドスパラ(THIRDWAVE) | 174,980円 | Ryzen 7 5700X/16GB DDR4/500GB |
| フロンティア(セール) | 194,800円 | 32GB/1TB |
| マウス(NEXTGEAR) | 199,800円 | Ryzen 5 4500/16GB DDR4/1TB・3年保証 |
| ツクモ | 267,800円 | Core i5-14400F/32GB DDR5/1TB |
| Dell(ALIENWARE) | 369,980円 | Core Ultra 7 265F/16GB/1TB |
こちらはドスパラが最安です。ただし後述のとおり、GALLERIAという名前で絞り込むとこの価格は出てきません。
Dellの36万9,980円は、3万円足せばドスパラのRTX 5080機(39万9,980円)が買える水準です。GPUのグレードが3段階違います。詳しくはDell ALIENWAREの評判で検証しました。
ブランドを絞ると高くつきます
意外に知られていない部分です。同じ会社のなかに価格帯の違うブランドがあります。
- ドスパラ — GALLERIAとTHIRDWAVE
- RTX 5060 Ti 16GB・Ryzen 5 7500F・16GB DDR5・500GBという同一構成で、THIRDWAVEが21万9,980円、GALLERIAが23万9,980円。中身が同じで2万円違います
- マウス — G-TuneとNEXTGEAR
- NEXTGEARはコスパ重視の位置づけです。国内生産とサポート体制は共通なので、価格を抑えたい場合の受け皿になります
- フロンティア — FRONTIERとFREX∀R
- 2025年10月に立ち上がったFREX∀Rは標準3年保証で、購入後1年間はアップグレード作業代が無料です
- パソコン工房 — LEVEL∞とMemory Re
- 2026年8月発売のMemory Reは、CPUとGPUは新品のままメモリだけ認定再生品を使うシリーズです。半導体のコスト上昇への対応策として登場しました
つまり、ゲーミング向けの看板ブランドだけで検索すると割高になります。公式サイトではブランドを限定せず、GPUの型番で探してください。
保証は期間より条件です
各社の保証規定を読み比べたところ、期間より条件のほうが実務的な差になっていました。
| ショップ | 標準保証 | 修理の受け方 |
|---|---|---|
| マウス(G-Tune) | 3年(本体・モニター) | 郵送・引き取り・持込・訪問の4方式 |
| フロンティア(FREX∀R) | 3年 | 標準保証+1年間の作業代無料 |
| ドスパラ | 1年 | 持込修理のみ(延長保証で引き取りに変わる) |
| パソコン工房 | 1年(本体・CPU・マザボ) | 郵送費は同社負担。全国約80店舗に持込可 |
| ツクモ | 1年(延長は最大3年) | 秋葉原などの実店舗あり |
- ドスパラの通常保証は持込修理のみです
- 近くに店舗がない場合、これは実質的な負担になります。延長保証(3年で購入金額の10%)に入ると指定業者の引き取りに変わり、往復送料は同社負担です。なお預かり修理中の代替機の貸し出しはありません
- パソコン工房は改造に寛容です
- 購入時の状態に復することが容易な改造等は保証対象外事由に該当しない、と規約に明記されています。ドスパラは改造に起因する故障を対象外としているため、増設の予定があるなら大きな差になります
- パソコン工房はパーツごとに期間が違います
- 本体・CPU・マザーボードが1年、光学ドライブ・キーボード・マウスは6か月、ケーブルなどの消耗部品は保証なしです
- ドスパラには物損に備える仕組みがあります
- 月額980円のセーフティサービスで、落下や水濡れに対応します。本体は最長5年で、免責は1年目から3年目がありません。5年払うと58,800円です
- 返品できるのは3社だけです
- マウス(手数料20%)・ツクモ・Dellのみです。ドスパラ・フロンティア・パソコン工房・OZgaming・SEVEN・サイコムの6社は原則不可です
なお、K付きCPUやZ系マザーボードを選んでオーバークロックを検討している場合、9社の規約を「購入後に自分でOCした場合」と「工場出荷時からOC設定のモデル」に分けて比較したものをBTOでオーバークロックすると保証はどうなるかにまとめています。あわせて確認してください。
各社の詳細はBTOパソコンが故障したときの修理ガイドとBTO9社の返品ポリシー比較にまとめました。
各メーカーの特徴
- ドスパラ(GALLERIA/THIRDWAVE)
- 在庫モデルの当日から翌日出荷が最大の武器です。神奈川県綾瀬市の自社工場で製造・検査し、電話サポートは24時間365日。エントリー帯はTHIRDWAVEブランドまで含めると最安クラスですが、GALLERIAだけを見ると割高になります。標準保証が持込修理のみという条件は事前に確認してください。ドスパラ公式サイト
- マウスコンピューター(G-Tune/NEXTGEAR)
- 標準3年保証と、郵送・引き取り・持込・訪問という4方式の修理が強みです。電話は24時間365日で、長野県飯山市の国内生産。本体価格は高めに見えますが、他社で3年保証にする費用を足すと順位が入れ替わります。返品に対応する数少ない会社でもあります。G-Tune公式サイト
- フロンティア(FRONTIER/FREX∀R)
- 毎週金曜15時更新の週間セールが看板です。同じ構成でセールと通常価格に8万円の差がありました。特徴は安さより構成の厚みで、同価格帯の他社が16GB・500GBのところ32GB・1TBということがあります。新ブランドFREX∀Rは標準3年保証です。フロンティア公式サイト
- パソコン工房(LEVEL∞)
- 全国約80店舗・約40都道府県という店舗網が強みです。加えて保証規約が改造に寛容で、購入後に自分で増設する前提なら有力な選択肢になります。分割は最大48回まで手数料無料で、ペイディにも対応しています。パソコン工房公式サイト
- ツクモ(G-GEAR)
- マザーボードの型番まで公開している数少ないBTOです。標準構成もメモリ32GB・SSD 1TBで揃っています。ただし価格は高く、RTX 5070帯ではフロンティアのセール品より6万3,000円高いという結果でした。返品とペイディに対応しています。ツクモ公式サイト
- Dell(ALIENWARE)
- デザインと専用設計の筐体を買うブランドです。Auroraの開始価格36万9,980円に対しGPUはRTX 5060で、3万円足した国内BTOではRTX 5080が買えます。保証3年ぶんを金額換算しても、20万円前後は説明がつきません。メモリの増設料金も高めです。Dell公式サイト
- パソコンショップSEVEN(ZEFT)
- 電源やSSDのメーカー名・型番まで開示し、ケースは30種類以上から選べます。OSなし構成も選択可能。納期は平均1〜2営業日と速い部類です。価格で選ぶ店ではなく、構成を自分で決めたい中上級者向けになります。パソコンショップSEVEN公式サイト
- OZgaming
- 2021年から実績を積む新興メーカーです。台数限定モデルのコスパと、ピラーレスや木目調といったケースのデザインが強みです。MSI公式認定店で、ソフマップ店頭でも購入できます。OZgaming公式サイト
- サイコム
- 1999年創業、埼玉県八潮市の自社工場で組み立てる老舗です。RTX 5090の独自水冷化や静音PC「Silent-Master」など、静音性と水冷に特化しています。価格は主要BTOのなかでも高めです。サイコム公式サイト
各社の詳しい検証は個別のレビュー記事にまとめています。
- ドスパラ(GALLERIA)の評判
- フロンティア(FRONTIER)の評判
- マウスコンピューター(G-Tune)の評判
- パソコン工房(LEVEL∞)の評判
- ツクモ(G-GEAR)の評判
- Dell ALIENWARE の評判
- パソコンショップSEVENの評判
- サイコムの評判
- OZgamingの評判
2社で迷ったときは、直接比較した記事も参考にしてください。
納期と支払い
- 納期はドスパラが明確に速い
- 在庫モデルで最短当日から翌日出荷です。G-Tuneは標準3営業日から(翌営業日出荷オプションあり)、フロンティアは7日から14日(掘り出しモデルは即納扱い)、ツクモは1週間前後、SEVENは平均1〜2営業日です
- 分割の無料回数はドスパラとパソコン工房が最大48回
- マウスとDellは36回です。20万円台のPCなら48回で月5,000円弱になります
- ペイディはドスパラが非対応
- 後払いを使いたい場合、パソコン工房かツクモになります
- ふるさと納税の返礼品もあります
- ドスパラは神奈川県綾瀬市、マウスは長野県飯山市、フロンティアは山口県柳井市、パソコン工房は島根県出雲市です。ただし寄付額は高額で、誰にでも得な制度ではありません
分割の詳しい比較はゲーミングPCの分割払い、ふるさと納税の現実的なラインはふるさと納税でゲーミングPCはもらえるかで扱っています。
型番の読み方には共通ルールがありません
もうひとつ、横断比較を難しくしている点です。
同じ「R56」がドスパラではグラフィックボードのRTX 5060を指し、パソコン工房の「R56X」はCPUのRyzen 5 5600Xを指します。型番を覚えても他社では使えません。
さらに、同じ型番で中身が違う製品も実在します。ドスパラのTHIRDWAVE AD-R5A56C-01Bは、Ryzen 5 4500・DDR4の17万9,980円と、Ryzen 5 7500F・DDR5の21万9,980円が同じ型番で売られていました。読み方はゲーミングPCのスペック表の見方にまとめています。
選び方のチェックポイント
- GPUを先に決めてから横断で比べる
- 帯によって最安が入れ替わるため、店を先に決めると損をします
- 保証を揃えて総額で比べる
- 標準1年の会社を3年にすると購入金額の10%前後かかります。本体価格だけの比較では順位が変わります
- ブランドで絞り込まない
- 同じ会社のなかに安いブランドがあります。GPUの型番で探してください
- 急ぐかどうかを先に決める
- 納期は当日から14日まで開きます。ここは価格では埋まりません
- 増設の予定があるなら規約を読む
- 改造の扱いは会社で分かれます。パソコン工房は対象内、ドスパラは対象外です
- 置き場所が狭いなら筐体サイズも確認する
- 各社ともゲーミング向けは標準的なタワー型が中心ですが、ミニタワーを名乗るモデルの実寸はブランドで差があります。2026年9月にドスパラが発表した「GALLERIA Eシリーズ」は、約18Lの筐体にデスクトップ版GPUを維持したまま搭載する新しい選択肢で、エントリー構成ならミニタワーとの価格差も小さめです。小型ゲーミングPCのおすすめモデル比較で価格差と妥協点を確認してから選ぶと失敗しにくくなります
よくある質問
Q.結局どこのBTOメーカーがいいですか?
A.優先するものによって変わります。急いでいるならドスパラ(在庫モデルは当日から翌日出荷)、長く使うならマウス(標準3年保証・修理4方式)、セールを待てるならフロンティア(同じ構成で8万円差)、自分で増設するならパソコン工房(改造に寛容な保証規約)です。GPUの帯によっても最安が入れ替わるため、1社だけ見て決めないでください。
Q.同じ構成なら、どのメーカーが安いですか?
A.GPUの帯で入れ替わります。2026年9月11日時点のRTX 5070帯ではG-Tuneが25万9,800円で最安、僅差でパソコン工房が26万4,800円、ドスパラは27万4,980円で3社中いちばん高くなっています。一方でエントリー帯はドスパラのTHIRDWAVEが17万4,980円と明確な最安です。またG-Tuneは標準3年保証なので、保証を揃えると総額の順位が変わります。
Q.GALLERIAとTHIRDWAVEの違いは何ですか?
A.どちらもドスパラのブランドで、GALLERIAがゲーミング向け、THIRDWAVEが汎用向けです。ただし中身が同じで価格だけ違う組み合わせがあります。RTX 5060 Ti 16GB・Ryzen 5 7500F・16GB DDR5・500GBという同一構成で、THIRDWAVEが21万9,980円、GALLERIAが23万9,980円でした。安く買いたいならブランドで絞り込まないでください。
Q.保証はどこが手厚いですか?
A.期間ならマウスとフロンティアのFREX∀Rが標準3年です。ただし重要なのは条件のほうで、ドスパラの通常保証は持込修理のみ、預かり修理中の代替機もありません。マウスは郵送・引き取り・持込・訪問の4方式から選べます。またパソコン工房は「元に戻せる範囲の改造は保証対象外にならない」と明記しており、増設する予定があるなら効いてきます。
Q.BTOは返品できますか?
A.9社のうち3社だけです。マウスコンピューター(手数料20%)・ツクモ・Dellが対応しています。ドスパラ・フロンティア・パソコン工房・OZgaming・パソコンショップSEVEN・サイコムの6社は、受注生産のため原則受け付けていません。
Q.納期が速いのはどこですか?
A.ドスパラです。在庫モデルなら最短当日から翌日出荷で、受注生産が基本のBTOのなかでは明確に速い部類です。次いでパソコンショップSEVENが平均1〜2営業日、G-Tuneは標準3営業日から(翌営業日出荷オプションあり)、ツクモが1週間前後、フロンティアが7日から14日という順になります。
Q.分割払いはどこが有利ですか?
A.手数料無料の回数はドスパラとパソコン工房が最大48回で、マウスとDellは36回です。20万円台のPCなら48回で月5,000円弱になります。ただしドスパラはペイディ(後払い)に非対応なので、そちらを使いたい場合はパソコン工房かツクモになります。
Q.セールはどれくらいお得ですか?
A.フロンティアで確認したところ、Ryzen 7 9700X・RTX 5070・メモリ32GB・SSD 1TBという構成のセール品が32万4,800円でした。セール対象外の通常ラインナップでRTX 5070を積んだモデルは、CPUが上位のCore Ultra 7などになりますが40万4,800円からのため、差は8万円前後です。週間セールは毎週金曜15時に更新されます。
まとめ・次に読みたい記事
BTO選びで最初にやるべきなのは、店を決めることではなくGPUを決めることでした。
帯によって最安が入れ替わります。RTX 5070帯ではG-Tuneの25万9,800円が最安で、ドスパラは27万4,980円と3社中いちばん高くなりました。ところがエントリー帯になると、ドスパラのTHIRDWAVEが17万4,980円で単独の最安になります。同じ会社でも帯によって強さが変わるので、1社だけ見て決めるのは避けたほうがよいでしょう。
次に保証です。期間より条件を見てください。ドスパラの通常保証は持込修理のみで代替機もなく、マウスは訪問まで選べます。パソコン工房は改造に寛容で、増設前提なら大きな差になります。そして返品できるのは9社中3社だけです。
最後にブランドです。同じ会社のなかに安いラインがあります。GALLERIAとTHIRDWAVEで同じ中身が3万5,000円違った例があるので、看板ブランドだけで検索しないでください。



