BTOでゲーミングPCを注文すると、最後にカスタマイズの画面が出てきます。メモリ、ストレージ、電源、CPUクーラー、保証。項目が多いうえ、それぞれいくら足すべきかの判断材料がありません。
当サイトでは繰り返しお伝えしているとおり、BTOの標準構成はメモリ16GB・SSD 500GBが中心です。この構成のままだと、4K動画の編集や配信、あるいは大作を数本入れるだけで詰まります。つまり多くの方にとって、カスタマイズは避けて通れません。
そして2026年、この判断が以前とは変わりました。長らく「BTOのカスタマイズは割高だから、最小構成で買って自分で増設する」というのが定石でしたが、パーツ高騰でその前提が崩れています。
まず、市販パーツの値段を知ってください
判断の土台になるのが、パーツ単体でいくらするかです。2026年8月時点の相場はこうなっています。
- DDR5 32GBキット(16GB×2)— 約5万8,000〜6万1,000円
- 2025年12月にMicronが一般向けメモリ市場から事実上撤退し、供給がSamsungとSK hynixの2社に絞られた影響が続いています
- 1TB PCIe Gen4 NVMe SSD — 3万2,980円〜
- 売れ筋の製品で2万円台後半から3万円台が相場です
数年前の感覚だと、メモリ32GBは1万円台、1TB SSDも1万円前後でした。そこから3倍前後に上がっているのが2026年の状況です。相場の推移はゲーミングPCはいくら値上がりしたのかにまとめています。
この金額を頭に入れたうえで、注文画面の加算額を見てください。なお標準構成そのものの読み方はゲーミングPCのスペック表の見方で扱っています。同じ型番でも中身が違うことがあるため、カスタマイズ前にまず確認してください。
「自分で増設したほうが安い」は成立しにくくなりました
かつての定石は、最小構成で本体を買い、メモリとSSDは自分で買って足す、というものでした。BTOのカスタマイズ加算額が市販価格より高かったからです。
ところが2026年は事情が違います。ドスパラは定期的にカスタマイズキャンペーンを実施しており、メモリ16GBから32GBへの変更が数百円という価格になることがあります。2026年だけでも、4月から5月にかけて555円、6月に777円、7月に888円という実施例が公式に告知されています。
市販のDDR5 32GBキットが5万8,000円前後であることを考えると、キャンペーン中の加算額は比較になりません。この条件なら、迷わず注文時に上げるべきです。
ただし、キャンペーンがない時期の加算額は当然もっと高くなります。ここが判断の分かれ目です。
- 加算額が市販価格より明確に安い
- 注文時に上げてください。工賃も保証も込みで、手間もかかりません
- 加算額が市販価格と同程度
- 注文時をおすすめします。増設の手間と、後述する保証のリスクを負う理由がありません
- 加算額が市販価格より明確に高い
- このときだけ、最小構成で買って自分で増設する意味が出ます
判断の方法は単純で、加算額と市販価格を並べるだけです。注文画面を開いたまま、価格.comで同等品の値段を確認してください。数分で済みます。
自分で増設すると、保証の扱いが変わることがあります
金額以外にも、見落とされやすい点があります。
BTOメーカーの多くは、購入後にユーザーが自分でパーツを増設・交換することを想定していません。増設したことで保証の対象外になる可能性があります。明確に増設を認めると保証規定に明記しているメーカーもありますが、そうでないところもあります。
つまり自分で増設する場合、数千円の節約と引き換えに保証上のリスクを負うという構図になります。パーツ交換に慣れている方であれば許容できる話ですが、初めての1台であればおすすめしません。
各社の保証条件はBTOゲーミングPCメーカー比較でも扱っています。
項目別に、足すべきか判断する
- メモリ — 32GBまで上げる
- 2026年の主要タイトルは推奨16GBが多数派ですが、配信や動画編集を兼ねるなら32GBが実質的な最低ラインです。市販価格が上がっている以上、加算額が妥当なら注文時に上げてください
- SSD — 1TB以上にする
- 標準の500GBは、OSとゲームを数本入れれば埋まります。大作は1本100GBを超えるものもあります。ここは削らないでください
- 電源 — 容量に余裕を持たせる
- あとからグラフィックボードを載せ替えるとき、電源が足りないと同時交換になります。数千円の差なら上げておく価値があります
- CPUクーラー — 標準で足りることが多い
- 上位CPUや高負荷の用途でなければ、標準の空冷で問題ありません。静音性を重視するなら検討の余地があります
- OS — 必ず必要か確認する
- OSなしを選べるショップもあります。ライセンスを持っていないなら必須です
- Office — 多くの人には不要
- ゲーム目的なら要りません。必要になってから単体で買うほうが安く済むこともあります
- 保証延長 — 使い方しだい
- 毎日長時間使う、持ち運ぶ、といった条件なら価値があります。詳しくは各社の規定を確認してください
逆に、削ってはいけないもの
予算を抑えたいとき、どこを削るかも重要です。当サイトが実売価格を追ってきた立場から言うと、削ると後悔しやすいのはメモリとストレージです。
理由は単純で、この2つは後から足すコストが最も上がってしまったからです。GPUのランクを1つ落として、そのぶんメモリとSSDを確保するほうが、結果的に満足度は高くなります。
- 削ってよい
- CPUのグレード(ゲーム用途では上位CPUの効果は限定的)、光る装飾、Office、上位の筐体
- 削らないほうがよい
- メモリ(32GB)、SSD(1TB以上)、電源容量、そしてGPUのVRAM容量
用途ごとの優先順位はゲーミングPCの選び方 完全ガイドと予算別おすすめゲーミングPCにまとめています。
注文前の最終チェック
- 総額を確認する
- カスタマイズを積むと、当初の予算から数万円動きます。モニターや周辺機器も含めた総額で判断してください
- 納期を確認する
- カスタマイズ内容によって納期が延びることがあります。遊びたいタイトルの発売日が決まっているなら要注意です
- キャンペーンの有無を見る
- カスタマイズキャンペーンは定期的に実施されます。急がないなら、開催時期を待つだけで数万円分の差が出ることがあります
- 支払い方法を決めておく
- 多くのショップが手数料無料の分割払いを用意しています。総額は一括と同じです
支払いの選択肢はゲーミングPCの分割払いに、周辺機器を含めた総額はゲーミングPCの初期費用はいくら?にまとめました。
よくある質問
Q.BTOのカスタマイズは割高ですか?
A.2026年は一概にそうとは言えなくなりました。パーツ高騰で市販のDDR5 32GBキットが約5万8,000〜6万1,000円、1TB SSDが3万2,980円〜まで上がった一方、BTOのカスタマイズはキャンペーン時にメモリ32GB化が数百円という例があります。加算額と市販価格を並べて判断してください。
Q.メモリは自分で増設したほうが安いですか?
A.以前はそうでしたが、いまは加算額しだいです。市販価格が大きく上がったため、注文時に上げたほうが安いケースが増えています。加えて自分で増設すると保証の対象外になる可能性もあります。
Q.メモリは何GBにすべきですか?
A.32GBをおすすめします。ゲームだけなら16GBでも動きますが、配信や動画編集を兼ねる場合は32GBが実質的な最低ラインです。標準構成の16GBのままだと、用途が広がったときに詰まります。
Q.SSDは何GB必要ですか?
A.1TB以上を目安にしてください。標準の500GBはOSとゲームを数本入れれば埋まります。大作は1本で100GBを超えるものもあり、あとから足すコストも上がっています。
Q.自分で増設すると保証はどうなりますか?
A.メーカーによって扱いが違います。増設を明確に認めていると保証規定に明記しているところもあれば、そうでないところもあります。数千円の節約と保証のリスクを比べて判断してください。初めての1台なら注文時のカスタマイズが安全です。
Q.カスタマイズキャンペーンはいつありますか?
A.ドスパラの場合、2026年はゴールデンウィーク、6月、7月の決算期などに実施されています。時期は年によって変わりますが、定期的に開催される傾向があります。急がないなら開催を待つだけで数万円分の差が出ることがあります。
まとめ・次に読みたい記事
BTOのカスタマイズで迷ったら、加算額と市販パーツの価格を並べてください。これだけで判断がつきます。
2026年はパーツ高騰の影響で、市販のDDR5 32GBキットが約5万8,000〜6万1,000円、1TB SSDが3万2,980円〜という水準です。BTOの加算額がこれを下回るなら、注文時に上げるほうが安く、しかも保証も工賃も込みになります。「カスタマイズは割高だから自分で増設」という以前の定石は、いまは成り立ちにくくなりました。
そして削るなら、メモリとストレージ以外にしてください。この2つは後から足すコストが最も上がってしまった部分です。価格は変動しますので、注文前に最新の相場をご確認ください。



