グラフィックボードを上のランクに替えたのに、fpsがほとんど変わらない。あるいは、上位GPUのレビューを見て買ったのに、そこまで出ない。

こういうとき、疑うべきはCPUです。GPUがどれだけ速くても、CPUが追いつかなければfpsは伸びません。この状態をCPU律速と呼びます。

当サイトは一貫して「予算はGPUに優先して割り当てる」とお伝えしてきました。その原則は変わりませんが、例外になるタイトルが16本あります。タイトル別記事を横断して整理しました。

GPUを2ランク上げても同じfpsになります

いちばん分かりやすい例が『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』です。

街に入ると、RTX 4090でもRTX 4070 Ti SUPERと同じfpsになります。2ランク以上違うGPUが、まったく同じ数字に並ぶということです。街のNPCや群衆の処理をCPUが担っているため、GPUの性能が使われないまま余ります。

もうひとつ具体的な数字があります。モンスターハンターワイルズでは、Core i5 12400クラスが約70fpsで頭打ちになり、X3Dに替えると15〜30fps上乗せされます。GPUを替えたのではなく、CPUを替えただけの差です。

つまりこういうタイトルでは、GPUに予算を積んでも回収できません。

CPU律速になる3つのパターン

16本を並べると、理由が3種類に分かれます。ここを押さえると、未知のタイトルでも予想が付きます。

パターン1、特定の場面だけCPU律速になる

ふだんはGPUで決まるのに、人や物が増える場面だけCPUが上限になるタイプです。いちばん多いパターンです。

ドラゴンズドグマ2 — 街
街に入るとRTX 4090でもRTX 4070 Ti SUPERと同じfpsになります。GPUよりCPU、それも8コア以上とX3D系が効きます
FF14 — 混雑エリア
拡張「黄金のレガシー」でグラフィックが刷新されて重くなり、混雑エリアではCPU依存が強くなります
FF16 — NPCが多い市街地
RTX 4090でもネイティブ4Kでは60fpsを割り込む重さですが、市街地では別途CPU律速が発生します
ストリートファイター6 — バトルハブ
対戦そのものは60fps固定で軽いのですが、多人数ロビーであるバトルハブはCPU律速になります
パルワールド — 大型拠点・マルチプレイ
拠点が大きくなるほど、またマルチプレイになるほどCPUが効きます。メモリ32GBも推奨されています
アークナイツ:エンドフィールド — 特定エリア
解像度を上げても消えないCPU律速エリアがあり、GPUを盛っても解消しません
ビーストオブリンカネーション — 混雑エリア
影の品質を下げるとCPU側の負荷も下がり、混雑エリアで1〜2割改善するという報告があります
デルタフォース — ウォーフェア(64人)
少人数のオペレーションズはGPU負荷で、64人のウォーフェアだけがCPU律速になります。後述のとおり同じゲームで真逆です

パターン2、競技系で高fpsを狙うと必ずCPU律速

軽いタイトルほど、GPUはすぐ余ります。240fpsや360fpsを狙う領域では、上限を決めるのはCPUです。

VALORANT
RTX 4060クラス以上はほぼCPU律速で、fpsの上限はCPUで決まります
Counter-Strike 2
GPUではなくCPUで上限が決まるタイトルです。プロの間では9800X3D以外は選択肢にならないとまで言われます
Apex Legends
エンジンの上限が約300fpsで、そこに至るまでのCPU依存が非常に強くなっています
フォートナイト
上限がなく360fps以上も狙える一方で、CPU依存が極端に強いタイトルです
PUBG
競技設定ではGPUより圧倒的にCPUが効きます
オーバーウォッチ2
上限600fpsと高いのですが、GPUよりCPUとメモリの出来がものを言うため、ハイエンドGPUが報われにくくなります

パターン3、エンジンそのものが重い

レッド・デッド・リデンプション2
発売から6年経った今もCPU律速が強く残っています。今のグラフィックボードでも簡単には振り切れません
モンスターハンターワイルズ
Core i5 12400クラスは約70fpsで頭打ち。X3Dで15〜30fps上乗せされます

同じゲームでも、モードによって真逆になります

分かりやすい例が『デルタフォース』です。

オペレーションズ(少人数)— GPU負荷
描画の負荷が中心で、グラフィックボードの性能がそのまま出ます
ウォーフェア(64人)— CPU律速
人数が増えるぶん処理がCPUに寄り、GPUを上げても伸びなくなります

同じタイトルを買っても、遊ぶモードによって必要な構成が変わるということです。自分がどのモードを主に遊ぶのかまで考えないと、判断を誤ります。

X3Dが効くのはこの16本です

CPU律速のタイトルでは、コア数を増やすよりキャッシュを増やすほうが効きます。AMDのX3Dシリーズが評価されるのはこのためです。

この16本を主に遊ぶなら X3D を検討
モンスターハンターワイルズで15〜30fps、ドラゴンズドグマ2の街、CS2やVALORANTの高fps域で差が出ます
16本に入っていないなら GPU 優先のまま
CPUは同世代のミドルクラスで足ります。浮いた予算はGPUかモニターに回してください
解像度が上がるほどCPUの影響は薄れます
4Kで遊ぶならGPUの負担が増えるぶん、CPU律速は起きにくくなります。フルHDや高fpsほどCPUが効きます

CPUの選び分けはゲーミングPCのCPUの選び方に、世代ごとの性能差はCPU性能比較・序列早見表にまとめています。

自分のPCがCPU律速か確かめる方法

一覧に載っていないタイトルでも、自分で確認できます。

画質設定を下げてみる
下げてfpsが伸びるならGPUが上限、変わらないならCPUが上限です。いちばん簡単な切り分けです
解像度を下げてみる
同じ理屈です。下げても変わらないならCPU律速を疑ってください
GPU使用率を見る
ゲーム中にGPU使用率が90%を超えていないなら、GPUは余っています
場面を変えて測る
街や混雑エリアだけ落ちるなら、パターン1に該当します

計測の手順はゲーミングPCの性能を測る方法に、設定の下げ方は画質設定はどれを下げるべきかにまとめました。

よくある質問

Q.CPU律速とは何ですか?

A.CPUの処理が上限になって、GPUの性能が使いきれない状態です。この状態ではグラフィックボードを上のランクに替えてもfpsが伸びません。ドラゴンズドグマ2では、街に入るとRTX 4090でもRTX 4070 Ti SUPERと同じfpsになります。

Q.自分のゲームがCPU律速か確認できますか?

A.画質設定か解像度を下げてみてください。fpsが伸びるならGPUが上限、変わらないならCPUが上限です。ゲーム中のGPU使用率が90%を超えていない場合も、GPUが余っているサインになります。

Q.X3Dは買うべきですか?

A.この記事で挙げた16本を主に遊ぶなら検討する価値があります。モンスターハンターワイルズではX3Dで15〜30fpsの上乗せ、CS2やVALORANTの高fps域でも差が出ます。逆に一覧に入っていないタイトル中心なら、CPUはミドルクラスで足ります。

Q.4Kで遊ぶ場合もCPUは重要ですか?

A.重要度は下がります。解像度が上がるほどGPUの負担が増えるため、CPUが上限になりにくくなります。逆にフルHDで高fpsを狙う場合ほど、CPUの影響が大きくなります。

Q.GPUを買い替えたのにfpsが変わりません

A.CPU律速の可能性が高いです。特に競技系タイトルで240fps以上を狙っている場合や、MMOの混雑エリア、オープンワールドの街では起きやすくなります。画質設定を下げても変わらないなら、ほぼ確定です。

Q.同じゲームなのに場面で重さが違うのはなぜですか?

A.処理の中身が変わるためです。人やオブジェクトが増える場面ではCPUの負担が大きくなります。デルタフォースは分かりやすい例で、少人数のオペレーションズはGPU負荷、64人のウォーフェアはCPU律速と真逆の性格になります。

まとめ・次に読みたい記事

当サイトの原則は「予算はGPU優先」ですが、例外が16本あります。

理由は3つに分かれます。街や混雑エリアなど特定の場面だけCPUが上限になるもの(ドラゴンズドグマ2、FF14、FF16、ストリートファイター6のバトルハブ、パルワールドなど)、競技系で高fpsを狙うと必ずCPU律速になるもの(VALORANT、CS2、Apex、フォートナイト、PUBG、オーバーウォッチ2)、そしてエンジンそのものが重いもの(RDR2、モンスターハンターワイルズ)です。

判断は単純です。主に遊ぶタイトルがこの16本に入っているならX3Dを検討し、入っていないならGPU優先のままで構いません。加えて、同じゲームでもモードで真逆になることがあるので、自分がどの遊び方をするのかまで考えてください。

手持ちのPCで確認したいときは、画質設定を下げてfpsが伸びるかどうかを見てください。伸びればGPU、変わらなければCPUです。