「重かったらDLSSを入れれば軽くなる」。いまのPCゲームでは、これが半ば前提のように語られます。当サイトでも、個々の画質設定を下げるよりアップスケーリングのほうが効率がいい、とお伝えしてきました。

ただし、その前提が成立しないタイトルがあります。タイトル別記事を横断したところ、アップスケーリングに非対応、または部分的にしか対応していないものが13本ありました。

しかも中身を見ると、単純な「対応・非対応」ではありませんでした。

段階1、完全に使えない

DLSSもFSRもXeSSも使えないタイトルです。素の性能がそのまま結果になります。

エルデンリング
2026年時点でもDLSS / FSR / XeSSに公式対応していません。60fps上限との合わせ技で、必要な構成が読みやすいタイトルでもあります
PUBG
2026年時点でDLSS・FSR・XeSSに非対応です。開発元のKRAFTONが現状の計画にないと明言しているため、今後にも期待しにくい状況です
グランブルーファンタジー リリンク
PC版は公式にDLSS・FSRといったアップスケーリング機能に対応していません
MARVEL Tōkon: Fighting Souls
発売日パッチでDLSS・FSR・XeSSが無効化されました。事前情報を見て組むと外れます
ストリートファイター6
DLSS・FSR 2/3に非対応で、Resolution Scaleのみです。ただし対戦は60fps固定なので影響は限定的です

MARVEL Tōkonのケースは特に注意が必要です。発売前の情報では使えるはずだったものが、発売日に消えました。「DLSSを使えば軽くなる」という前提でGPUを選ぶことが、このタイトルでは今のところできません。

段階2、GPUメーカーで有利が逆転します

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。片方のメーカーでしか使えないタイトルが、両方向に存在します。

NTE: Neverness to Everness — GeForceのみ
DLSS 4とマルチフレーム生成のみ対応で、FSRとXeSSは非対応です。加えてレイトレーシングもRadeon全モデルが対象外という厳しい線引きになっています
アークナイツ:エンドフィールド — GeForceのみ
DLSS 4・マルチフレーム生成に完全対応する一方、FSRは技術的な理由で非対応です
パルワールド — GeForceが有利
DLSSは超解像(2系)のみ対応で、FSRとXeSSは公式非対応です。フレーム生成にも対応していません
Counter-Strike 2 — Radeonのみ
DirectX 11ベースで、レイトレーシングにもDLSSにも対応していません。一方でAMDのFSR 2は利用できます
原神 — Radeonのみ
DLSSには非対応で、FSR 2に対応しています。ただし60fps上限のため、そもそも高性能GPUを必要としません

つまり、遊ぶタイトル次第でGeForceとRadeonの有利不利がひっくり返ります。NTEやアークナイツを主に遊ぶならRadeonではアップスケーリングそのものが使えず、逆にCS2ではGeForceを積んでもDLSSの恩恵を受けられません。

価格面での比較はRadeonは買いかにまとめていますが、この観点も加えて判断してください。

段階3、超解像は使えるがフレーム生成が不可

アップスケーリングには、解像度を上げる「超解像」と、フレームを補間して増やす「フレーム生成」があります。片方だけというケースです。

ビーストオブリンカネーション
発売時点でDLSS・FSRともに超解像のみの対応で、フレーム生成には非対応です

パルワールドも同様で、DLSSの超解像は使えますがフレーム生成には対応していません。フレーム生成を前提にGPUを選ぶと、期待した数字が出ないことになります。

2つの機能の違いはDLSS・FSR・XeSSの対応早見表で詳しく扱っています。

段階4、後から対応することがあります

救いのある話も書いておきます。

レッド・デッド・リデンプション2
発売時はDLSS・FSRともに非対応でしたが、その後のアップデートで両方に対応しました。現在はDLSS 4・FSR 2.2・NVIDIA Reflexが使えます
Clair Obscur: Expedition 33
発売直後の2025年4月時点ではFSRが非対応でしたが、2025年12月の無料大型アップデート「Thank You Update」でFSR 4に対応し解消しました

非対応は永続的なものとは限りません。ただし、いま買うPCをいまの対応状況で判断するのが基本です。将来の対応を織り込んで構成を決めるのは危険です。PUBGのように、開発元が計画を否定しているケースもあります。

非対応タイトルでは、素の性能が要ります

一覧に載ったタイトルを主に遊ぶ場合、構成の考え方が変わります。

アップスケーリング前提のGPU選びをしない
「DLSSを使えば1ランク下でも足りる」という計算が成り立ちません。目標のfpsをネイティブ解像度で出せるGPUが必要になります
画質設定を下げる比重が上がります
唯一の逃げ道が設定になります。下げる順番は画質設定はどれを下げるべきかにまとめました
fps上限があるなら話は別です
エルデンリングやストリートファイター6のように上限が60fpsなら、そもそも高性能GPUは不要です。fps上限があるゲーム一覧とあわせて判断してください
CPU律速なら、なおさらGPUは不要です
CS2やPUBGはCPUで上限が決まるタイトルでもあります。GPUを上げても速くならないゲーム16本も確認してください

よくある質問

Q.DLSSが使えないゲームはありますか?

A.あります。エルデンリング、PUBG、グランブルーファンタジー リリンク、MARVEL Tōkon、ストリートファイター6は、DLSSを含むアップスケーリングに対応していません。またCS2と原神はDLSS非対応ですが、AMDのFSR 2は利用できます。

Q.GeForceとRadeonのどちらを選ぶべきですか?

A.遊ぶタイトルによって逆転します。NTEやアークナイツ:エンドフィールドはDLSSのみ対応でRadeonではアップスケーリングが使えません。一方でCS2や原神はDLSS非対応でFSRのみ対応です。主に遊ぶタイトルの対応状況を確認してから決めてください。

Q.MARVEL TōkonでDLSSが使えないのはなぜですか?

A.発売日パッチでDLSS・FSR・XeSSが無効化されたためです。発売前の情報では使えるとされていたため、その前提でGPUを選ぶと計算が狂います。今後のアップデートで正式対応が入る可能性はあります。

Q.PUBGは今後DLSSに対応しますか?

A.期待しにくい状況です。2026年時点でDLSS・FSR・XeSSのいずれにも非対応で、開発元のKRAFTONが現状の計画にないと明言しています。

Q.超解像とフレーム生成は別のものですか?

A.別の機能です。超解像は低い解像度で描いてから引き伸ばすもの、フレーム生成はフレームを補間して増やすものです。ビーストオブリンカネーションやパルワールドのように、超解像は使えてもフレーム生成は非対応というタイトルがあります。

Q.非対応のゲームではどうすればいいですか?

A.素の性能で目標のfpsを出せるGPUを選ぶのが基本です。加えて画質設定を下げる比重が上がります。ただしエルデンリングやストリートファイター6のようにfps上限が60fpsのタイトルなら、そもそも高性能GPUは必要ありません。

まとめ・次に読みたい記事

「DLSSを入れれば軽くなる」は、13本のタイトルでは成立しません。しかも中身は4段階に分かれます。

完全に使えないのがエルデンリング、PUBG、グラブルリリンク、MARVEL Tōkon、ストリートファイター6。片方のメーカーでしか使えないのがNTE、アークナイツ、パルワールド(GeForce側)とCS2、原神(Radeon側)。超解像だけ使えるのがビーストオブリンカネーション。後から対応したのがRDR2とClair Obscurです。

特に注意したいのが2番目です。遊ぶタイトルによって、GeForceとRadeonの有利不利がひっくり返ります。価格や性能だけでなく、この観点も入れて選んでください。

そしてMARVEL Tōkonのように、発売日パッチで機能が消えることもあります。将来の対応を前提に構成を決めるのではなく、いまの対応状況で判断するのが安全です。対応状況は更新で変わりますので、購入前に最新の情報をご確認ください。