「PCパーツは夏に安くなる」という季節性は、長いあいだ通用してきました。この記事も以前は7月から8月を狙い目として書いていました。
ところが2026年は違います。メモリとSSDは6月まで下落したあと、7月に反転して上昇しています。つまり夏を待っても下がらなかったどころか、待った人が損をしている状況です。
一方で、セールそのものの効果は変わらず大きいままです。同じ構成でセールと通常価格に8万円の差がありました。何が変わって何が変わっていないのか、順に整理します。
先に結論
- メモリとSSDの値下がりは待たないでください
- 少なくとも2026年第3四半期までは上昇が続く見通しです。必要になった時点が買い時になります
- セールを待つのは今も合理的です
- 相場が上がっていても、セール品と通常価格の差は8万円ありました。ここは別の話です
- 次の大きな山は9月と11月末です
- 中間決算とブラックフライデーです。夏を逃したからといって年内の機会がなくなるわけではありません
- 最小構成で買って後から足す手もあります
- ただしメモリの増設料金は会社差が大きいので、注文前に比べてください
2026年は季節性が崩れています
まず前提を更新します。数字を並べると、従来のカレンダーが機能していないことが分かります。
- PCの平均単価が前年同月比36%高
- 2026年4月に約13万9,821円まで急騰し、5月は約13万6,926円。6月は約12万5,052円まで下がりましたが、それでも前年同月比で36%高い水準です
- メモリとSSDのコストが40〜70%上昇
- 調査会社Omdiaによる数字です。生成AI向けの需要で供給が逼迫しています
- メモリは7月に反転しました
- 半年続いた軟化が6月で一巡し、7月から再び上昇へ転じています。夏の値下がりを待っていた人には想定外の展開でした
- 2026年末に2025年比130%上昇という予測もあります
- GartnerによるDRAMとSSDの合算価格の見通しです。VAIOやマウスコンピューターは実際に値上げを実施しています
つまり「夏まで待つ」という判断は、2026年に限っては裏目に出ました。値上がりの詳しい推移はゲーミングPCはいくら値上がりしたのかで定点観測しています。
パーツ別に向きが逆になっています
ここが今年いちばん重要な点です。全部が上がっているわけではありません。
| パーツ | 2026年の向き | 待つ意味 |
|---|---|---|
| GPU(グラフィックボード) | 値下がり傾向 | 薄い |
| CPU | 値下がり傾向 | 薄い |
| メモリ | 上昇(7月に反転) | ない |
| SSD | 上昇 | ない |
- GPUとCPUは待つメリットが薄くなっています
- 値下がり傾向にあるとはいえ、劇的に下がる要素がありません。欲しい性能が決まっているなら待つ理由は弱くなります
- メモリとSSDは待つほど不利です
- 値下がり待ちの効果が最も薄いのがこの2つです。少なくとも2026年第3四半期までは上昇が続く見通しとされています
- だから「PCの値下がりを待つ」は成立しません
- PC全体で見ると、下がるパーツと上がるパーツが打ち消し合います。実際、平均単価は前年比で高いままです
- 待つならセールを待ってください
- 相場の値下がりではなく、セールという別の要因です。こちらは今も機能しています
買うか待つかの判断そのものはゲーミングPCは今買うべきか待つべきかで詳しく扱いました。この記事では「セールをどう狙うか」に絞ります。
セールの効果は8万円ありました
相場が上がっていても、セールの威力は変わっていません。実際の数字です。
| セール中のモデル | 通常価格のモデル | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 299,800円 | 379,800円 |
| CPU | Ryzen 7 9700X | Ryzen 7 9700X |
| GPU | RTX 5070 | RTX 5070 |
| メモリ/SSD | 32GB DDR5/1TB | 32GB/1TB |
フロンティアで確認した、まったく同じ構成の比較です。差は8万円で、予算帯がひとつ変わる金額になります。
相場が高いことと、セールが効かないことは別の話です。高止まりしているからこそ、セールを捕まえる価値は以前より上がっているとも言えます。
1年の買い時カレンダー
| 時期 | イベント | 傾向 |
|---|---|---|
| 1月 | 初売り・年始セール | 福袋や年始セール |
| 2〜3月 | 新生活・決算(3月) | 決算セールで大型割引が出やすい |
| 5〜6月 | 端境期 | 需要が落ち着く時期 |
| 7〜8月 | 夏ボーナス | 従来の狙い目だが2026年は相場が上昇 |
| 9月 | 中間決算 | 決算セールが出やすい |
| 10月 | プライム感謝祭など | 周辺機器が狙い目 |
| 11月末 | ブラックフライデー | 1年で最も規模が大きい |
| 12月 | 年末商戦・冬ボーナス | 割引とポイント還元が最大級 |
2026年8月時点で次に来るのは9月の中間決算です。そのあと11月末のブラックフライデーと年末商戦が続きます。夏を逃したとしても、年内の機会がなくなるわけではありません。
なお10月前後のAmazonプライム感謝祭などは、PC本体よりモニターやキーボード、マウスといった周辺機器で効きます。本体はBTO各社のセール、周辺機器は大手ECのセールと、時期を分けて考えてください。
BTO各社のセールの周期
同じ「セール」でも各社で出方が違います。2026年8月に確認した内容です。
| ショップ | セールの出方 | 狙い方 |
|---|---|---|
| フロンティア | 毎週金曜15時更新の週間セール+季節セール | 同じ構成で8万円動きます。最安狙いの本命 |
| パソコン工房 | 決算セール・AMD祭など常時どれかが進行 | セールを待たずとも値頃。キャンペーン対象の確認を |
| ドスパラ | 月1以上のキャンペーン・ポイント還元・分割手数料無料 | 速さと品揃えが本体。価格はTHIRDWAVEまで含めて判断 |
| マウス(G-Tune) | 大幅セールは少なめ | 標準3年保証を金額換算すると総額で逆転することがあります |
| ツクモ | ヤマダ電機グループのセール・ポイント | 2026年8月時点では価格が高め。透明性で選ぶ店です |
各社の詳しい検証は個別のレビュー記事にまとめています。
- フロンティア(FRONTIER)の評判
- パソコン工房(LEVEL∞)の評判
- ドスパラ(GALLERIA)の評判
- マウスコンピューター(G-Tune)の評判
- ツクモ(G-GEAR)の評判
- BTOゲーミングPCメーカー比較
最新のセール内容は各社の公式ページで確認できます:フロンティア/ドスパラ/パソコン工房/ツクモ
セールで損しない見極め方
- 同じGPUの通常価格と比べてください
- セール価格だけ見ても安いかは分かりません。他社の同等構成と横断で並べるのが確実です
- 構成が削られていないか確認してください
- セールで安いモデルが、CPUを前世代に落としたりメモリを16GBにしたりしていることがあります
- 台数限定の表示に焦らないでください
- 次のセールで同等品が出ることが多いので、必要なときに納得できる価格で買えば十分です
- 保証とポイントも込みで比べてください
- 本体価格が同じでも、標準保証の年数や分割の無料回数を含めると総額が変わります
- 返品できない会社が多い点も前提です
- 9社のうち返品に対応しているのはマウス・ツクモ・Dellだけです。セールで勢いよく買う前に確認してください
各社の保証と返品の条件はBTOパソコンが故障したときの修理ガイドとBTO9社の返品ポリシー比較にまとめました。
ソフト側のセールは周期が違います
ハードとソフトでは、セールの読み方がまったく違います。
Steamの大型セールは2027年上半期までの日程が公式に公開されています。次のオータムセールは10月1日から10月8日で、そのあと12月17日からのウィンターセールが続きます。BTOのように「いつ来るか分からないので毎週見る」という必要がありません。
詳しくはPCゲームを安く買う方法にまとめました。買ってから14日以内かつプレイ2時間未満なら返金できる規定も、あわせて扱っています。
よくある質問
Q.ゲーミングPCのセールはいつが買い時ですか?
A.2026年8月時点で次に来るのは9月の中間決算、そのあと11月末のブラックフライデーと年末商戦です。ただし従来言われていた「夏(7〜8月)が最安」という季節性は、2026年には成立していません。メモリとSSDが7月に反転上昇したためです。
Q.値下がりを待ったほうがいいですか?
A.パーツによります。GPUとCPUは値下がり傾向ですが劇的には下がらず、メモリとSSDは上昇中で少なくとも2026年第3四半期までは続く見通しです。PC全体で見ると打ち消し合うため、「値下がりを待つ」という判断は成立しにくくなっています。待つならセールを待ってください。
Q.セールはどれくらいお得ですか?
A.フロンティアで確認したところ、同じRTX 5070・Ryzen 7 9700X・メモリ32GB・SSD 1TBという構成で、セール中が29万9,800円、通常価格が37万9,800円でした。差は8万円で、予算帯がひとつ変わる金額です。相場が高止まりしていても、セールの効果は変わっていません。
Q.いちばん安いショップはどこですか?
A.GPUの帯によって入れ替わります。2026年8月のRTX 5070帯ではG-Tuneが25万9,800円、パソコン工房が26万4,800円、ドスパラが28万4,980円でした。一方でエントリー帯はドスパラのTHIRDWAVEが16万8,980円と最安です。セールの瞬間最安を狙うならフロンティアになります。
Q.なぜ2026年はPCが高いのですか?
A.生成AI向けの需要でメモリとSSDの供給が逼迫しているためです。調査会社Omdiaによると、メインストリームPC向けのメモリ・ストレージのコストは40〜70%上昇しました。PCの平均単価は2026年4月に約13万9,821円まで急騰し、6月時点でも前年同月比で36%高い水準です。
Q.メモリを最小構成にして後から増設するのは有効ですか?
A.条件付きで有効です。ただし増設料金は会社によって大きく違い、Dellは16GBから32GBへの変更が8万2,500円でした。一方でフロンティアやツクモは標準構成の時点で32GBが付いてきます。詳しくはメモリの選び方をご覧ください。
Q.周辺機器はいつ買うのがいいですか?
A.本体とは時期を分けて考えてください。モニターやキーボード、マウスといった周辺機器は、10月前後のAmazonプライム感謝祭や11月末のブラックフライデーなど、大手ECのセールで効きます。BTO各社のセールは本体が中心です。
Q.ゲームソフトのセールも同じ時期ですか?
A.違います。Steamは大型セールの日程を2027年上半期まで公開しており、次のオータムセールは10月1日から10月8日です。BTOのように毎週確認する必要はありません。ソフト側の詳細はPCゲームを安く買う方法にまとめました。
まとめ・次に読みたい記事
セールの狙い方は、2026年に入って前提が変わりました。
「夏が最安」は今年に限っては成立しませんでした。メモリとSSDが7月に反転上昇したためです。値下がり待ちの効果が最も薄いのがこの2つで、少なくとも第3四半期までは上昇が続く見通しです。一方でGPUとCPUは値下がり傾向にあり、パーツによって向きが逆になっています。
ただし、セールそのものの効果は変わっていません。同じ構成でセールと通常価格に8万円の差がありました。相場が高いことと、セールが効かないことは別の話です。
次の山は9月の中間決算、そのあと11月末のブラックフライデーと年末商戦です。周辺機器なら10月前後の大手ECのセールが狙い目になります。
そしてソフト側は読み方が違います。Steamは2027年上半期まで日程が公開されているので、待つ期間を計算できます。



