Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了しました。それでもなお、Steamのハードウェア調査ではWindows 10が23.30%を占めています。4人に1人はまだWindows 10でゲームをしている計算です。
そして2026年6月、Microsoftは個人向けのESU(拡張セキュリティ更新)を2027年10月12日まで1年延長すると発表しました。「まだ1年以上ある」と受け取った人も多いと思います。
ここに落とし穴があります。 ゲーマーにとっての実質的な期限は、ESUの2027年10月ではありません。その1年前に、もっと重い期限が来ます。
先に結論
期限は1つではありません。時系列で並べると、こうなります。
| 時期 | 何が起きる | ゲーマーへの影響 |
|---|---|---|
| 2025年10月(済) | Maxwell・Pascal・Volta世代のGame Readyドライバ提供終了 | GTX 900/1000シリーズはすでに新作最適化の対象外です |
| 2025年10月14日(済) | Windows 10の通常サポート終了 | ESUに登録しなければセキュリティ更新が止まります |
| ★2026年10月 | ★Windows 10向けGame Ready/Studioドライバの提供終了 | ★<strong>ここが実質的な期限</strong>。RTXでも新作最適化が来なくなります |
| 2027年10月12日 | 個人向けESU終了 | セキュリティ更新も完全に止まります |
| 2029年10月 | Windows 10向けのセキュリティドライバ提供終了 | ドライバ面のサポートが完全終了します |
いま2026年8月です。★の期限まで、あと2か月ほどしかありません。
本当の期限はESUではなくドライバです
ここがこの記事の核心です。
NVIDIAは、Microsoftのサポート終了日から1年延長してWindows 10をフルサポートする方針を示していました。その期限が2026年10月です。
- 2026年10月まで=フルサポート
- GeForce RTXシリーズであれば、Windows 10でもGame Ready DriverとStudio Driverが通常どおり提供されます。新作ゲームの発売日に合わせた最適化(day-0最適化)も受けられます。
- ★2026年11月以降=通常のドライバ提供が終了
- Windows 10向けのGame Ready Driver・Studio Driverのリリースがなくなります。つまり、それ以降に出る新作ゲームの最適化は届きません。ゲームが起動しなくなるわけではありませんが、性能や不具合修正の面で置いていかれます。
- 2029年10月まで=セキュリティ更新のみ
- 四半期ごとに重要なセキュリティ関連のドライバ更新は続きます。あくまで安全性の維持で、ゲーム性能の改善ではありません。
★整理すると、ESUが守るのはOSの安全性だけで、ゲームの快適さは守ってくれません。「2027年10月まで大丈夫」という理解は、セキュリティの話としては正しく、ゲーム環境の話としては誤りです。
なお、これとは別にGPU世代による打ち切りも進んでいます。Maxwell・Pascal・Volta世代(GeForce GTX 900シリーズ、GTX 1000シリーズなど)は、2025年10月の最終Game Ready Driverですでに対象外になりました。こちらも2028年10月まで四半期ごとのセキュリティ更新のみが続きます。
GTX 1060やGTX 1070を使っている人は、OSの前にGPU側で先に切られているということです。
AMD(Radeon)はどうか
AMDはNVIDIAのような明確な期限を示していません。ただし、AMD Software: Adrenalin Edition 25.10.2でWindows 10がサポート対象の表記から外れました。その後のバージョンでもWindows 10向けの提供自体は続いていますが、Windows 10環境に固有の不具合も実際に起きています(26.6.2でRadeonが正常認識されない問題が発生し、後続バージョンで修正)。
期限が明示されていないぶん読みにくいのですが、優先度が下がっているのは間違いありません。
ESUで得られるもの・得られないもの
延長された制度の中身を、Microsoft公式の記載で確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 終了日 | 2027年10月12日 |
| 対象OS | Windows 10 バージョン22H2(Home / Pro / Pro Education / Workstations) |
| 必要な条件 | 最新のWindows Updateを適用済み・Microsoftアカウントで管理者としてサインイン |
| 対象外のデバイス | キオスク、Active Directory/Entra参加、MDM登録デバイス |
| 無償で登録する方法 | PC設定を同期する(Windowsバックアップ) |
| その他の登録方法 | Microsoft Rewards 1,000ポイント、または30ドル相当 |
| 提供されるもの | 「緊急」および「重要」のセキュリティ更新プログラムのみ |
| 提供されないもの | その他の修正、機能向上、製品の改良、そして技術サポート |
| 商用利用 | コンシューマー向けESUは商用シナリオでは使用不可 |
注意点を3つ挙げます。
- ★Microsoftアカウントが必須です
- ローカルアカウントのままでは登録できません。子供用アカウントも対象外です。ローカルアカウントで使い続けたい人にとっては、ここが最初の障壁になります。
- バージョン22H2でなければ登録できません
- それ以前のバージョンのままなら、まず22H2へ更新する必要があります。
- 「セキュリティ更新だけ」という意味を軽く見ないこと
- 不具合の修正も、機能の改善も、問い合わせ窓口もありません。何か起きても自力で対処することになります。
もうひとつの期限——ゲーム側がWindows 11を要求し始めています
ドライバとは別に、ゲーム自体がWindows 10を切り捨てる動きが始まっています。当サイトで動作環境を個別に確認してきたタイトルから、実例を挙げます。
| タイトル | OS要件 | Windows 10での可否 |
|---|---|---|
| MGS マスターコレクション Vol.2 | Windows 11専用 | 動きません |
| MARVEL Tōkon: Fighting Souls | Windows 11のみ | 動きません |
| エースコンバット8(2026年10月2日発売) | Windows 11必須 | 動きません |
| FINAL FANTASY RESONANCE(2026年10月22日発売) | Windows 11必須 | 動きません |
★注目すべきは、2026年10月に発売される2本がどちらもWindows 11必須だという点です。ドライバの打ち切りと同じ月に、遊べない新作が出てきます。
性能ではなくOSで弾かれるため、どれだけ高性能なGPUを積んでいても関係ありません。RTX 5090を載せたWindows 10のPCより、内蔵GPUのWindows 11のPCのほうが「起動できる」という逆転が起きます。
「Windows 11必須」と「TPM 2.0必須」は別物です
ここは混同されやすいので、はっきり分けておきます。
| 要件 | 代表的なタイトル | Windows 10のままで満たせるか |
|---|---|---|
| Windows 11必須 | MGSマスコレVol.2、MARVEL Tōkon、エースコンバット8 | ★満たせません |
| TPM 2.0・Secure Boot必須 | バトルフィールド6(EA Javelin)、Call of Duty(RICOCHET) | 満たせます(BIOSで有効化) |
TPM 2.0とSecure Bootは、Windows 10でも有効にできます。バトルフィールド6やCall of Dutyがゲーム起動時に要求するのはこちらで、OSのバージョンそのものではありません。「アンチチートが厳しくなったからWindows 11にしないといけない」というのは、正確ではないということです。
★そして、ここに皮肉があります。TPM 2.0とSecure Bootを有効にできたPCは、Windows 11の要件をかなり満たしています。
Microsoftが示すWindows 11の最小要件はこうです。
- システムファームウェア
- UEFI、セキュアブート対応
- TPM
- トラステッド プラットフォーム モジュール(TPM)バージョン2.0
- プロセッサ
- 1GHz以上・2コア以上の64ビット互換プロセッサ
- メモリ / ストレージ
- 4GB / 64GB以上
- グラフィックス
- DirectX 12以上(WDDM 2.0ドライバー)に対応
つまり「BF6のためにBIOSでTPM 2.0とSecure Bootを有効にした」という人は、Windows 11に上げられる可能性が高いわけです。ゲームのために片方の設定をしたのなら、もう一歩進めない理由はあまりありません。
ただし、Microsoftは対応プロセッサのリストを別途定めており、要件を満たしていても対象外のCPUがあります。自分のPCで上げられるかは、Windows Updateの画面かPC正常性チェックアプリで確認してください。
Windows 11に上げるか、買い替えるか
判断はこうなります。
| 状況 | 取るべき選択 |
|---|---|
| Windows 11の要件を満たしている | 無償アップグレードしてください。ドライバ・新作の両方の問題が同時に解決します |
| TPM 2.0がBIOSで無効なだけ | 有効化すれば要件を満たす場合があります。まず確認してください |
| CPUが対応リスト外 | アップグレードできません。買い替えの検討に入ります |
| GTX 900/1000シリーズを使っている | OSの前にGPU側が対象外です。買い替えを優先してください |
| いまのPCで満足していて新作を遊ばない | ESUに登録して2027年10月まで使うのは合理的な選択です |
★注意したいのは、「新作を遊ばないなら急ぐ必要はない」という点です。ドライバの打ち切りが効いてくるのは、あくまで新作ゲームの最適化です。すでに持っているゲームが2026年11月に突然動かなくなるわけではありません。
逆に、新作を追いかけるつもりなら2026年10月が現実的な区切りになります。買い替えを考えるなら、パーツ相場も見ておいてください。ゲーミングPCはいくら値上がりしたのかで定点観測しています。手持ちのPCを活かす選択肢はアップグレードか買い替えかにまとめました。
Windows 10は本当に減っているのか
最後に実データを見ます。Valveが公開しているSteamハードウェア調査の2026年7月分です。
| OS | シェア | 前月比 |
|---|---|---|
| Windows 11 64bit | 70.26% | −0.18% |
| Windows 10 64bit | 23.30% | −0.26% |
| Windows 合計 | 93.67% | −0.43% |
| Linux 合計 | 4.01% | +0.32% |
| macOS 合計 | 2.32% | +0.11% |
★Windows 10の減り方は月0.26%程度です。このペースが続くと、ESUが終わる2027年10月の時点でもまだ2割近くが残っている計算になります。
これは重要な含みを持ちます。それだけの規模が残る限り、ゲーム側もすぐには全面的にWindows 10を切りにくいからです。実際、いまWindows 11必須なのは一部のタイトルにとどまっています。
とはいえ、それは「まだ大丈夫」の根拠にはなりません。遊びたいタイトルが1本でもWindows 11必須なら、その時点で当事者です。全体の傾向ではなく、自分の遊ぶタイトルで判断してください。
なお、Linuxが増えているのも見逃せない変化です。Steam Deckなどの影響と見られますが、これについてはSteam Machineはゲーミングpcの代わりになるかで扱っています。
よくある質問
Q.Windows 10でゲームはいつまで遊べますか?
A.持っているゲームが急に動かなくなることはありません。ただし新作を快適に遊ぶという観点では、NVIDIAのGame Readyドライバが2026年10月でWindows 10向けの提供を終えるため、そこが実質的な区切りです。ESU(セキュリティ更新)は2027年10月12日まで続きます。
Q.ESUに登録すれば2027年10月まで安心ですか?
A.セキュリティの面では守られますが、ゲーム環境は別です。ESUで提供されるのは「緊急」「重要」のセキュリティ更新だけで、機能改善も不具合修正も技術サポートもありません。ドライバの提供終了も止められません。
Q.ESUの登録は無料ですか?
A.無料の方法があります。PC設定の同期(Windowsバックアップ)を有効にすれば追加費用なしで登録できます。ほかにMicrosoft Rewards 1,000ポイント、または30ドル相当の支払いという選択肢もあります。ただしWindows 10バージョン22H2であることと、Microsoftアカウントで管理者としてサインインすることが条件です。ローカルアカウントのままでは登録できません。
Q.Windows 10で動かない新作はもうありますか?
A.あります。MGSマスターコレクションVol.2とMARVEL Tōkon: Fighting SoulsはWindows 11専用です。さらに2026年10月2日発売のエースコンバット8、10月22日発売のFINAL FANTASY RESONANCEもWindows 11必須です。性能ではなくOSで弾かれるため、GPUを強化しても解決しません。
Q.バトルフィールド6やCall of DutyはWindows 11が必要ですか?
A.いいえ。これらが要求しているのはTPM 2.0とSecure Bootで、OSのバージョンではありません。Windows 10のままでもBIOSで有効化すれば条件を満たせます。「Windows 11必須」と混同されがちですが、別の要件です。
Q.Windows 11に無償でアップグレードできますか?
A.要件を満たしていれば可能です。必要なのはUEFI+セキュアブート対応、TPM 2.0、1GHz以上2コア以上の64ビットCPU、メモリ4GB、ストレージ64GB以上、DirectX 12対応です。ただしMicrosoftは対応プロセッサのリストを別途定めており、これらを満たしていても対象外のCPUがあります。PC正常性チェックアプリで確認してください。
Q.GTX 1060を使っています。どうすべきですか?
A.OSの問題より先に、GPU側で対象外になっています。Pascal世代(GTX 1000シリーズ)は2025年10月の最終Game Ready Driverで新作最適化の提供が終わり、以降は2028年10月まで四半期ごとのセキュリティ更新のみです。新作を遊ぶつもりなら買い替えの検討時期です。
Q.Radeonを使っている場合はどうですか?
A.AMDはNVIDIAのような明確な期限を示していません。ただしAdrenalin 25.10.2でWindows 10がサポート対象の表記から外れており、その後もWindows 10環境に固有の不具合が発生しています。期限は読みにくいものの、優先度が下がっているのは確かです。
まとめ・次に読みたい記事
Windows 10でゲームを続けられるかという問いには、期限が3つあると答えるのが正確です。
いちばん重要なのは、多くの人が見落としている2026年10月のドライバ打ち切りです。NVIDIAはWindows 10向けのGame Ready DriverとStudio Driverをこの月で終え、11月以降は新作ゲームの最適化が届かなくなります。ESUの2027年10月ばかりが語られますが、ゲーム環境が先に古びるのはこちらです。
次に、ゲーム側のWindows 11必須化です。MGSマスターコレクションVol.2やMARVEL Tōkonはすでに動かず、2026年10月にはエースコンバット8とFINAL FANTASY RESONANCEが加わります。性能では解決できません。
そして、混同しないでほしいのが「Windows 11必須」と「TPM 2.0・Secure Boot必須」の違いです。バトルフィールド6やCall of Dutyが求めているのは後者で、これはWindows 10のままでも満たせます。逆に言えば、それを有効化できたPCはWindows 11の要件もかなり満たしています。
新作を追わないなら、ESUに登録して2027年10月まで使うのは合理的です。新作を追うなら、期限は2026年10月だと考えてください。



