『Clair Obscur: Expedition 33』(読みにくい正式タイトルゆえ、国内では「クレオブ33」「なんとか33」の通称でも呼ばれます)は、フランスの小規模スタジオSandfall Interactiveが開発したリアクティブターン制RPGです。わずか30人規模のチームが手がけた作品ながら、2025年4月24日の発売直後から高評価を獲得し、「The Game Awards 2025」では年間最優秀賞(GOTY)を含む9冠を獲得、全世界売上は800万本を突破しています。PC選びで見落としやすいのが、「ターン制RPGだから軽い」というイメージとは裏腹に、Unreal Engine 5+Lumenの採用でグラフィック負荷がかなり高いこと。公式の「推奨」表記も、実は最高画質「Epic」ではなく一段階下の「High」設定を基準にしている点に注意が必要です。この記事は、公式の動作環境と発売後の実情をもとに、PC選びのポイントを整理します。

先に結論(編集部のおすすめ)

公式推奨(RTX3060 Ti)はあくまで「High設定・1080p60fps」の基準です。Epic設定や高解像度を狙うなら余裕を持たせましょう。

遊び方CPUGPUメモリ
フルHD・標準(入門)Core i5-12400 / Ryzen 5 5600RTX 506016GB
フルHD・Epic設定安定(本命)Core i5-13600K / Ryzen 7 7700RTX 5060 Ti 16GB16GB
WQHD・Epic設定快適(上位)Ryzen 7 7800X3DRTX 5070 Ti以上32GB

ターン制なのにUE5+Lumenで激重な理由

本作はコマンド選択型のターン制バトルに、リアルタイムのタイミングアクション(QTE的な回避・パリィ)を組み合わせた「リアクティブターン制」が特徴です。見た目はクラシックなRPGですが、内部的にはUnreal Engine 5+Lumen(グローバルイルミネーション)+Naniteを採用しており、ベル・エポック調の幻想的な世界を描くために描画負荷は決して軽くありません。実測ベンチマークでは、最高画質設定でフルHD・RTX4070クラスでようやく60fps程度、4KはRTX5070クラスでも40fps未満という報告があります。

GPUフルHD(最高画質)4K(最高画質)
RTX 508094fps58fps
RTX 5070 Ti84fps50fps
RTX 507071fps39fps
RTX 407060fps29fps
Lumen GIのオフで最大20fps改善
グローバルイルミネーションをオフにすると大きくfpsが伸びます。ただし「Epic」から「High」に一段階下げるだけでは差はわずか(約4%)で、体感できる改善を狙うなら「Medium以下+SSGI(スクリーンスペースGI)」への切り替えが効果的とされています。
反射(Reflections)はHigh/Epicの差が小さい
反射設定はHighとEpicの性能差が小さいため、Epicのままでもコストパフォーマンスが良いとされています。

公式動作環境。「推奨」は最高画質ではなく「High」設定が基準

階層CPUGPUメモリ目安
最小Core i7-8700K / Ryzen 5 1600XGTX 1060 6GB / RX 5600 XT 6GB8GB1080p・Low設定30fps
推奨Core i7-12700K / Ryzen 7 5800XRTX 3060 Ti 8GB / RX 6800 XT 16GB16GB1080p・High設定60fps

ストレージは共通で55GB(SSD必須)、DirectX 12が必要です。公式推奨の目標が「Epic(最高画質)」ではなく一段階下の「High」設定である点は見落としやすいポイントです。ネイティブ解像度でEpic設定・フルHD60fpsを安定して狙うなら、実測ベンチの傾向からRTX4070クラス以上を目安にすると安心です。なお、DLSS(バランスモード程度)を併用すれば、RTX3060クラスでもEpic設定・60fps前後まで到達するという報告もあり、DLSSを使う前提なら公式推奨クラスのGPUでもEpic設定が現実的な選択肢になります。

発売直後はFSR非対応。今は解消(Thank You Update)

発売直後の2025年4月時点では、対応するアップスケーリング機能はDLSS・XeSS・TSRのみで、AMD独自のFSRには非対応でした。この状況は、2025年12月12日に配信された無料の大型アップデート「Thank You Update(Patch 1.5.0)」で改善され、FSR4アップスケーリングとFSRフレーム生成、AMD Anti-Lag 2への対応が追加されています。

現在はDLSS・FSR・XeSS・TSRに対応
NVIDIA・AMD・Intelいずれの環境でも、何らかの超解像機能を利用できる状態になっています。
Thank You Updateは無料の大型追加コンテンツ
新エンドコンテンツエリア「Verso's Drafts」、新ボス、新武器・Pictos、最大50パターン保存できる「Lumina Sets」、フォトモードなどが無料で追加されました。GOTY受賞を受けたファン還元的なアップデートです。

シェーダーコンパイルスタッターの対処法

UE5系タイトルらしく、初回プレイ時やエリア切り替え時に一時的なカクつき(シェーダーコンパイルスタッター)が発生することが知られています。主な対処法は次のとおりです。

シェーダーキャッシュの削除
「%LOCALAPPDATA%\Sandfall\Saved」フォルダ内のシェーダーキャッシュファイル(拡張子.ushaderprecache・.upipelinecacheなど)、またはSteamライブラリ内の「shadercache\1903340」フォルダを削除して再起動すると、再コンパイルを経てスタッターが軽減する場合があります。
GPUドライバのクリーンインストール
DDU(Display Driver Uninstaller)で既存ドライバを完全に削除してから、最新版を入れ直すと改善する場合があります。
フレームレート上限設定の見直し
V-syncを60Hz固定にする、または上限を100fps以上に緩めるなど、フレームレート制限の設定を見直すと改善する場合があります。

その他の仕様

ムービーシーンは30fpsに固定
戦闘・探索中のフレームレートに上限はありませんが、ムービーシーンはゲームエンジンの仕様で30fpsに固定されています。有志のModでこの制限を解除する方法も知られています。
対応言語は19言語(日本語対応)
Thank You Updateで対応言語がさらに拡充され、日本語を含む幅広い言語に対応しています。

予算別の構成例(パーツ実例)

「ターン制だから軽い」という思い込みを捨て、UE5+Lumenの負荷を踏まえた構成にしています。価格はBTO完成品の目安で、メモリ高騰により変動するため、最新は各メーカーで確認してください。

フルHD・標準(入門)/約18〜22万円
Core i5-12400(または Ryzen 5 5600)+ RTX 5060 + 16GB + 550W電源。公式推奨(RTX3060 Ti)と同等以上の、無難な構成。
フルHD・Epic設定安定(本命)/約22〜26万円
Core i5-13600K(または Ryzen 7 7700)+ RTX 5060 Ti 16GB + 16GB + 650W電源。最高画質Epicでもフルhd60fps安定を狙える構成。
WQHD・Epic設定快適(上位)/約30〜37万円
Ryzen 7 7800X3D + RTX 5070 Ti以上 + 32GB + 750W電源。WQHDでもEpic設定を余裕を持って狙える構成。

よくある失敗

「ターン制RPG=軽い」と思い込む
UE5+Lumenの採用で見た目以上に負荷が高いタイトルです。ジャンルイメージだけでGPUを妥協しないようにしましょう。
公式推奨(RTX3060 Ti)で最高画質を期待する
公式推奨の目標は「Epic」ではなく「High」設定です。最高画質を求めるならワンランク上のGPUを検討しましょう。
発売直後の「FSR非対応」情報のまま止まっている
2025年12月のThank You Updateで解消済みです。現在はFSR4を含む主要なアップスケーリング機能に対応しています。
スタッターが出てもそのまま我慢する
シェーダーキャッシュの削除やドライバのクリーンインストールで改善する場合があります。

よくある質問

Q.Clair Obscur: Expedition 33はどんなゲームですか?

A.フランスの小規模スタジオSandfall Interactiveが開発したリアクティブターン制RPGです。2025年4月24日に発売され、「The Game Awards 2025」でGOTY(年間最優秀賞)を受賞、全世界売上800万本を突破しています。

Q.ターン制RPGなので、あまり高性能なPCは要らないですか?

A.いいえ。Unreal Engine 5とLumenを採用しており、見た目のジャンルイメージ以上に描画負荷が高いタイトルです。最高画質・高解像度を狙うなら相応のGPUが必要です。

Q.公式推奨スペック(RTX3060 Ti)で快適に遊べますか?

A.「1080p・High設定・60fps」が目標で、最高画質の「Epic」設定ではありません。Epic設定でのプレイを想定するなら、RTX4070クラス以上を目安にしましょう。

Q.AMDのグラフィックボードでも快適に遊べますか?

A.発売直後(2025年4月)はFSRに非対応で、AMD環境ではXeSSやTSRに頼る必要がありました。2025年12月の無料アップデート「Thank You Update」でFSR4に対応し、現在は解消されています。

Q.カクつき(スタッター)が気になります。対処法はありますか?

A.UE5タイトルに多いシェーダーコンパイルスタッターの可能性があります。シェーダーキャッシュフォルダの削除や、GPUドライバのクリーンインストールで改善する場合があります。

まとめ・次に読みたい記事

Clair Obscur: Expedition 33は、「ターン制RPGだから軽い」という思い込みを覆す、UE5+Lumen採用の重量級タイトルです。公式推奨(RTX3060 Ti)はあくまで「High設定・1080p60fps」の基準であり、最高画質のEpic設定を狙うならワンランク上のGPUを用意しましょう。発売直後にあったFSR非対応の問題も、無料の大型アップデートで解消済みです。GOTY受賞作を万全の環境で楽しんでください。