ゲーミングPCをスリープから復帰させたのに、モニターが真っ黒なままになったり、「DisplayPort 信号なし」「No Signal」と表示されたりすることがあります。PC本体のファンやLEDは動き、キーボードも反応しているのに、画面だけが戻らないケースも少なくありません。

この症状は、グラフィックボードの故障だけでなく、DisplayPort接続の再認識失敗、モニターの省電力機能、GPUドライバー、WindowsのPCI Express電源管理、マルチモニターの表示先切り替えなどでも発生します。

Microsoftも、Windowsの空白画面では、映像ケーブルの接続、ディスプレイモード、グラフィックスドライバーを順番に確認するよう案内しています。画面が真っ黒でも、Windowsキー、Ctrlキー、Shiftキー、Bキーを同時に押すことでグラフィックスドライバーをリセットできる場合があります。

最初に「PCが復帰していない」のか「画面だけ映らない」のか確認する

スリープ復帰後の黒い画面には、大きく分けて二つの状態があります。一つは、Windows自体はスリープから復帰しているものの、モニターへ映像信号を出力できていない状態です。もう一つは、PCがスリープから正常に復帰できず、システム全体が停止している状態です。両者では確認すべき場所が異なります。

復帰後の状態主に疑う原因
ファンやLED・Windowsの音が動くモニター・DisplayPort・GPUドライバー
Caps Lockランプが切り替わる画面出力だけ失敗している可能性
Win+Ctrl+Shift+Bで音が鳴るGPUドライバーは操作を受付中
「DisplayPort 信号なし」と出るケーブル・入力切替・DP再認識
マウス・キーボードにも無反応復帰処理・BIOS・システム停止
復帰後にPCが再起動しているドライバーエラー・電源問題
電源ボタン長押しでしか戻らない復帰失敗またはハードウェア問題

Windowsの音が聞こえる、USB機器が再接続される、キーボード操作へ反応する場合は、Windows自体ではなく画面出力側から確認します。PC全体が反応しない場合は、DisplayPortケーブルだけでなく、GPUドライバー、チップセット、BIOS、スリープ状態の互換性まで確認する必要があります。

強制終了する前に試したい復旧方法

スリープ復帰後に画面が映らなくても、すぐに電源ボタンを長押しすると、作業中のデータが失われる可能性があります。最初に次の操作を順番に試してください。

試す操作確認できること
モニターの電源を入れ直すモニター側の省電力状態を解除できるか
入力をDP→HDMI→DPと切り替える入力信号を再検出できるか
Windows+Ctrl+Shift+Bグラフィックスドライバーをリセットできるか
Windows+P、P、Enter表示先が別モニターへ移っていないか
DisplayPortケーブルを挿し直すDP接続を再確立できるか
Ctrl+Alt+DeleteWindowsのセキュリティ画面を出せるか
別のモニターやテレビへ接続するPC側とモニター側どちらが原因か

Microsoftは、黒い画面になった場合の対処として、Windows+Ctrl+Shift+Bによるグラフィックスドライバーのリセットと、Windows+Pによる表示モードの切り替えを案内しています。Windows+Ctrl+Shift+Bを押すと、正常に操作を受け付けた場合は短い音が鳴り、画面が一瞬点滅することがあります。

画面が復帰した場合は、一時的にGPUドライバーまたは表示接続の状態が崩れていた可能性があります。何度も再発する場合は、後述のドライバーと電源管理の設定も確認してください。

Windows+Pで表示先を切り替える

スリープ復帰後、Windowsが別のモニターをメイン画面として認識している場合があります。特に、複数のモニター、テレビ、VRヘッドセット、キャプチャーボード、HDMI分配器などを接続している環境では、復帰後に表示先が変わることがあります。

画面が見えない状態でも、WindowsキーとPキーを押し、もう一度Pキーを押してEnterキーを押すと、表示モードを順番に切り替えられます。Windowsの表示モードには、「PC画面のみ」「複製」「拡張」「セカンドスクリーンのみ」などがあります。Microsoftも、空白画面の診断としてWindows+Pで表示モードを切り替える方法を案内しています。

数秒待っても映らない場合は、同じ操作を何度か繰り返します。別のモニターにだけ映像が出ていた場合は、メインディスプレイの設定や、スリープ復帰後のモニター検出順が原因と考えられます。

原因1|DisplayPortの接続を復帰後に再確立できていない

スリープ復帰後だけ画面が映らず、PCを再起動すると正常に戻る場合は、DisplayPortの接続を再確立できていない可能性があります。DisplayPort接続では、PC、グラフィックボード、モニターの間で映像出力に必要な情報をやり取りします。スリープ中にモニターが深い省電力状態へ入り、復帰時に信号を正常に検出できないと、「信号なし」のままになることがあります。

この問題は必ずしもグラフィックボードだけが原因ではありません。Dellも、特定のモニターにおいて、DisplayPort接続時に休止状態から復帰した後、モニターが映像信号を検出しなくなる製品固有の問題を公開しています。同じような症状でも、モニター側のファームウェアや接続仕様が原因になるケースがあります。

まず試す切り分け手順

モニターの電源ケーブルも抜いてリセット
電源ボタンで待機状態へ移行しただけでは、モニター内部の制御回路が完全にはリセットされない場合があります。電源ケーブルをコンセントから抜き、30秒程度待ってから接続し直してください。これで復帰するなら、PC本体ではなくモニターの省電力状態やファームウェア側に原因がある可能性が高いです。
DisplayPortの別端子へ接続
グラフィックボードに複数のDP端子がある場合は別の端子へ接続します。変換アダプター、DisplayPort切替器、KVMスイッチ、ドッキングステーションは一度取り外し、ケーブル1本で直結して試してください。ASUSも画面が映らない場合の切り分けとして、別ケーブル・別ポート・別モニターでの確認を案内しています。
HDMI接続に替えて再発するか比較
HDMIで正常、DPだけ信号なしになるなら、DPケーブル・DP端子・モニターのDP設定・GPUファームウェアに原因を絞れます。反対に両方とも映らないなら、GPUドライバーやシステム全体の復帰失敗を優先して確認します。恒久的な解決策ではなく、原因の場所を判断するための比較です。
DisplayPortケーブルを交換
ケーブルが外見上きれいでも、端子の接触不良や内部損傷でスリープ復帰時の信号再確立だけが不安定になることがあります。使用する解像度・リフレッシュレートに対応した別のケーブルへ交換して確認してください。MicrosoftとDellも、黒い画面や外部モニターの問題切り分けに別ケーブルの使用を案内しています。
モニターの入力自動切り替えを確認
複数入力端子を持つモニターでは、スリープ中にDP信号が途切れると別のHDMI入力へ切り替わる場合があります。OSDメニューで現在の入力を確認し、「Auto Input」「自動入力切替」が有効なら一時的に無効化してDisplayPortへ固定します。反対に入力が固定されているため再検出しない製品では、一度HDMIへ変更してからDPへ戻すと復帰することがあります。

モニターのDeep Sleepや省電力設定を見直す

ゲーミングモニターには、待機電力を減らすための「Deep Sleep」「Eco Mode」「Power Saving」「省電力モード」などが搭載されている場合があります。深い省電力状態へ入ると、スリープ復帰時の映像信号を検出するまで時間がかかったり、特定の接続構成で復帰できなかったりすることがあります。

モニターのOSDメニューで該当する設定がある場合は、一時的に無効化して再発するか確認してください。設定名や動作はメーカーと機種によって異なります。省電力機能を無効化すると待機中の消費電力が増える可能性があるため、必ずモニターのマニュアルを確認してください。Dellの製品サポートにも、モニターのDeep Sleep状態からマウスやキーボードで正常に復帰できない製品固有の情報があります。

モニターのファームウェアを更新する

DisplayPort接続の復帰不良が特定モニターの既知問題である場合、モニターのファームウェア更新で改善する可能性があります。USBアップストリーム接続や専用ソフトを使って、ユーザーがファームウェアを更新できるモニターもあります。

メーカーの製品サポートページで、型番に対応するファームウェア、更新履歴、スリープ復帰、DisplayPort、信号検出に関する修正がないか確認してください。更新中に電源やUSBケーブルを抜くと、モニターが正常に動作しなくなる危険があります。メーカーの更新手順に従い、対象機種とファームウェアを間違えないよう注意してください。

古いGeForceではDisplayPortファームウェアが必要な場合がある

GeForce GTX 900、GTX 10シリーズなど一部の旧世代GPUでは、DisplayPort 1.3・1.4対応モニターとの互換性を確保するため、NVIDIAがGPUファームウェア更新ツールを提供しています。NVIDIAによると、対象GPUでファームウェアが未更新の場合、DisplayPort 1.3・1.4対応モニターとの接続時に、OSが起動するまで画面が映らない、起動処理が停止するといった問題が発生する可能性があります(スリープ復帰特有の問題ではなく、主に起動時の問題として案内されています)。

この更新はすべてのGeForceに必要なものではありません。対象は主にMaxwell、Pascal世代の指定GPUです。RTXシリーズや対象外のGPUへ、古い更新ツールを使用してはいけません。現在のGPU型番を確認し、NVIDIA公式ページで対象製品に含まれる場合だけ診断ツールを実行してください。

原因2|GPUドライバーがスリープ復帰に失敗している

DisplayPortケーブルを挿し直すと映る、Windows+Ctrl+Shift+Bで復帰する、PCを再起動すれば直る場合は、GPUドライバーがスリープ復帰時に映像出力を再初期化できていない可能性があります。Windows+Ctrl+Shift+Bは、グラフィックスドライバーをリセットするためのショートカットです。Microsoftも空白画面や画面のちらつきへの対処として、この操作を案内しています。

一度だけ発生した場合は一時的なドライバー異常の可能性がありますが、毎回または頻繁に再発するなら、GPUドライバーを更新または再インストールします。

GPUドライバーを更新する
NVIDIA GeForce・AMD Radeon・Intel Arcのいずれでも、グラフィックボードまたはPCメーカーの公式サイトから対応ドライバーを入手してください。BTOゲーミングPCやゲーミングノートPCでは、GPUメーカーの汎用ドライバーより、PCメーカーが検証したドライバーを優先した方がよい場合があります。更新後はPCを再起動し、スリープと復帰を複数回試して再発するか確認します。
更新後から発生した場合は元へ戻す
ドライバー更新の直後から画面が映らなくなった場合は、最新版へ更新するより以前のバージョンへ戻した方が改善することがあります。デバイスマネージャーの「ディスプレイ アダプター」からGPUを右クリックし、「プロパティ」「ドライバー」「ドライバーを元に戻す」を選択してください。選べない場合はGPUメーカーの公式サイトから一つ前の安定版を入手します。非公式サイトは使用しないでください。
GPUドライバーを再インストールする
更新やロールバックで改善しない場合は、デバイスマネージャーから「デバイスのアンインストール」を実行し、PCを再起動してWindowsにディスプレイドライバーを再構成させます。その後、公式ドライバーをインストールしてください。画面が頻繁に消えて通常モードで作業できない場合は、セーフモードから操作します。
AMD Cleanup Utilityを使う(Radeon環境)
通常のアンインストール・再インストールで改善しない場合は、AMD公式のCleanup Utilityで既存のAMDグラフィックス・オーディオドライバーを削除してから導入し直せます。AMDはセーフモードでの実行を推奨しています。実行前に作業中のファイルを保存し、Windows Updateが動作していないことを確認してください。問題が起きていないPCで予防目的に毎回使う必要はありません。

原因3|PCI Expressの電源管理からGPUが正常に戻れない

Windowsには、使用していないPCI Expressリンクの消費電力を抑える「リンク状態の電源管理」があります。グラフィックボードもPCI Expressへ接続されているため、スリープ復帰問題の切り分けでは、この省電力設定を一時的に無効化して変化を確認できます。

Microsoftによると、PCI Expressのリンク状態電源管理は、アイドル時のPCI Expressリンクを省電力状態へ移行させる設定です。「最大限の省電力」ではL1状態の利用を試みます。コントロールパネルの「ハードウェアとサウンド」「電源オプション」から、使用中の電源プランで「詳細な電源設定の変更」を開き、「PCI Express」「リンク状態の電源管理」を確認してください。現在「最大限の省電力」または「適度な省電力」になっている場合は、一時的に「オフ」へ変更し、PCを再起動してスリープ復帰を何度か試します。

オフにして改善した場合は、GPU、マザーボード、ドライバーのいずれかがPCI Expressの省電力状態から正常に復帰できていなかった可能性があります。ただし、この設定をオフにするとアイドル時の消費電力が増える可能性があります。万能な高速化設定ではないため、症状に変化がなければ元へ戻してください。

スリープの種類と診断レポートを確認する

PCによって、利用しているスリープ方式が異なります。従来型のS3スリープを使用するPCもあれば、Modern Standbyを使用するPCもあります。管理者権限のターミナルで次のコマンドを実行すると、そのPCで利用できるスリープ状態を確認できます。

powercfg /a

結果に「スタンバイ(S0 低電力アイドル)」と表示される場合はModern Standby対応、「スタンバイ(S3)」と表示される場合は従来型のスリープです。スリープ方式をBIOSやレジストリで強制的に切り替える方法も見かけますが、マザーボードやドライバーが対応していない状態で変更すると、スリープ自体が使えなくなる可能性があります。まずはGPU、チップセット、BIOS、モニターの更新を優先してください。

PC全体がスリープから戻らない場合は、Windowsの電源診断レポートも確認できます。

powercfg /systemsleepdiagnostics /output "%USERPROFILE%\Desktop\system-sleep-diagnostics.html"

デスクトップにHTML形式の診断レポートが作成されます。Microsoftによると、このコマンドはユーザーが不在だった時間と、システムがスリープへ移行したかをまとめた診断レポートを生成します。Modern Standby対応PCでは、次のコマンドも利用できます。

powercfg /sleepstudy /output "%USERPROFILE%\Desktop\sleepstudy.html"

powercfg /sleepstudyは、Modern Standbyの電源状態や移行状況を診断するレポートを作成します。これらのレポートだけでDisplayPortケーブルの不良までは判断できませんが、PCが実際にスリープへ入り、どの時点で復帰したのかを確認する材料になります。

画面オフとPCのスリープを分けて試す

問題が「モニターの画面オフ」だけでも発生するのか、「PC全体をスリープさせた場合」だけに発生するのかを確認します。Windows 11の「設定」「システム」「電源とバッテリー」「画面、スリープ、休止状態のタイムアウト」を開き、一時的にPCをスリープさせない設定にして、ディスプレイだけを数分後にオフへ設定してください。

画面オフから戻す場合だけでも映らなくなるなら、モニター、DisplayPort、GPUの表示再接続を優先して疑います。画面オフでは正常で、PC全体のスリープ後だけ映らなくなるなら、GPUドライバー、PCI Express電源管理、チップセット、BIOSなどの復帰処理に原因がある可能性が高くなります。Windowsにはディスプレイのアイドルタイムアウトと、システムのスリープタイムアウトが別々に用意されています。

原因4|マルチモニターの一部だけ復帰していない

複数のモニターを使用している場合は、すべてが同時に復帰するとは限りません。一台だけが「信号なし」になり、別のモニターにはWindowsの画面が表示されていることがあります。

まず、正常に映っているモニターからWindowsの「設定」「システム」「ディスプレイ」を開きます。映らないモニターが表示されている場合は、「検出」を実行し、表示モードが「デスクトップをこのディスプレイに拡張する」になっているか確認してください。Microsoftも外部モニターの問題では、接続確認、PCの再起動、ディスプレイの検出、ドライバーの確認を案内しています。

一度すべてのモニターを外し、メインモニター1台だけでスリープ復帰を試す方法も有効です。1台なら正常に復帰する場合は、接続台数、モニターの起動順、DisplayPort MST、KVMスイッチ、変換アダプターなどが関係している可能性があります。

リフレッシュレート・HDR・可変リフレッシュレートを見直す

リフレッシュレートを一時的に下げる
高リフレッシュレート設定でだけ復帰しない場合は、Windows 11の「設定」「システム」「ディスプレイ」「ディスプレイの詳細設定」から一時的に60Hzまたは120Hzへ下げて比較します。低い設定で正常に復帰するなら、DisplayPortケーブル・モニターファームウェア・GPUドライバー・高リフレッシュレート時の接続互換性が関係している可能性があります。原因を切り分けた後、本来使用したい設定へ戻せるか確認してください。
HDRと可変リフレッシュレートを一時的に無効化
HDR、G-SYNC Compatible、FreeSyncなどを使用している場合は、一時的に無効にして再発するか確認します。複数の設定を同時に変更すると原因が分からなくなるため、一つずつ変更してください。NVIDIAは、一部のモニターでAdaptive-Syncが初期状態で無効になっていたり、互換性のためDisplayPort 1.1へ設定されていたりすることがあると説明しています。設定変更後はスリープ復帰だけでなく、ゲーム中のちらつきや解像度にも問題がないか確認してください。

原因5|チップセットドライバーやBIOSが古い

スリープへの移行と復帰には、GPUドライバーだけでなく、マザーボードのファームウェアやチップセットドライバーも関係します。CPUやマザーボードを交換した後、Windowsを再インストールした後、BIOSを初期化した後から発生している場合は、チップセットドライバーとBIOSを確認してください。

自作PCではマザーボードメーカーの製品ページ、BTOゲーミングPCではBTOメーカーのサポートページから、製品型番に合ったファイルを入手します。市販マザーボードを搭載しているように見えるBTOパソコンでも、メーカー専用BIOSが使われている場合があります。BIOSを更新する前に、更新履歴へ「スリープ」「Resume」「Display」「GPU compatibility」などの修正が含まれているか確認してください。

BIOS更新中に電源が切れるとPCが起動できなくなる可能性があるため、製品マニュアルとメーカーの手順に従ってください。問題がBIOS更新直後から始まった場合は、PCI Express、内蔵GPU、CSM、Resizable BAR、スリープ関連設定が初期化されていないかも確認します。

グラフィックボードの出力端子へ接続されているか確認する

CPUに内蔵GPUがあるPCでは、マザーボード側にもHDMIやDisplayPort端子が付いていることがあります。GeForceやRadeonなどのグラフィックボードを使用している場合、モニターのケーブルは原則としてグラフィックボード側へ接続してください。マザーボード側とグラフィックボード側へ複数のモニターを接続している構成では、スリープ復帰時に表示先やGPUの初期化順が変わる可能性があります。

切り分け中は、使用するGPUを一つに絞り、メインモニター1台をグラフィックボードへ直接接続します。ASUSも、画面が映らないPCの診断では、内蔵グラフィックスの出力と専用グラフィックボードの出力を区別して確認するよう案内しています。

原因6|グラフィックボードや電源に問題がある

スリープ復帰時だけでなく、ゲーム中やベンチマーク中にも画面が暗転する場合は、DisplayPortの再認識以外の問題も疑います。GPU温度、補助電源ケーブル、電源ユニット、グラフィックボードの接触、オーバークロック設定などを確認してください。

映像が消えた後もゲーム音が続く場合は、GPUの映像出力またはドライバーだけが停止している可能性があります。PCごと再起動する、イベントビューアーに重大な電源エラーが残る、負荷をかけると再現する場合は、電源ユニットやGPUの安定性も確認する必要があります。

グラフィックボードの補助電源コネクターを確認する場合は、PCをシャットダウンし、電源ユニットのスイッチを切り、電源ケーブルを抜いてから作業してください。BTOゲーミングPCが保証期間内の場合は、グラフィックボードを取り外す前にメーカーの保証条件を確認します。

スリープだけを使わず休止状態へ変更する方法

設定を見直してもスリープ復帰の問題が解決せず、PCを毎回シャットダウンしたくない場合は、休止状態を代替手段として使えます。休止状態は、作業状態をストレージへ保存してからPCの電源状態を下げます。スリープより復帰には時間がかかりますが、問題がスリープ状態からのGPU復帰に限定されている場合、休止状態では正常に戻ることがあります。ただし、DisplayPortやドライバーの問題によっては、休止状態でも画面が戻らない可能性があります。

利用できるスリープ状態と休止状態は、powercfg /aで確認できます。休止状態が表示されない場合は、管理者権限のターミナルで次のコマンドを実行すると有効にできます。

powercfg /hibernate on

Microsoftのpowercfgには、休止状態を有効または無効にする機能が用意されています。

電源ボタン長押しは最後の手段にする

画面が映らず、Windows+Ctrl+Shift+B、Windows+P、Ctrl+Alt+Delete、モニターの再起動、ケーブルの挿し直しでも反応しない場合は、PC全体が停止している可能性があります。その場合は、電源ボタンを長押しして強制終了します。

ただし、ストレージへの書き込み中に強制終了すると、未保存データやWindowsのファイルが破損する可能性があります。黒い画面になるたびに強制終了する状態を放置せず、ドライバー、DisplayPort、電源管理、BIOSを確認してください。Microsoftも、通常の操作で画面を復帰できない場合の最終的な対処として、電源ボタンを長押しして再起動する方法を案内しています。

原因を切り分ける確認順

最初にWindows+Ctrl+Shift+Bを押し、画面が復帰するか確認します。次にWindows+Pで表示モードを切り替え、別のモニターへ映像が出ていないかを調べます。モニターに「信号なし」と表示される場合は、モニターの電源を入れ直し、入力をDisplayPortへ戻し、ケーブルを挿し直してください。

同じ症状が繰り返される場合は、別のDisplayPortケーブル、別のGPU端子、HDMI接続、モニター1台だけの構成で比較します。DisplayPortでだけ再発する場合は、モニターのDeep Sleep、入力自動切り替え、ファームウェア、DPケーブルを確認します。接続方法に関係なく発生する場合は、GPUドライバーを更新し、更新直後から始まった場合は以前のドライバーへ戻します。

続いてPCI Expressのリンク状態の電源管理を一時的にオフにし、スリープ復帰を試してください。PC全体が復帰していない場合は、powercfg /aでスリープ方式を確認し、powercfg /systemsleepdiagnosticsまたはpowercfg /sleepstudyで電源状態を調べます。それでも改善しない場合は、チップセットドライバー、BIOS、グラフィックボード、電源ユニットを確認します。

症状別の原因判定

確認結果主に疑う原因
Win+Ctrl+Shift+Bで映るGPUドライバー・表示出力の一時停止
モニターの電源入れ直しで映るモニターの省電力状態・ファームウェア
DPケーブルの挿し直しで映るDisplayPortの再接続・端子・ケーブル
HDMIは正常でDPだけ映らないDPケーブル・DP端子・モニターのDP設定
別のDPケーブルで直る元のケーブルの接触や品質
60Hzでは直るが高リフレッシュで再発ケーブル・帯域・モニター・ドライバー
モニター1台なら正常マルチモニター・KVM・MST・表示順
ドライバーを戻すと直る新しいGPUドライバーとの互換性
PCIe省電力をオフにすると直るGPUまたはPCIeリンクの電源復帰
スリープは失敗し休止状態は正常スリープ状態からの復帰処理
ゲーム中にも画面が消えるGPU・電源・温度・補助電源
PC全体が反応しないBIOS・チップセット・システム停止

よくある質問

Q.スリープ復帰後にPCは動いているのに画面だけ映りません

A.Windows+Ctrl+Shift+Bでグラフィックスドライバーをリセットしてください。改善しない場合は、Windows+Pで表示先を切り替え、モニターの入力、DisplayPortケーブル、別のGPU端子を確認します。Windowsの音が聞こえる場合は、PC全体よりもモニターまたは映像出力側に原因がある可能性があります。

Q.DisplayPortケーブルを抜き挿しすると毎回直ります

A.スリープ復帰時にDisplayPortの接続を再確立できていない可能性があります。別のケーブル、別のDP端子、モニターのDeep Sleep設定、ファームウェア、GPUドライバーを確認してください。HDMIでは正常に復帰するか比較すると、DisplayPort固有の問題か判断しやすくなります。

Q.Windows+Ctrl+Shift+Bを押しても反応しません

A.PC全体がスリープから正常に復帰していないか、Windowsが操作を受け付けられない状態になっている可能性があります。Ctrl+Alt+DeleteやCaps Lockキーも反応しない場合は、強制終了後にGPUドライバー、チップセット、BIOS、PCI Expressの電源管理を確認してください。

Q.GPUドライバーは最新版にすれば直りますか?

A.最新版で改善する場合もありますが、更新後から発生した問題では、以前のバージョンへ戻した方が直ることがあります。問題が始まった時期とドライバー更新の時期を比較し、更新・ロールバック・再インストールを使い分けてください。

Q.PCI Expressのリンク状態の電源管理をオフにしても大丈夫ですか?

A.切り分けのため一時的にオフへ変更できます。オフにして改善した場合は、PCI Expressの省電力状態からGPUが正常に戻れていなかった可能性があります。ただしアイドル時の消費電力が増える可能性があるため、症状に変化がなければ元の設定へ戻してください。

Q.モニターのDeep Sleepを無効にしても問題ありませんか?

A.待機中の消費電力が増える可能性がありますが、スリープ復帰問題の切り分けには利用できます。設定の名称と影響はモニターによって異なるため、製品マニュアルを確認してください。

Q.スリープを使わない方がよいですか?

A.正常なPCでは、スリープを使用するたびに画面が映らなくなるのが通常の動作とはいえません。原因を解決するまでの代替手段として、休止状態またはシャットダウンを使用できます。スリープだけで問題が起き、休止状態では正常な場合は、GPUやPCI Expressの復帰処理に原因を絞りやすくなります。

Q.グラフィックボードの故障でしょうか?

A.スリープ復帰時だけ発生し、再起動後やゲーム中は正常なら、モニター、DisplayPort、ドライバー、電源管理の可能性があります。ゲーム中にも暗転する、映像にノイズが出る、PCが再起動する、別のモニターでも再発する場合は、GPUや電源ユニットも点検してください。

まとめ・次に読みたい記事

ゲーミングPCがスリープ復帰後に画面を表示しない場合は、PC全体が復帰していないのか、Windowsは動いているのに映像だけ出ていないのかを最初に確認してください。Windowsが動いている可能性がある場合は、Windows+Ctrl+Shift+Bでグラフィックスドライバーをリセットし、Windows+Pで表示先を切り替えます。

モニターに「DisplayPort 信号なし」と表示される場合は、モニターの電源、入力切り替え、DisplayPortケーブル、別のGPU端子、HDMI接続を確認してください。DisplayPortだけで再発する場合は、モニターのDeep Sleepや省電力設定、入力自動切り替え、ファームウェア、ケーブルの品質が関係している可能性があります。

接続方法を変えても発生する場合は、GPUドライバーを更新します。更新直後から発生した場合は、以前のドライバーへ戻す方法も有効です。Windows側では、PCI Expressのリンク状態の電源管理を一時的にオフへ変更し、スリープ復帰が安定するか確認します。PC全体が復帰していない場合は、powercfg /apowercfg /systemsleepdiagnostics、Modern Standby対応機ではpowercfg /sleepstudyを使い、スリープ状態を確認してください。

ゲーム中にも画面が消える、別のモニターやケーブルでも再発する、PCごと再起動する場合は、グラフィックボード、補助電源、電源ユニット、マザーボードなどのハードウェア側も点検しましょう。