「子供にゲーミングPCをねだられたが、何を基準に選べばいいか分からない」——PCに詳しくない親御さんにとっては、かなり判断の難しい買い物だと思います。

そして調べ始めると、出てくるのは性能の話ばかりです。RTX がどうの、フレームレートがどうのと言われても、判断材料になりません。

親が本当に知りたいのは、別のことのはずです。総額でいくらかかるのか。安いモデルで済ませても大丈夫なのか。課金は止められるのか。プレイ時間は管理できるのか。この記事は、そこに絞ってお答えします。

なお「そもそもPS5でよいのでは」と迷っている場合は、PS5とゲーミングPCはどっちを買うべきかを先にご覧ください。ゲームだけが目的なら、PS5のほうが安く済みます。

まず、総額でいくらかかるかを把握してください

いちばん多い誤解が、本体価格=必要な金額だと思ってしまうことです。実際にはPC本体のほかに、いくつか必要なものがあります。

モニター
PC本体には付属しません。ゲーム用なら1万5,000円〜3万円程度が目安です
キーボードとマウス
こちらも別売りです。合わせて5,000円〜1万5,000円程度
ヘッドセット
ボイスチャットを使うなら必要になります。3,000円〜1万円程度
机と椅子
既存のもので足りることも多いですが、長時間座るなら椅子は検討の価値があります
電気代
使い方によりますが、月に数百円から千円台の増加が目安です

つまり、本体のほかに5〜8万円ほどを見ておく必要があります。本体20万円のモデルを選んだ場合、総額は25万円を超えることもあります。

「思っていたより高い」と後から気づくのが、この買い物でいちばんよくある失敗です。詳しい内訳はゲーミングPCの初期費用はいくら?に、電気代はゲーミングPCの電気代は月いくら?にまとめています。

安すぎるモデルは、結局買い直しになります

予算を抑えたいのは自然なことですが、ここは落とし穴があります。

2026年8月時点の実売価格を調べると、いちばん安いゲーミングPCは99,980円です。10万円を切っているので魅力的に見えますが、メモリが8GBしかありません。

2026年の主要なゲームは、推奨環境にメモリ16GBを挙げるものが多数派です。8GBだと、ゲームが起動しないというより、遊んでいる最中にカクついたり、読み込みが長くなったりします。そして後から増設すると1万円前後かかります。

99,980円 — 避けたほうが無難です
メモリ8GB。増設前提だと実質11万円になり、安く済ませた意味が薄れます
139,980円 — 最低ライン
メモリ16GBが確保されます。ただしグラフィック性能は前世代のエントリークラスです
168,980円 — 現実的な下限
グラフィック性能が最新世代(RTX 5060)になります。長く使うならここが分岐点です

「数年使わせるつもりなら、16万円台までは見ておく」というのが、実売価格を追いかけている立場からの正直な助言です。安いものを買って1年で不満が出ると、結局もう一度出費することになります。

価格帯ごとの詳しい違いは15万円前後のおすすめゲーミングPC予算別おすすめゲーミングPCにまとめました。

ただし、ハイエンドは必要ありません

一方で、高いものを買う必要もありません。

子供に人気のあるタイトル——マインクラフト、フォートナイト、Apex Legends、原神、VALORANTなど——は、いずれも比較的軽い部類です。数十万円のハイエンド機は必要ありません。

実際、世界中のゲーマーが使っているグラフィックボードを見ると、いちばん多いのは2021年発売のミドルクラスで、高性能なモデルはどれもシェア2%未満です。この点はSteamハードウェア調査で見る実際のスペックで詳しく扱っています。

16万円台から20万円台。この範囲で選べば、まず外しません。

課金は、親の承認制にできます

親御さんがいちばん心配されるのが、ここだと思います。結論として、止められます。

PCゲームの多くはSteamという販売プラットフォームを通して買います。このSteamにはSteamファミリーという仕組みがあり、2024年に大きく作り直されました。

購入リクエスト制
子供が欲しいゲームをカートに入れると、親に承認の依頼が届きます。親はスマートフォンやメールから内容を確認し、承認して支払います。子供が勝手に買うことはできません
最大6人のグループ
家族で1つのグループを作り、大人と子供という役割を正式に設定します
ライブラリの共有
親が持っているゲームを子供と共有できます。同じゲームを二重に買う必要がありません

そして重要なのが、以前のような暗証番号方式ではなくなった点です。旧来の仕組みでは、子供が番号を推測して制限を解除できてしまう余地がありました。現在はアカウントの役割そのもので制御される構造になっているため、そうした抜け道がありません。

なお、クレジットカードを子供のPCに登録しないという基本も忘れないでください。支払いは親のスマートフォン側で完結しますので、そもそも登録する必要がありません。

時間とコンテンツの管理には、2か所の設定が必要です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。多くの方が片方だけ設定して安心してしまいます。

Windows側の設定

Windows 11にはMicrosoft ファミリーセーフティという機能があります。設定からお子様のアカウントを追加し、family.microsoft.com または専用アプリで管理します。

平日と週末で別々にPCの利用時間を設定でき、年齢に適さないWebサイトやアプリをブロックすることもできます。

ただし、これだけでは足りません

ここが落とし穴です。Windowsのファミリーセーフティによるアプリとゲームの制限は、Microsoft Storeからダウンロードしたものに限定されます

PCゲームの大半はSteamから購入するため、Steamで買ったゲームには、Windowsの設定が効きません。

Steam側でも設定してください

そこでSteamファミリーの保護者向け設定を使います。子供ごとに、次の項目を個別に管理できます。

遊べるゲームの制限
年齢レーティングにもとづいて、特定の区分のゲームをブロックできます
プレイ時間
Steam側でも時間の管理ができます
チャットとコミュニティ機能
見知らぬ相手とのやり取りが心配な場合は、ここを制限します
ストアへのアクセス
そもそもストアを見せないという設定も可能です
利用状況の確認
何をどれだけ遊んだかを、親のスマートフォンから確認できます

WindowsとSteamの両方を設定して、はじめて管理が成立します。片方だけでは穴が残ります。

置き場所は、買う前に決めておいてください

意外に見落とされるのが設置場所です。

音は出ます
ゲーム中はファンが回るため、無音ではありません。壁が薄い住宅や、寝室と隣接する部屋では気になることがあります
机の奥行き
モニターを置くと、奥行き60cm程度は欲しいところです。学習机だと手前が狭くなることがあります
コンセントの数
本体・モニター・周辺機器で複数必要になります
リビングか個室か
管理のしやすさで言えばリビングですが、家族のテレビや会話と干渉します。ここは各家庭の判断です

騒音が気になる場合の対処はゲーミングPCがうるさい・熱いときの原因と対策にまとめています。

約束事は、口約束より設定で担保する

時間や課金のルールを決めるご家庭は多いと思いますが、口約束だけだと、守られなかったときに毎回もめます。

前述のとおり、プレイ時間も課金も設定で制御できます。設定してしまえば、それ以上の交渉が起きません。親が毎回「もう時間だ」と言う必要がなくなるので、結果的に関係が楽になるという側面があります。

購入時にまとめて設定を済ませてしまうのが、いちばん手間がかかりません。買ってから慌てて調べると、その間は無防備な状態が続きます。

よくある失敗

本体価格だけで予算を組む
モニターや周辺機器で5〜8万円ほど追加になります。総額で考えてください
10万円前後の最安モデルを選ぶ
メモリ8GBだと快適に遊べず、増設や買い直しで結局高くつきます
逆に高すぎるモデルを買う
子供に人気のタイトルは比較的軽く、ハイエンドは必要ありません。16万円台から20万円台で十分です
Windowsの設定だけで安心する
Steamで買ったゲームには効きません。Steam側の設定も必ず行ってください
子供のPCにクレジットカードを登録する
Steamファミリーの購入リクエスト制なら、支払いは親のスマートフォン側で完結します
設定を後回しにする
購入時にまとめて済ませてください。あとから調べる間、管理されない状態が続きます

よくある質問

Q.子供用のゲーミングPCはいくらくらいが目安ですか?

A.本体は16万円台から20万円台が現実的です。10万円前後の最安モデルはメモリが8GBのことが多く、快適に遊べないため買い直しになりやすい構成です。一方で子供に人気のタイトルは比較的軽いため、ハイエンドは必要ありません。加えてモニターや周辺機器で5〜8万円ほどかかります。

Q.課金を勝手にされないようにできますか?

A.できます。Steamファミリーという仕組みを使うと、子供がゲームを買おうとしたときに親へ承認依頼が届き、親が承認して支払う形になります。支払いは親のスマートフォン側で完結するため、子供のPCにクレジットカードを登録する必要もありません。

Q.プレイ時間を制限できますか?

A.できます。Windows 11のMicrosoftファミリーセーフティで平日・週末別にPCの利用時間を設定でき、Steam側でも別途プレイ時間の管理ができます。両方の設定をおすすめします。

Q.Windowsの設定だけで十分ではないのですか?

A.不十分です。Windowsのファミリーセーフティによるアプリとゲームの制限は、Microsoft Storeからダウンロードしたものに限定されます。PCゲームの大半はSteamから購入するため、Steam側の保護者設定も別途行う必要があります。

Q.見知らぬ人とのやり取りが心配です

A.Steamファミリーの設定で、チャットやコミュニティ機能を制限できます。オンライン対戦そのものを止めなくても、やり取りの部分だけを制限するという選択が可能です。

Q.ノートパソコンではだめですか?

A.ゲーミングノートでも遊べますが、同じ性能ならデスクトップのほうが安く、冷却にも余裕があります。置き場所の制約がなければデスクトップをおすすめします。持ち運びが必要な場合はノートも選択肢です。

まとめ・次に読みたい記事

子供にゲーミングPCを買うとき、親が押さえるべきなのは性能の細かい話ではありません。

総額で25万円前後になること、10万円前後の最安モデルは買い直しになりやすいこと、そしてハイエンドは必要ないこと。この3つで予算の判断はつきます。

管理については、課金はSteamの購入リクエスト制で止められます。プレイ時間とコンテンツは、WindowsとSteamの両方を設定してください。片方だけでは穴が残ります。

そして設定は、購入時にまとめて済ませるのがいちばん楽です。価格や仕様は変わりますので、購入前に最新情報をご確認ください。