PCケースへファンを増設するとき、マザーボードのSYS_FANやCHA_FAN端子が足りず、分岐ケーブルやファンハブが必要になることがあります。1つのファン端子へ2個や3個のケースファンを接続できる製品もありますが、接続できる個数だけを見て判断してはいけません。
重要なのは、マザーボードのファン端子が供給できる最大電流と、接続するファンが必要とする電流の合計です。一般的なマザーボードには最大1A・12Wのファン端子が多くありますが、すべての製品が同じではありません。MSI PRO H610M-E DDR4では、CPU_FAN1が2A・24W、SYS_FAN1〜2が1A・12Wです。ASRock B760M-H2/M.2では、CPU_FAN1が1A・12W、CPU_FAN2/WPとCHA_FAN端子が2A・24Wに対応します。そのため、「1つの端子には3個まで」という共通ルールはありません。
結論|個数ではなくファンの合計電流で決める
1つのマザーボード端子へ接続できるファンの個数は、次の考え方で判断します。
接続できる理論上の個数 = マザーボード端子の最大電流 ÷ ファン1個の最大電流
例えば、最大1AのSYS_FAN端子へ、最大電流0.20Aのケースファンを接続する場合、計算上は5個で1Aになります。
1A ÷ 0.20A = 5個
ただし、上限ちょうどまで接続するのではなく、余裕を残す方が安全です。この例では、分岐ケーブルで接続するなら3〜4個程度に抑え、5個以上をまとめたい場合はSATA電源式ファンハブを使う方法が適しています。ファンによっては起動時や高回転時の消費電流が大きくなる可能性があります。製品仕様に定格電流、最大電流、入力電流など複数の表記がある場合は、最も大きい値を使って計算してください。
| ファン端子の上限 | ファン1個の最大電流 | 安全側の目安 |
|---|---|---|
| 1A | 0.10A | 7~8個程度 |
| 1A | 0.15A | 4~5個程度 |
| 1A | 0.20A | 3~4個程度 |
| 1A | 0.30A | 2個程度 |
| 2A | 0.20A | 7~8個程度 |
表の個数は計算例であり、すべてのマザーボードやファンに共通する保証値ではありません。必ず使用しているマザーボードとファンの仕様を確認してください。
ファンと端子の電流を確認する方法
同じ1Aのファン端子でも、接続できる個数はファンの消費電流によって大きく変わります。静音性を重視した低消費電力ファンなら1個あたり0.10A前後の製品があり、高回転型、厚型、サーバー向け、RGBコントローラー内蔵の製品などは1個で0.3A以上を必要とする場合があります。ケースファンのサイズや見た目だけでは判断できません。ファン本体のラベル、パッケージ、メーカー公式サイトにある電気仕様を確認してください。
| 仕様欄の表記 | 意味 |
|---|---|
| Rated Current | 定格動作時の電流 |
| Max. Current | 最大電流 |
| Input Current | 入力電流 |
| Current / Voltage | 動作電流と電圧 |
| Power Consumption | 消費電力 |
電流ではなくW数だけが記載されている場合は、12Vファンなら次の式で電流を求められます。
電流A = 消費電力W ÷ 12V
消費電力が2.4Wの12Vケースファンなら、電流は0.2Aです(2.4W ÷ 12V = 0.2A)。
マザーボード側の上限は、説明書で「Fan Connector」「Fan Header」「CPU_FAN」「CHA_FAN」「SYS_FAN」などの項目を探し、「Maximum Current」「1A 12W」「2A 24W」などの記載を確認します。すべてのファン端子が同じ上限とは限りません。ASRock B760M-H2/M.2ではCPU_FAN1が1A・12Wである一方、CPU_FAN2/WPとCHA_FAN1〜2/WPは2A・24Wです。MSI PRO H610M-E DDR4ではCPU_FAN1が2A・24W、SYS_FAN1〜2が1A・12Wとなっています。近年のGIGABYTE製品には各ファン端子が2A・24Wに対応するマザーボードもありますが、ASUS TUF GAMING B550-PLUSのCHA_FAN端子は1A・12Wです。
| 端子名 | 一般的な用途 |
|---|---|
| CPU_FAN | CPUクーラーの主ファン |
| CPU_OPT | CPUクーラーの2基目のファン |
| CHA_FAN・SYS_FAN | ケースファン |
| AIO_PUMP・W_PUMP | 簡易水冷ポンプ |
AIO_PUMPやW_PUMPは通常のケースファン端子より高い電流に対応する場合がありますが、空いているからといって無条件でケースファン用に使えるとは限りません。端子の制御方式や初期回転数が異なる場合があるため、マザーボードのマニュアルを確認してください。
PWM分岐ケーブルとは
PWM分岐ケーブルは、マザーボードの1つの4ピンファン端子を2口や3口へ分けるケーブルです。電源、PWM制御信号、回転数信号を分配しますが、ファンを動かすための電力はマザーボード端子から供給されます。そのため、分岐先が3口や4口ある製品でも、端子の最大電流を超えて接続してはいけません。
Noctuaは、Y字ケーブルや3分岐ケーブルを使って複数ファンを1つの端子へ接続できると案内しています。複数の分岐ケーブルを連結すること(例:2個の3分岐ケーブルで5個のファンをまとめる専用製品)も可能ですが、接続するファンの合計消費電力が端子の上限を超えないよう確認する必要があります。
| 項目 | PWM分岐ケーブル |
|---|---|
| ファンの電源 | マザーボードのファン端子 |
| 回転数の監視 | 原則として1個のファンだけ |
| 接続可能数 | 端子の最大電流で決まる |
| SATA電源 | 不要 |
| 向いている構成 | 同型ファンを2〜3個程度まとめる場合 |
フロントに同じ120mmファンを3個並べる場合や、ラジエーターの同型ファンを2個まとめる場合には、PWM分岐ケーブルが使いやすい方法です。
分岐ケーブルでは回転数を1個しか読み取れない
分岐ケーブルのコネクターを見ると、片方だけピンが1本少ないことがあります。これは不良ではありません。マザーボードの1つのファン端子では、複数ファンの回転数信号を同時に正しく処理できないため、一般的な分岐ケーブルは1個のファンからだけRPM信号を返し、ほかのファンでは回転数信号のピンを省略しています。
例えば3個のファンを分岐接続しても、BIOSやファン制御ソフトに表示されるのは代表となる1個の回転数です。残りのファンにも同じPWM信号が送られるため回転数は制御できますが、それぞれの回転数を個別には監視できません。代表信号を返しているファンが停止するとBIOSでは0RPMになりますが、反対に代表ファンが正常でも、ほかの1個が故障して停止した場合はBIOSの回転数表示だけでは気づけない可能性があります。分岐接続したファンは、定期的に実際の回転も確認してください。
同じPWM信号でも全ファンが同じRPMになるとは限らない
PWM分岐ケーブルやファンハブでは、接続されたファンへ同じPWMデューティ比が送られます。ただし、同じ制御信号を受けても、すべてのファンが同じ回転数になるとは限りません。
Noctuaは、ファンハブで設定できるのは各ファンへ送るPWMデューティ比であり、異なるモデルのファンを同じRPMへ直接そろえることはできないと説明しています。例えば、最大1,200RPMのファンと最大2,000RPMのファンを同じハブへ接続し、50%のデューティ比を送った場合、前者は約600RPM、後者は約1,000RPMというように、実際の回転数は異なります。最低回転数やFan Stopに対応するPWM範囲も製品によって異なるため、片方だけ停止し、もう片方は回り続けることもあります。分岐やハブには、同じ型番のファンをまとめるのが最も扱いやすい方法です。
デイジーチェーン対応ファンも電流上限は同じ
一部のPWMファンには、ファン本体から入力コネクターと出力コネクターが伸びており、次のファンを連結できる製品があります。ARCTICでは、この仕組みをPST(Parallel Serial Transformation)と呼んでいます。ケーブルを追加せず複数ファンを連結できますが、電力をマザーボード端子から受け取っている点は通常の分岐ケーブルと同じです。
ARCTICは、ファン端子が1Aに制限される場合を考慮し、PSTで1つの端子へ接続するファンを5個までに抑えるよう案内しています。5個を超えて制御する場合は、外部SATA電源を使用するCase Fan Hubを推奨しています。デイジーチェーンで物理的に接続できるからといって、何個でも連結できるわけではありません。接続するファンの合計電流と、マザーボード端子の上限を確認してください。
ファンハブとは
ファンハブは、1つのマザーボード端子から複数のケースファンをまとめて制御するための機器です。ただし、「ファンハブ」と呼ばれる製品には、マザーボードから電力を取るだけの簡易型と、電源ユニットからSATA電源を受け取る外部電源型があります。ケースファンを多数接続する場合は、SATA電源式のPWMファンハブを使用します。
SATA電源式ハブでは、ファンを回すための電力を電源ユニットから供給します。マザーボードのファン端子は、主にPWM制御信号の送信と、代表ファンの回転数検出に使われます。ARCTIC Case Fan Hubは10個のPWMファンを接続でき、SATA電源から電力を受け取ります。マザーボードとは1本の4ピンケーブルで接続し、すべてのファンを同じPWM信号で制御しながら、ポート1の回転数を表示します。Noctua NA-FH1も最大8個のファンを接続でき、SATA電源使用時は最大54W、SATA電源を使わない場合は最大24Wまで対応します。
| 項目 | SATA電源式ファンハブ |
|---|---|
| ファンの電源 | 電源ユニットのSATA電源 |
| マザーボードとの接続 | PWM制御とRPM監視 |
| 接続可能数 | ハブのポート数と製品上限 |
| 回転数の監視 | 通常は代表ポートの1個だけ |
| 個別制御 | 原則として不可 |
| 向いている構成 | 4個以上のケースファンをまとめる場合 |
「ファンハブ」でも外部電源を持たない製品がある
販売ページに「ファンハブ」と書かれていても、SATAやペリフェラル電源端子がない製品は、実質的に多分岐ケーブルと同じ場合があります。このタイプでは、接続したファンの電力をマザーボード端子から受け取るため、ポートが10個あっても10個すべてを安全に動かせるとは限りません。購入前に、ハブ本体へSATA電源やペリフェラル電源を接続できるか確認してください。製品仕様には「SATA Powered」「External Power」「SATA Power Input」などと記載されます。多数のファンを接続する目的なら、外部電源入力のあるハブを選びましょう。
外部電源式ハブにも電流上限がある
SATA電源式ファンハブを使えば、無制限にファンを接続できるわけではありません。ハブ全体の最大出力と、各ポートの最大電流が決められています。ARCTIC Case Fan Hubの仕様では入力電流が最大4.5Aで、1ポートあたりの最大出力は1Aです。そのため、1Aを必要とする高出力ファンを10個接続することはできません。一般的な低消費電力ケースファンを複数接続する用途を想定した製品であり、サーバー向け高速ファンや水冷ポンプなどを無条件に接続するものではありません。
- ハブ全体の最大電流
- 接続した全ファンの合計上限です。
- 1ポートの最大電流
- 1つの端子へ接続できる機器の上限です。
- SATA・電源入力の最大出力
- 電源ケーブルとハブが供給できる上限です。
PWM分岐ケーブルとファンハブの違い
最大の違いは、ファンを動かす電力をどこから供給するかです。PWM分岐ケーブルは、すべての電力をマザーボードのファン端子から取ります。SATA電源式ファンハブは、電源ユニットから直接電力を受け取ります。
| 比較項目 | PWM分岐ケーブル | SATA電源式ファンハブ |
|---|---|---|
| 電源の供給元 | マザーボード端子 | 電源ユニット |
| 端子の電流上限 | 超えてはいけない | マザーボード側の負担を抑えられる |
| 接続数 | 主に2〜3個 | 4〜10個程度 |
| 配線スペース | 小さい | ハブ本体の設置場所が必要 |
| 個別RPM表示 | 不可 | 原則不可 |
| 主な用途 | 同型ファンを少数接続 | 多数のケースファンを一括管理 |
ケース前面のファン3個だけをまとめるなら、合計電流が端子の上限内であればPWM分岐ケーブルで十分です。前面3個、上面3個、背面1個など、多数のケースファンを1つの系統として動かしたい場合は、SATA電源式ファンハブが適しています。
3ピンファンと4ピンPWMファンの注意点
ケースファンには、主に3ピンDCファンと4ピンPWMファンがあります。3ピンDCファンは供給電圧を変えて回転数を制御し、4ピンPWMファンは常に12Vを供給しながらPWM信号で制御します。
4ピンのマザーボード端子へ3ピンファンを接続すること自体は可能ですが、回転数を制御するには、マザーボード側がDC・Voltageモードに対応している必要があります。Noctuaも、3ピンファンを4ピン端子へ接続できるものの、回転数制御にはBIOSでPWMからVoltage、DC、Analogなどへ切り替える必要がある場合があると説明しています。PWM分岐ケーブルで3ピンファンをまとめる場合は、接続元端子をDCモードに設定します。
一方、SATA電源式のPWMファンハブでは、3ピンファンの回転数を制御できない製品があります。ARCTIC Case Fan HubはSATA電源から一定の12Vを供給し、PWM信号で回転数を制御する設計のため、3ピンファンの電圧制御には対応していません。接続した3ピンファンは全速に近い状態で回る可能性があります。3ピンファンを使う場合は、DC制御対応と明記されたハブやファンコントローラーを選んでください。
PWM対応ファンハブへ3ピンファンと4ピンファンを混在させると、4ピンファンだけがPWM制御され、3ピンファンは一定の高回転で動く可能性があります。マザーボード側をDCモードに変えても、SATA電源式ハブがファンへ常時12Vを供給する設計なら、3ピンファンの回転数は変わりません。同じハブには、同じ型番の4ピンPWMファンをそろえるのが理想です。既存の3ピンケースファンを再利用したい場合は、マザーボードのDC制御対応端子へ直接接続するか、DC制御に対応した専用コントローラーを使用してください。
RGB・ARGBケーブルはファン電源とは別に考える
RGBケースファンには、モーターを回すためのケーブルと、LEDを光らせるためのケーブルが分かれている製品があります。一般的なARGBファンでは、ファン制御に4ピンPWM、LED制御に3ピン5V ARGBを使用します。マザーボードのファン端子の電流上限を計算するときは、ファンモーター側の電流だけを合計してください。LED側は5V ARGB端子またはRGBコントローラーの上限を別に計算します。
| ケーブル | 主な役割 |
|---|---|
| 4ピンPWM | ファンモーターの電源と回転数制御 |
| 3ピンDC | ファンモーターの電源と回転数検出 |
| 3ピン5V ARGB | アドレサブルLED |
| 4ピン12V RGB | 非アドレサブルRGB |
3ピン5V ARGBと4ピン12V RGBは電圧とピン配置が異なります。形状が合わない端子へ無理に接続してはいけません。ファン用ハブとARGB用ハブが一体になった製品では、ファン電源とLED電源の両方について製品仕様を確認してください。
CPUファンと水冷ポンプは専用端子へ
CPUクーラーのファンをケースファンと同じハブへ接続することは、基本的には推奨しません。CPUクーラーの主ファンはCPU_FAN端子へ接続し、CPU温度に連動して制御するのが基本です。CPUファンをケースファン用ハブへ接続すると、CPU_FAN端子が空になり、起動時にCPU Fan Errorが表示される場合があります。また、ケースファンと同じ制御信号になるため、CPU温度が急上昇しても適切な回転数へ上がらない可能性があります。デュアルファンCPUクーラーでは、付属するPWM分岐ケーブルを使って2基ともCPU_FANへ接続するか、メーカー指定に従ってCPU_FANとCPU_OPTへ接続します。
簡易水冷や本格水冷のポンプも、通常のケースファンより消費電流が大きい場合があります。ポンプを一般的なケースファン用ハブへ接続すると、ポートの電流上限を超えたり、ケースファンと同じPWM制御によって回転数が下がったりする可能性があります。水冷ポンプは、製品マニュアルに従ってAIO_PUMP、W_PUMP、PUMP_FAN、SATA電源、専用コントローラーなどへ接続してください。マザーボードによっては、水冷ポンプ対応端子だけが2A・24Wなどの高出力に対応しています(ASRock B760M-H2/M.2でもCPU_FAN2/WPやCHA_FAN/WPは2A・24Wです)。CPUクーラーや簡易水冷のファン・ポンプに関する詳しい原因切り分けは、「CPU Fan Error」の原因や簡易水冷が壊れかけるとどうなる?の記事もあわせて確認してください。
どちらを選ぶべきか
| 使用する構成 | おすすめの接続方法 |
|---|---|
| 同型ファン2〜3個 | PWM分岐ケーブル(合計電流を確認) |
| 同型ファン4〜5個以上 | SATA電源式ハブを推奨 |
| 6個以上のケースファン | SATA電源式ハブ |
| 吸気と排気を別制御 | 別のファン端子または別ハブ |
| 3ピンDCファン | DC制御対応端子・コントローラー |
| CPUクーラーのファン | CPU_FANまたはCPU_OPT |
| 簡易水冷ポンプ | AIO_PUMPなどメーカー指定端子 |
| ファンを1個ずつ個別制御 | 独立チャンネル型コントローラー |
同じ型番のケースファンを2〜3個まとめる場合は、PWM分岐ケーブルが使いやすい選択です。フロント吸気ファン3個を同じ回転数で動かす構成や、上面排気ファン2個をまとめる構成では、個別制御が必要ないことが多いためです。ファンの合計最大電流がマザーボード端子の上限を十分に下回っていれば、外部電源式ハブを追加する必要はありません。
ケースファンが4個以上あり、マザーボードの端子数が足りない場合は、SATA電源式ファンハブが適しています。ただし、すべてのファンが同じPWM信号で動くため、吸気と排気を別の回転数にしたい場合は、ハブを分けるか、マザーボードの別端子へ接続してください。前面吸気ファンは800RPM、背面排気ファンは1,200RPMというように別々の制御をしたい場合は、CHA_FAN1へ前面ファン、CHA_FAN2へ上面ファン、CHA_FAN3へ背面ファンというように役割ごとに系統を分けると調整しやすくなります。より細かな個別制御が必要なら、複数チャンネルを独立制御できるUSB接続型ファンコントローラーを検討してください。単純なSATA電源式PWMハブは、ポート数が多くても制御チャンネルは1つです。
接続前に確認する手順
最初にマザーボードのマニュアルを確認し、使用するSYS_FANまたはCHA_FAN端子の最大電流を調べます。次に、接続するファンのラベルまたは公式仕様から、1個あたりの最大電流を確認してください。すべてのファンの電流を合計し、端子上限より十分に低ければPWM分岐ケーブルを使用できます。上限に近い場合、仕様が分からない場合、4個以上接続する場合はSATA電源式ファンハブを使用します。ファンハブでは、SATA電源が正しく接続されていることと、回転数を検出するポート1またはMasterポートへファンが接続されていることを確認してください。最後にBIOSで、4ピンファンはPWM、3ピンファンはDCモードへ設定し、低温時から高負荷時までファンが正常に回転するかを確認します。
トラブルシューティング
- 分岐ケーブル接続後にファンが回らない
- まず合計電流が端子の上限を超えていないか確認します。次に、4ピンファンならBIOSがPWMモード、3ピンファンならDCモードになっているか確認してください。低回転設定では、ファンの始動に必要なPWMデューティ比や電圧を下回り、停止したままになる場合があります。同じ分岐ケーブルへ異なるファンを接続している場合は、最低始動回転数の違いによって一部だけ回らない可能性もあります。回転数信号を返す端子へファンを接続していない場合は、ファンが回っていてもBIOS上では0RPMになることがあるため、色付き端子や番号1、RPM、Masterなどと表示されたコネクターへ監視するファンを接続してください。
- ファンが常に最大回転になる
- 4ピンPWMファンが常に最大回転になる場合は、PWM制御信号がハブや分岐先へ届いていない可能性があります。マザーボードとの接続ケーブルが外れていないか、BIOSがPWMモードになっているかを確認してください。SATA電源式ハブへ3ピンファンを接続している場合は、仕様上、回転数を制御できず最大回転に近い状態になる可能性があります。ファンハブがPWM制御に対応せず、単に電源を分配する製品である可能性もあるため、製品仕様に「PWM Sync」「PWM Control」などの記載があるか確認してください。
- ファン増設後にPCが起動しない
- ファンを大量に分岐接続した直後からPCが起動しない、ファン端子が反応しない場合は、端子の電流上限を超えた可能性があります。PCをシャットダウンし、電源ユニットのスイッチを切り、電源ケーブルを抜いてください。追加した分岐ケーブルとファンを外し、元の構成へ戻して起動を確認します。焦げた臭い、変色、端子の溶けなどが見られる場合は、電源を入れずマザーボードメーカーや修理店へ相談してください。正常に起動できた場合も、同じ構成を再接続せず、ファンの最大電流と端子上限を確認し、多数のファンが必要ならSATA電源式ファンハブへ変更してください。
よくある質問
Q.1Aの端子に0.2Aのファンを5個つなげても大丈夫ですか?
A.計算上は合計1Aですが、端子の上限ちょうどになるため推奨できません。3〜4個に抑えるか、SATA電源式ファンハブを使用してください。
Q.1つの端子に3個なら必ず安全ですか?
A.安全とは限りません。0.4Aのファンを3個接続すると合計1.2Aになり、1A端子の上限を超えます。個数ではなく、ファンの最大電流を合計して判断してください。
Q.4分岐ケーブルが売られているので4個接続できますか?
A.分岐口が4個あることと、マザーボード端子が4個分の電力を供給できることは別です。ファン4個の合計電流が端子上限内であることを確認してください。
Q.PWM分岐では全ファンが同じ回転数になりますか?
A.同じPWM信号で制御されますが、実際の回転数が同じになるとは限りません。異なる型番のファンでは、最大回転数、最低回転数、始動条件が異なります。
Q.ファンハブなら10個すべて個別制御できますか?
A.一般的なPWMファンハブでは個別制御できません。1つのPWM信号を全ポートへ送るため、すべて同じ制御カーブで動作します。個別に制御するには、複数の独立チャンネルを持つコントローラーが必要です。
Q.ファンハブでは全ファンのRPMを確認できますか?
A.通常は確認できません。多くのハブではポート1やMasterポートのファンからだけRPM信号を返します。ARCTIC Case Fan Hubもポート1の回転数を表示する設計です。
Q.SATA電源式ハブならマザーボード端子の電流は気にしなくてよいですか?
A.ファンを動かす電力はSATA側から供給されるため、マザーボード端子への負担は大幅に減ります。ただし、ハブ全体と各ポートには別の電流上限があります。ハブの仕様を確認してください。
Q.3ピンファンをPWMファンハブへ接続できますか?
A.物理的に接続できる場合はありますが、回転数を制御できない可能性があります。SATA電源式PWMハブでは一定の12Vが供給されるため、3ピンファンが最大回転に近い状態で動作することがあります。
Q.ARGBファンの電流はどこを見ればよいですか?
A.ファンモーターとLEDの仕様を分けて確認してください。4ピンPWM側の電流はファン端子、3ピン5V ARGB側の電流はARGB端子やLEDコントローラーの上限と比較します。
Q.CPU_FAN端子へケースファンを接続してもよいですか?
A.技術的には動作する場合がありますが、CPUクーラーの主ファンをCPU_FANから外してはいけません。CPUクーラー用として空いているCPU_OPTや、ケースファン対応と明記された端子を使用してください。
まとめ・次に読みたい記事
ケースファンを1つの端子へ何個まで接続できるかは、ファンの個数ではなく、マザーボード端子の最大電流とファンの合計電流で決まります。1A・12Wの端子へ0.2Aのファンを接続する場合、計算上は5個ですが、上限ちょうどになるため3〜4個程度に抑える方が安全です。
同じ型番のファンを2〜3個まとめるなら、PWM分岐ケーブルを使用できます。PWM分岐ケーブルでは、ファンの電力をマザーボード端子から供給するため、合計電流が端子上限を超えないよう注意してください。ケースファンが4個以上ある場合や、合計電流が端子上限へ近づく場合は、SATA電源式ファンハブを推奨します。SATA電源式ハブは電源ユニットからファンの電力を供給しますが、すべてのファンへ同じPWM信号を送るため、個別制御はできません。回転数も通常は代表ポートの1個だけが表示されます。
3ピンDCファンは、SATA電源式PWMハブでは回転数を制御できないことがあります。同じハブには、同じ型番の4ピンPWMファンをそろえると設定しやすくなります。RGB・ARGBファンでは、ファンモーターとLEDの電源上限を別々に確認してください。CPUクーラーのファンや簡易水冷ポンプはケースファン用ハブへまとめず、CPU_FAN、AIO_PUMP、専用コントローラーなど、メーカーが指定する端子へ接続しましょう。


