「最近カクつく気がする」「そろそろ買い替えかな」——こう感じたとき、多くの方は感覚のまま検討を始めます。

ただ、その前に測ってみることをおすすめします。「重い」と感じている原因が、設定のせいであることは珍しくありません。実際に数字を出してみると、買い替えが必要なのか、それとも設定を直せば済むのかがはっきりします。

この記事では、fpsの測り方と数字の読み方、そして「どこまで下がったら買い替えか」という判断基準を整理します。

まず、測る前に確認してほしいこと

いきなり計測に入る前に、確認しておきたい項目があります。ここで解決してしまうケースがあるためです。

モニターのリフレッシュレート
Windowsの初期状態では、144Hzのモニターでも60Hzのままになっていることがあります。設定 → システム → ディスプレイ → ディスプレイの詳細設定で確認してください
VBS(メモリ整合性)
Windows 11では既定で有効になっており、平均5%程度、タイトルによっては15%以上のfps低下が報告されています。買い替えを考える前に確認する価値があります
電源プラン
省電力寄りの設定になっていると性能が出ません。バランス以上になっているか確認してください
グラフィックドライバ
古いままだと新しいタイトルで最適化が効きません。NVIDIA Appから更新できます
画質設定と解像度
いつの間にか高い設定になっていることがあります。とくにアップスケーリングの有無で数字は大きく変わります

VBSについてはWindows 11へのアップグレード手順で、リフレッシュレートやドライバの設定はゲーミングPCを買ったらやることで詳しく扱っています。

fpsの測り方

確認が済んだら、実際に測ります。手段は3つあり、どれも追加の出費は必要ありません。

Steam(もっとも手軽)
設定 → ゲーム中 → 「ゲーム中のFPS表示」をオンにするだけです。Steamで起動したゲームなら、これで足ります
NVIDIA App(GeForce環境なら)
Alt+Zでオーバーレイを開き、Alt+Rで統計表示をオンにします。fpsだけでなく遅延も確認できます
Windowsゲームバー(何も入れたくない場合)
Win+Gで開きます。Steam以外のランチャーで起動したゲームでも使えます

もう少し踏み込んで分析したい場合は、CapFrameXやNVIDIA FrameViewといったツールがあります。一定時間のフレームタイムを記録し、あとから細かく確認できます。ただし最初の1回であれば、上の3つで十分です。

測るときのコツ

数字を意味のあるものにするために、条件をそろえてください。

同じ場面で測る
街の中と屋外では負荷がまったく違います。毎回同じ場所、同じ状況で測ってください
数分は動かす
起動直後は数字が安定しません。しばらくプレイしてから記録してください
設定をメモしておく
解像度・画質プリセット・アップスケーリングの有無を控えておかないと、あとで比較できなくなります

平均fpsより、1% Lowを見てください

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

fpsを表示すると、平均値に目が行きます。ただし体感を決めているのは平均ではありません

1% Lowという指標があります。計測したフレームレートのうち、下位1%にあたる値です。つまり「いちばん重かったときの数字」を表しています。

平均120fps・1% Low 100fps
常に安定しています。ほぼカクつきを感じません
平均120fps・1% Low 45fps
平均は同じでも、時々大きく落ち込んでいます。プレイ中は明確にカクついて感じられます

この2つは平均値が同じですが、体験はまったく違います。「fpsは出ているはずなのにカクつく」という感覚の正体は、たいていここにあります。

そして買い替えの判断でも、この数字が効きます。平均が目標に届いていても、1% Lowが大きく落ち込んでいるなら、それは実質的に性能が足りていないということです。原因はGPUのこともあれば、CPUやメモリ容量のこともあります。

なお当サイトのゲーム別記事でも、実測値を挙げる際は1% Lowを重視しています。指標の詳しい話は高fpsを狙う構成の作り方でも扱いました。

ベンチマークで「性能の位置」を知る

fpsは遊んでいるタイトルの快適さを教えてくれますが、自分のPCが世の中のどのあたりにいるのかは分かりません。それを知るのがベンチマークソフトです。

3DMark Steel Nomad(GPU・現行の標準)
長く使われてきたTime Spyの後継で、ネイティブ4Kで動作します。Time Spyの約3倍という重い負荷をかけるため、最近のGPUでも差が出ます。無料のBasic Editionに含まれています
3DMark Steel Nomad Light
内蔵グラフィックスや軽量な機器向けの軽い版です。エントリークラスならこちらが適します
3DMark Time Spy
旧世代のテストですが、比較データが豊富に残っています。古いPCとの比較にはまだ有用です
ファイナルファンタジーXIV公式ベンチマーク
無料で配布されており、日本語の比較データが多いのが利点です。評価が言葉で表示されるため、初めてでも分かりやすくなっています
Cinebench(CPU)
CPUの処理能力を測ります。ゲーム性能そのものではありませんが、CPUが足を引っ張っているかの手がかりになります

バージョンを揃えないと比較できません

ベンチマークでいちばん多い間違いがこれです。スコアは、同じバージョンのテスト同士でしか比較できません。

たとえばCinebenchは2026年版が最新ですが、スコアの基準が再調整されているため、2024以前の結果とは比較できません。それでもR23が広く使われ続けているのは、比較データの蓄積が大きいからです。

ネットで見つけたスコアと自分の結果を並べるときは、まずバージョンが同じかを確認してください。ここを間違えると、実際より速い、あるいは遅いという誤った結論になります。

どこまで下がったら買い替えか

測った数字を、どう判断に使うかです。目安を挙げます。

モニターのHzに対して何割出ているか
144Hzのモニターで平均60fps台なら、モニターの性能を活かせていません。せっかくの環境が無駄になっている状態です
1% Lowが平均の半分を下回っているか
この状態だと、数字上は動いていても体感は快適ではありません。原因の切り分けが必要です
設定を下げても改善しないか
画質を落として明確に改善するならGPU不足、あまり変わらないならCPUやメモリが原因の可能性があります
遊びたい新作の推奨環境に届いているか
当サイトのゲーム別記事では、タイトルごとに必要な構成を実測とあわせて整理しています

そして判断の材料として、世の中の分布も知っておくと役に立ちます。Steamハードウェア調査で見る実際のスペックで扱ったとおり、いちばん多く使われているのは2021年発売のミドルクラスで、解像度もフルHDが過半数です。思っているより、周りのPCは高性能ではありません。

買い替えずに済むこともあります

測った結果、買い替えが不要と分かるケースもあります。

設定が原因だった
リフレッシュレート、VBS、電源プラン、ドライバ。冒頭で挙げた項目のどれかで解決することは珍しくありません
メモリ不足だった
8GBのままなら、増設で大きく改善します。1万円前後の出費で済みます
ストレージが逼迫していた
SSDの空き容量が少ないと動作が不安定になります。整理か増設で改善します
熱やホコリが原因だった
内部にホコリが溜まると冷却が効かず、性能が落ちます。掃除で戻ることがあります

パーツ単位の対処で済むなら、そのほうが安上がりです。判断はアップグレードで延命すべきか、買い替えるべきかに、掃除はゲーミングPCの掃除・メンテナンスにまとめました。

よくある質問

Q.fpsはどうやって表示しますか?

A.3つの方法があります。Steamなら設定 → ゲーム中 → 「ゲーム中のFPS表示」をオンにするだけです。GeForce環境ならNVIDIA AppでAlt+Zからオーバーレイを開き、Alt+Rで統計表示をオンにします。何も入れたくない場合はWin+Gでゲームバーを開いても確認できます。

Q.1% Lowとは何ですか?

A.計測したフレームレートのうち、下位1%にあたる値です。つまり最も重かったときの数字を表します。平均が同じでも1% Lowが低ければカクついて感じられるため、体感を判断するうえでは平均値より重要な指標です。

Q.どのベンチマークソフトを使えばいいですか?

A.GPUなら3DMarkのSteel Nomadが現行の標準です。Time Spyの後継でネイティブ4Kで動作し、無料のBasic Editionに含まれています。日本語の比較データを探しやすいのはファイナルファンタジーXIVの公式ベンチマークです。CPUを測るならCinebenchが使われます。

Q.ベンチマークのスコアを他人と比べるときの注意点は?

A.バージョンを必ず揃えてください。たとえばCinebenchは2026年版でスコアの基準が再調整されており、2024以前の結果とは比較できません。同じテスト・同じバージョン同士でなければ意味のある比較になりません。

Q.測った結果、買い替えるべきかどう判断しますか?

A.モニターのリフレッシュレートに対して何割のfpsが出ているか、1% Lowが平均の半分を下回っていないか、画質を下げて改善するかどうか、の3点で判断してください。設定を下げても変わらない場合は、GPU以外に原因がある可能性があります。

Q.急に重くなった場合も買い替えですか?

A.その前に確認してください。Windowsの更新でVBSが有効になった、電源プランが変わった、ドライバが古い、ストレージが逼迫している、内部にホコリが溜まっている——こうした原因で性能が落ちることがあります。急な変化ほど設定や環境が原因のことが多いです。

まとめ・次に読みたい記事

買い替えを検討するときは、感覚ではなく数字で判断してください。手順としては、設定を確認する → fpsを測る → 1% Lowを見る → ベンチマークで位置を知るという順番になります。

とくに1% Lowは、平均値では見えない「カクつき」を教えてくれる指標です。平均が出ていても、ここが落ち込んでいれば快適ではありません。

そして測った結果、設定やメモリ増設で解決することもよくあります。買い替えは、それらを潰してからでも遅くありません。