
メモリ(RAM)は、ゲーム中に使うデータを一時的に置いておく「作業机」のようなパーツです。容量が足りないと、性能に余裕があってもカクついたり、ゲームと他のアプリの切り替えがもたついたりします。
選び方のポイントは多くありません。容量・規格・速度の3つを押さえれば十分です。
メモリの役割
CPUやGPUが「処理する」担当なら、メモリは「処理に使うデータを手元に広げておく」担当です。机が広いほど多くの作業を同時に広げられるように、メモリ容量が大きいほど、ゲームや他のアプリを余裕をもって動かせます。
机が狭い(容量不足)と、いちいち引き出し(ストレージ)に物をしまったり出したりすることになり、これが動作のもたつきにつながります。
容量の選び方
いちばん大事なのが容量です。目安は次のとおりです。
- 8GB
- 今となっては最低限です。ゲーム中にブラウザやチャットを開くと不足しがちで、これから買うPCには正直おすすめできません。
- 16GB
- 現在の標準ライン。多くのゲームを快適に動かせます。まず迷ったらここを基準にすればOKです。
- 32GB
- 配信・動画編集・たくさんのアプリの同時起動に余裕が出ます。重量級タイトルや「長く使いたい」人にもおすすめです。
ポイントは、容量は「多いほど速くなる」のではなく、「足りているか」が大事だということ。足りない状態を解消するまでは効果が大きく、足りた後は増やしてもフレームレートは基本的に変わりません。
規格(DDR5とDDR4)
メモリには世代(規格)があり、現在の主流は DDR5 です。
| 項目 | DDR5 | DDR4 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 現在の主流 | ひと世代前・低価格帯に残る |
| 速度 | 高速 | 標準的 |
| 対応プラットフォーム | 最新世代のCPU・マザーボード | 旧世代 |
| こんな人に | これから新規に組む人 | 予算優先・旧構成を流用する人 |
注意したいのは、DDR5とDDR4には互換性がないこと。マザーボード(とCPU)が対応する規格は決まっているので、メモリだけ単体で選ぶときは対応規格を必ず確認してください。BTO(組み立て済みパソコン)なら、最初から噛み合った構成で売られているので心配いりません。
速度(クロック)とEXPO/XMP
メモリには「DDR5-6000」のように速度の表記があります。ゲーミングでの体感差はCPUほど大きくありませんが、特にAMD Ryzenでは速度の影響が出やすい傾向があります。
- 速度の目安
- Ryzen環境ではDDR5-6000前後が定番の組み合わせとしてよく選ばれます。迷ったらこのあたりが無難です。
- EXPO / XMP
- メモリを表記どおりの速度で動かすための設定(プロファイル)です。AMDはEXPO、IntelはXMP対応品を選び、BIOSで有効化します。BTOでは設定済みのことが多いです。
デュアルチャネル(2枚挿し)
同じ16GBでも、8GB×2枚で挿したほうが、16GB×1枚より性能を発揮しやすくなります。これを「デュアルチャネル」と呼びます。
これから選ぶなら、16GBなら8GB×2、32GBなら16GB×2のように、2枚組(2枚セット)で構成するのが基本です。将来の増設を考えるなら、空きスロットの数も確認しておくと安心です。
用途別のメモリ目安
| 使い方 | 推奨容量 | 速度の目安 |
|---|---|---|
| フルHDで軽めのゲーム中心 | 16GB | DDR5-5600〜 |
| WQHD・最新ゲーム中心 | 16〜32GB | DDR5-6000(特にRyzen) |
| 配信・動画編集も兼ねる | 32GB | DDR5-6000〜 |
| クリエイティブ本格・多数同時起動 | 32〜64GB | DDR5-6000〜 |
よくある失敗
- 8GBで妥協してしまう
- 今のPCでは最低限。ゲーム+ブラウザ程度でも不足しがちで、買い替えサイクルを早めてしまいます。
- 1枚挿しにしてしまう
- デュアルチャネルにならず性能を損ねます。同じ容量なら、8GB×2・16GB×2のように2枚組で構成しましょう。
- 規格を間違える
- DDR5とDDR4には互換性がありません。マザーボードとCPUの対応規格を必ず確認しましょう。
- 速度プロファイルの有効化忘れ
- EXPO/XMPをBIOSで有効にしないと、表記どおりの速度で動きません(BTOは設定済みのことが多い)。
よくある質問
Q.16GBと32GB、どちらを選ぶべき?
A.ゲーム中心なら16GBで多くの場合は十分です。配信・動画編集を兼ねる、たくさんのアプリを同時に使う、長く使いたい、という人は32GBがおすすめです。
Q.メモリを増やすとゲームは速くなりますか?
A.容量が不足している場合は、増やすことでカクつきが解消され快適になります。ただし足りている状態からさらに増やしても、フレームレート自体は基本的に上がりません。
Q.速度(DDR5-6000など)は気にすべき?
A.特にRyzenでは効きやすいので、EXPO/XMP対応品を選び、プロファイルを有効化しておくと安心です。BTOなら設定済みのことが多く、あまり気にしなくても大丈夫です。
まとめ・次に読みたい記事
メモリは、容量は16GBを基準に(兼用するなら32GB)、規格はDDR5、できれば2枚挿し——この3点を押さえれば失敗しません。容量は「足りているか」で考えるのがコツです。


