
電源ユニット(PSU)は、PCの全パーツに電気を供給する縁の下の力持ちです。性能を直接上げるパーツではありませんが、ここをケチると動作が不安定になったり、パーツの寿命を縮めたりすることがあります。地味でも妥協してはいけない部分です。
電源をケチってはいけない理由
電源は、供給する電気の「質」と「安定性」を担います。質の悪い電源や容量ギリギリの構成は、高負荷時に動作が不安定になったり、最悪の場合ほかのパーツを巻き込んで故障の原因になることもあります。
また、電源は数年使い続ける長寿命パーツです。最初から余裕と信頼性のあるものを選んでおくと、後々まで安心して使えます。
容量(W)の選び方
容量は、PC全体の消費電力に余裕を足して選びます。いちばん電力を使うGPUに合わせるのが基本です。
| PCのクラス | 電源容量の目安 |
|---|---|
| エントリー(内蔵/ローエンドGPU) | 550W前後 |
| ミドル(RTX 5060〜5070クラス) | 650〜750W |
| ハイエンド(RTX 5080/5090クラス) | 850W〜1000W以上 |
GPUメーカーは「推奨電源容量」を公表しているので、目当てのGPUが決まっているなら、それを確認するのが確実です。将来もっと上のGPUに載せ替える可能性があるなら、少し余裕をもたせておくとよいでしょう。
80 PLUS認証(変換効率)
「80 PLUS」は電源の変換効率(ムダの少なさ)を示す認証です。グレードが高いほど効率が良く、発熱や電気代の面でも有利になります。
- Bronze
- 最低限おさえておきたいライン。コスト重視ならここから。
- Gold
- 効率と価格のバランスが良い定番。迷ったらGoldを選べば間違いありません。
- Platinum / Titanium
- さらに高効率で高価。長時間の高負荷運用や、静音・発熱を突き詰めたい人向け。
規格(ATX 3.x・新コネクタ)
最新のハイエンドGPUは、新しい電源コネクタ(12VHPWR / 12V-2x6)で電力を受け取る場合があります。ATX 3.0/3.1対応の電源なら、このコネクタを変換アダプタなしで直接使えるため、最新GPUを検討しているなら対応モデルを選んでおくと安心です。
モジュラー方式・サイズ
- フルプラグイン(フルモジュラー)
- 使うケーブルだけ付けられ、ケース内がすっきり。エアフローや見た目を重視するならおすすめです。
- セミ/直出し
- 主要ケーブルが固定式。価格は抑えめですが、配線はやや多くなります。
- サイズ(ATX / SFX)
- 一般的なケースはATX電源。小型PCを組むならSFX規格など、ケースの対応を確認しましょう。
メーカー・保証
電源は信頼性が大切なパーツです。実績のあるメーカーの製品を選び、保証年数が長いもの(5年・7年・10年など)を選ぶと、長期的に安心できます。極端に安価で無名の製品は避けたほうが無難です。
よくある失敗
- 容量ギリギリで選ぶ
- 高負荷時に動作が不安定になることがあります。GPUの推奨容量に余裕を足し、将来のGPU換装も見据えておくと安心です。
- 新コネクタに非対応
- 最新GPUの電源コネクタ(12VHPWR / 12V-2x6)に未対応だと変換が必要になります。ATX 3.x対応を選ぶと変換不要で安心です。
- 極端に安い無名電源
- 品質や保護回路に不安が残り、最悪ほかのパーツを巻き込む故障の原因にも。実績のあるメーカー・長期保証のものを選びましょう。
- ケース・サイズの不一致
- 小型ケースはSFX規格など、対応する電源サイズを確認しておきましょう。
よくある質問
Q.容量は大きいほどいいの?
A.余裕は大切ですが、過剰に大きすぎても価格が上がるだけです。GPUの推奨容量に少し余裕を足したあたりが、コストと安心のバランスが良い選び方です。
Q.80 PLUSのグレードは体感に影響しますか?
A.ゲームの性能自体は変わりません。効率(発熱・電気代)と、一般に上位グレードほど品質も良い傾向、という意味で効いてきます。迷ったらGoldが無難です。
Q.BTOなら電源は気にしなくていい?
A.BTOは構成に見合った電源が選ばれていることが多いですが、ハイエンド構成では容量や認証を確認しておくと安心です。将来GPUを載せ替えるなら特にチェックしましょう。
まとめ・次に読みたい記事
電源は、容量はGPUに合わせて余裕をもって、認証はGold、最新GPUならATX 3.x対応——これを押さえれば安心です。性能には直結しませんが、PC全体の安定と寿命を支える重要なパーツです。


