ASUSが、ROGブランド設立20周年を記念した携帯ゲーミングPC「ROG Xbox Ally X20」の予約を2026年9月17日に開始しました。価格は税込25万8,800円で、発売日は2026年10月16日です。

結論から言うと、この機種は既存のROG Xbox Ally X(16万9,800円)の性能をそのまま引き上げたモデルではありません。CPU・メモリ・ストレージのスペックはAlly Xと同じで、差額8万9,000円はディスプレイの有機EL化と20周年記念の限定デザインに使われています。「性能が上がるから買う」という動機では成立しない機種だという点を、まず押さえておく必要があります。

当サイトはBTOデスクトップも含めて購入判断を扱っているので、この記事ではAlly Xとの違いを項目ごとに整理したうえで、25万8,800円という金額そのものにも触れます。実はこの価格、デスクトップゲーミングPCのある人気帯とほぼ同額なのです。携帯ゲーミングPCの選び方で扱った主要機種比較の続編として読んでいただけます。

価格・発売日・スペック

ROG Xbox Ally X20 — 258,800円
2026年10月16日(金)発売。予約は2026年9月17日からASUS Store・Amazon.co.jp・エディオン・ケーズデンキ・コジマ・Joshin・ソフマップ・パソコン工房・ビックカメラ・ヤマダデンキ・ヨドバシカメラで順次受付中ですROG公式製品ページ
ROG Xbox Ally X20 Bundle — 442,800円
本体に加え、ゲーミングARグラス「ROG XREAL R1 Edition 20」、ペリカン製プロテクターケース、dbrand製Killswitchアクセサリが付属します
CPU — AMD Ryzen AI Z2 Extreme
Zen 5/Zen 5c構成の8コア16スレッド、2.0GHz(最大5.0GHz)、キャッシュ24MB。Ally Xと同一チップです
メモリ・ストレージ — 24GB LPDDR5X-8000/1TB SSD
PCIe 4.0 NVMe M.2 2280。ROG Allyシリーズで初めてmicroSD Express対応カードリーダーを搭載していますが、実効速度を検証した第三者レビューはまだ見当たりません。詳しくはmicroSD Expressとはで扱っています
ディスプレイ — 7.4型有機EL「ROG Nebula HDRディスプレイ」
1920×1080・120Hz、応答速度0.2ms、輝度は600nits(SDR)/1400nits(HDR)。ROG Allyシリーズ初の有機EL採用です
重量・バッテリー — 約756g/80Wh
Ally Xの715gより41g重くなっています。バッテリー容量はAlly Xと同じ80Whです

携帯ゲーミングPCと同価格帯のデスクトップBTO(2026年9月時点・税込)

携帯機はASUS・Lenovo各社の国内価格。デスクトップはマウスコンピューター(G-Tune)公式価格

G-Tune RTX 5070搭載デスクトップ(Core i5-14400F/16GB/500GB)259800円
ROG Xbox Ally X20(Ryzen AI Z2 Extreme/24GB/1TB)258800円
Legion Go Gen 2(8.8型OLED/32GB/1TB)189000円
ROG Xbox Ally X(Ryzen AI Z2 Extreme/24GB/1TB)169800円
ROG Xbox Ally(Ryzen Z2 A/16GB/512GB)129800円

GAME Watch|「ROG Xbox Ally X20」予約開始の詳報

見てのとおり、X20の25万8,800円は携帯機としては突出した価格です。Ally Xより8万9,000円、無印Allyより12万9,000円高くなります。そして偶然にも、デスクトップBTOのRTX 5070搭載モデルとほぼ同額という位置に来ています。この点は後段で改めて扱います。

Ally Xとの違いは何か

X20が「Ally Xの上位互換」ではなく「Ally Xの限定モデル」である理由を、項目ごとに見ていきます。

CPU・メモリ・ストレージは同一

処理性能はAlly Xと変わりません
CPUのRyzen AI Z2 Extremeが同一チップである以上、内蔵GPU(Radeon 890M・RDNA 3.5・16CU)の性能もAlly Xと同じです。ゲームのフレームレートに関しては、X20を選ぶ理由になりません
メモリ24GB・ストレージ1TBも共通です
容量・規格ともAlly Xと同一構成。この点でアップグレードは発生していません

変わったのはディスプレイと操作系

7型IPS液晶 → 7.4型有機EL
Ally Xの液晶パネルから、コントラストと応答速度に優れる有機ELへ変更されました。輝度はHDR時1400nitsまで対応し、可変リフレッシュレート(VRR)にも対応しています
アナログスティックがTMRセンサーに刷新
Ally Xのアナログスティックはホール効果方式ですらない従来型センサーでした。X20はそこから一足飛びにTMR(トンネル磁気抵抗)センサーへ切り替え、デッドゾーンを3%まで狭め、消費電力を75%削減したとASUSは説明しています(なおトリガーはAlly Xの時点からホール効果式で、X20ではさらにインパルストリガーが追加されています)PC Watch|ROG XBOX Ally X20の詳報
D-Padが4方向/8方向を切り替え可能に
パーツを交換せず、引っ張って回転させるだけで格闘ゲーム向けの8方向と、それ以外の4方向を切り替えられます
20周年記念デザイン
内部が透けて見えるブラック×ゴールドのトランスルーセントボディ。背面にROG 20周年記念バッジが刻印されています

まとめると、X20が積んでいるのは「速くなったAlly X」ではなく「画面と操作系と見た目が変わったAlly X」です。ゲーム性能を求めて買い替える機種ではありません。

バンドル版44万2,800円は誰のためか

バンドル版は本体に加えて3点が付属し、標準版との差額は18万4,000円です。

ROG XREAL R1 Edition 20
171インチ相当の仮想スクリーンを表示できるゲーミングARグラスです。Edition 20はコントロールドックを省略したモデルで、単体販売価格は11万9,980円(通常版はドック付きで14万1,550円)。ディスプレイ性能などの機能面は通常版と同じです
dbrand製Killswitch
本体専用の保護ケースです。単体でも販売されている製品で、耐衝撃性とグリップ感を売りにしています
ペリカン製プロテクターケース
持ち運び用の耐衝撃ハードケースです

Edition 20単体でも11万9,980円する製品であることを踏まえると、差額18万4,000円のうちKillswitchとプロテクターケース分の上乗せは6万4,020円ほどです。大きく割高というわけではありません。ただしこれは「ARグラスも欲しい人」向けの組み合わせであって、携帯ゲーミングPCとしての価値が上がるわけではない点は誤解しないでください。ARグラスを使う予定がないなら、標準版を選んで差額を他に回したほうが合理的です。

その予算ならデスクトップも選択肢に入ります

ここが、当サイトとして正直にお伝えしたい部分です。25万8,800円という金額は、デスクトップゲーミングPCではRTX 5070クラスに手が届く帯です。

マウスコンピューターのG-Tuneは、Core i5-14400F・16GB・500GB・RTX 5070搭載モデルを25万9,800円で販売しています。X20よりわずか1,000円高いだけで、専用GPU搭載のデスクトップが買えます。専用GPUのRTX 5070はVRAM 12GBを単体で持ち、携帯機の内蔵GPU(システムメモリを共有するRadeon 890M)とは世代の異なる性能を発揮します。詳しくは25万円台のゲーミングPCで構成を比較しています。

もちろん、この比較は携帯性を無視した話です。持ち歩いて遊びたい、あるいはすでにデスクトップを持っていて2台目が欲しいという人にとっては、この価格差は意味を持ちません。判断が変わるのは「携帯性が絶対条件ではない」場合です。その場合、同じ予算でも選択肢はX20だけではないということは、購入前に一度検討する価値があります。

こんな人に向きます・向きません

すでにAlly Xを持っていて画面に不満がある人
有機EL化とTMRスティックは実感しやすい進化です。買い替える理由になります
20周年記念モデルというデザイン・所有欲を重視する人
限定的なブラック×ゴールドのデザインは、量産の通常モデルにはない価値です
ARグラスにも興味がある人
バンドル版は単体で買うより実質的な割引になっています
初めて携帯ゲーミングPCを検討している人には向きません
同じ性能のAlly Xが8万9,000円安く買えます。初めての1台としてはAlly X、あるいは無印Allyのほうが合理的です
純粋に性能を求めるなら向きません
同予算のデスクトップBTOのほうが高い性能を得られます。携帯性が必須条件でないなら比較検討をおすすめします

なお、X20はAlly X同様にWindows 11をそのまま搭載しているため、VALORANTやApex LegendsのようにSteamOS(Steam Deck・Steam Frame)では動かないカーネルレベルのアンチチート採用タイトルも問題なく遊べます。SteamOS機との違いを詳しく知りたい場合はSteam Deck・Steam Frameで遊べない人気ゲーム一覧を参考にしてください。

よくある質問

Q.ROG Xbox Ally X20とROG Xbox Ally Xの性能差はありますか

A.CPUのRyzen AI Z2 Extreme、メモリ24GB LPDDR5X、ストレージ1TB SSDはすべて同一です。内蔵GPU(Radeon 890M)もAlly Xと同じチップのため、ゲームのフレームレート自体はほぼ変わらないと考えられます。X20で変わったのはディスプレイ(有機EL化)と操作系、デザインです。

Q.バンドル版(44万2,800円)は買う価値がありますか

A.同梱されるROG XREAL R1 Edition 20は、コントロールドックを省略したモデルとして単体でも11万9,980円で販売されています。プロテクターケース類を含めた標準版との差額18万4,000円は、その価格を踏まえるとおおむね妥当な範囲です。ただしARグラスを使う予定がないなら、標準版を選んで浮いた予算を他に回したほうが合理的です。

Q.同じ予算でデスクトップゲーミングPCは買えますか

A.買えます。マウスコンピューターのG-TuneはRTX 5070搭載モデルを25万9,800円で販売しており、X20の25万8,800円とほぼ同額です。専用GPUと内蔵GPUでは世代の異なる性能差があるため、携帯性が不要ならデスクトップのほうが同じ予算で高い性能を得られます。25万円台のゲーミングPCで構成を比較しています。

Q.いつ届きますか、予約はどこでできますか

A.発売日は2026年10月16日です。予約は2026年9月17日からASUS Store、Amazon.co.jp、エディオン、ケーズデンキ、コジマ、Joshin、ソフマップ、パソコン工房、ビックカメラ、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラで順次受け付けています。

Q.Steam Deck OLEDと比べてどうですか

A.Steam Deck OLEDも同じ7.4型の有機ELディスプレイを搭載していますが、価格は13万7,980円からとX20よりかなり安く、OSはSteamOSです。X20はWindows 11搭載でXboxアプリとの連携を前面に出しているため、遊べるゲームの幅を優先するかコストを優先するかで選び分けが必要です。

総評 Ally Xからの買い替えは急がなくていい

3.0

良い点

  • +ROG Allyシリーズ初の有機ELディスプレイで、視認性とコントラストが向上している
  • +TMRセンサーのアナログスティックと可変式D-Padで、操作系の完成度がAlly Xより高い
  • +バンドル版はARグラス込みで考えると価格に見合った内容になっている

気になる点

  • −CPU・メモリ・ストレージはAlly Xと同一で、ゲーム性能そのものは変わらない
  • −差額8万9,000円のほとんどはディスプレイと限定デザイン。実用アップグレードとしては割高
  • −同じ予算でRTX 5070搭載のデスクトップBTOが買え、性能を求めるならそちらが有利

まとめ・次に読みたい記事

ROG Xbox Ally X20は、ROGブランド設立20周年を記念した限定モデルです。CPU・メモリ・ストレージはAlly Xと同一で、8万9,000円の差額はディスプレイの有機EL化と操作系の刷新、そして20周年デザインに使われています。性能面でのアップグレードではなく、記念モデルとしての価値を求める製品だと理解しておくのが正確です。

すでにAlly Xを持っていて画面や操作系に不満がある人、20周年デザインやARグラスへの興味がある人には向きます。一方、初めて携帯ゲーミングPCを検討している人や、純粋に性能を求める人には、価格の近いデスクトップBTOも含めて比較検討することをおすすめします。