Radeon RX 9070 GREは、2026年6月2日に国内で発売されたグラフィックボードです。発売直後は「上位のRX 9070やRX 9070 XTより高い」という価格の逆転が起きていて、海外でも国内でも「選ぶ理由がない」と評価されていました。10月28日にはASRockから3連ファンの新モデルが出る予定で、改めて「いま買っていいのか」が気になっている方も多いと思います。

結論から書くと、グラボ単体で買うなら、いまのRX 9070 GREは買いです。10月26日時点の最安は9万4,800円で、WQHDの1fpsあたりの価格は、比べた現行6機種の中で最も安くなりました。逆転が解消したのはGREが値下がりしたからではなく、ほかの5機種が6月から35〜58%値上がりしたからです。ただし、BTO完成品では話が変わります。同じ構成でRTX 5070搭載機のほうが安い店があります。

この記事では、6月と10月の価格.comの最安を並べて逆転がどう解消したかを確かめ、ドイツのPCGHが公開している20タイトルの計測値から、1fpsあたりの価格を同じ日の実売で計算しました。VRAM 12GBで性能が落ちるタイトルの実測と、FRONTIER・マウスコンピューター・ドスパラのGRE搭載機の同日価格も比べています。

先に結論、買っていい人と別のGPUを選ぶべき人

予算10万円前後でグラボ単体を買う人 — 買いです
10万円以下で買える現行GPUの中では、WQHDの性能が一段上です。RTX 5060 Ti 16GBより4万5,000円安く、平均fpsは約24%上でした。フルHDの高リフレッシュレートからWQHDの高画質までが守備範囲です。
あと3万5,000円出せる人 — RX 9070 XTを選んでください
RX 9070 XTの最安は129,800円です。性能は約36%上で、VRAMは16GBあります。1fpsあたりの価格はGREとほぼ同じなので、割高にはなりません。長く使う前提なら、こちらのほうが安心です。
レイトレーシングを最高設定で使いたい人 — 12GBが足を引っ張ります
レイトレーシングを入れるとVRAMの消費が増え、一部のタイトルで大きく失速します。レイトレーシング重視なら、16GBのRX 9070 XTか、同じ12GBでもレイトレーシングでは失速しにくいRTX 5070が向いています。
BTOで買う人 — 店ごとに同構成の価格を比べてください
FRONTIERではGRE機がRX 9070 XT機より4万5,000円安く、選ぶ理由があります。マウスコンピューターでは、同じ構成のRTX 5070機のほうが5,000円安く、RX 9070 XT機との差も25,000円しかないので、GRE機を選ぶ理由が薄くなります。

RX 9070 GREはどんなGPUか

GREは「Great Radeon Edition」の略です。RX 9070・RX 9070 XTと同じNavi 48というGPUチップを使い、演算ユニットとメモリまわりを削った下位モデルにあたります。中国では2025年5月8日に先行発売されていて、2026年6月2日に日本を含む世界で発売されました。PCGHによると、世界版の仕様は中国版とまったく同じです。

演算ユニット(CU)48基・シェーダー3,072基
RX 9070は56基・3,584基です。RX 9060 XTは32基・2,048基で、ちょうど間に入ります。
VRAM 12GB GDDR6・192bit・18Gbps
RX 9070は16GB・256bit・20Gbpsです。容量とバス幅がそれぞれ25%少なく、メモリの転送速度は432GB/sで、RX 9070(644GB/s)より33%低くなります。Infinity Cacheも64MBから48MBに減っています。
消費電力(TBP)220W・推奨電源650W
TBPはRX 9070と同じです。そのぶんクロックを高く保てるので、PCGHの計測では演算性能の差はRX 9070の7%差まで縮まっていました。その代わりフルHDでもほぼ220Wを使い切り、RX 9070と同じ電力でfpsは2割ほど低いので、電力あたりの性能はRX 9070とRTX 5070より劣ります(PCGH)。補助電源は8ピン×2が基本です。
PCI Express 5.0 x16接続
RTX 5060 Tiは端子がx16の形でも実際には8レーンしか使いません。GREは16レーンをすべて使うので、PCIe 3.0や4.0の古いマザーボードに差しても帯域の面で不利になりにくい構成です。
AMDの想定売価は549ドル
AMDはComputex 2026で、比較相手をRTX 5070ではなくRTX 5060 Ti 16GBとし(AMDの資料では実売569ドル。発売時の希望価格は429ドル)、WQHDで平均22%速いと説明しました。

RDNA 4世代で12GBなのはGREだけです。NVIDIAではRTX 5070が同じ12GBなので、VRAM容量ではRTX 5070と同じ土俵に立つことになります。

6月は割高、10月は最安クラスに変わりました

6月2日の発売時、国内の価格は98,980円〜117,800円でした。GAZLOGは6月4日の記事で、日本ではGREが約10万円で、RX 9070やRX 9070 XTを10%以上上回っていると指摘しています。性能が下のモデルが上位より高いので、売れないのも当然でした。

その後の動きを、価格.comの価格推移グラフで6月10日の最安と、10月26日時点の最安で比べました。

RX 9070 GRE — 98,980円 → 94,800円(約4%下落)
6機種の中で、唯一値下がりしています。
RX 9070 — 89,800円 → 120,864円(約35%上昇)
6月はGREより9,000円ほど安く買えました。
RX 9070 XT — 87,800円 → 129,800円(約48%上昇)
6月は上位のXTがGREより1万円以上安いという、いちばん大きな逆転が起きていました。
RX 9060 XT 16GB — 53,800円 → 84,800円(約58%上昇)
上昇率は6機種で最大です。GREとの差は4万5,000円から1万円に縮みました。
RTX 5060 Ti 16GB — 89,800円 → 139,800円(約56%上昇)
GREの比較相手として発表されたGPUです。6月はGREより安く、いまは4万5,000円高くなっています。
RTX 5070 — 94,659円 → 138,357円(約46%上昇)
6月はGREとほぼ同じ価格で、性能が上のRTX 5070を選ばない理由がありませんでした。

6月の値は価格.comの価格推移グラフの日別最安です。グラフはAmazonを集計に含まず、取扱いが1店舗だけの製品も含みます。10月26日の値は製品一覧の最安で、Amazonを含み、1店舗だけが扱う限定品は除いています。集計方法が少し違いますが、GREだけが下がり、ほかが3〜6割上がったという方向は変わりません。

値上がりの背景について、PCGHは6月の記事で、AIブームによるメモリ価格の高騰を挙げ、RX 9070やRX 9070 XTのような16GBのカードは最大200ユーロ値上がりするというIgor’s Labの見通しを紹介していました。GREはメモリが12GBと少なく、もともと値上がり後の相場を見込んだ価格で発売されたぶん、上がる余地が小さかったと見るのが自然です(ここは当サイトの推測です)。

性能はRTX 5060 Ti 16GBより約24%上、RTX 5070より約1割下

性能は、PCGHが6月2日に公開した世界版GREのレビューの計測値を使います。CPUはRyzen 7 9800X3Dで、20タイトルを最高画質・アップスケーリングなしで計測しています。PCGHはページ内のグラフに全タイトルのfpsを載せているので、そこから6機種の平均(幾何平均)を出しました。

WQHD・最高画質の平均fps(20タイトル)

出典はPCGHの計測データ(アップスケーリングなし・レイトレーシングなし)。20タイトルの幾何平均を当サイトで計算

RX 9070 XT82.8fps
RX 907073fps
RTX 507067.7fps
RX 9070 GRE61.1fps
RTX 5060 Ti 16GB49.1fps
RX 9060 XT 16GB46.6fps

GREはRTX 5060 Ti 16GBより約24%、RX 9060 XT 16GBより約31%速く、RTX 5070より約10%遅い位置です。AMDが発表した「RTX 5060 Tiより22%速い」は、第三者の計測でもおおむね再現されています。同じ20タイトルの幾何平均で解像度別に見ると、RTX 5060 Ti 16GBとの差はフルHDで約22%、4Kで約26%で、解像度が上がるほど差が開きました。

RTX 5070との差は、集計の仕方で幅があります。PCGHの本文(性能指数のページ)では「RTX 5070が6%上」、レイトレーシングのページでは「ラスタライズで9%」と書かれていて、上の幾何平均では約11%です。GREとRTX 5070の差は、おおむね5〜10%程度と考えてください。

数字が全体に低く見えるのは、アップスケーリングを使わずネイティブ解像度で計測しているためです。実際のプレイでFSRを使えば、ここから大きく上がります。PCGHは「4Kでクオリティのアップスケーリングを使うなら、WQHDの値が目安になる」としています。

PCGHはGREの性能を、旧世代のRX 7900 GRE・RX 6950 XT・RTX 4070 SUPER・RTX 3090と同じくらいだとしています。これらのGPUを使っている人がGREに買い替えても、性能はほとんど上がりません。

レイトレーシングでは差が縮みます。15タイトルの総合指数で、GREはRTX 5060 Ti 16GBより約10%上、RX 9060 XT 16GBより約23%上にとどまり、RTX 5070とRX 9070はGREより約22%上でした。ラスタライズでは31%あったRX 9060 XTとの差が23%まで縮んだ理由を、PCGHは「メモリ不足だけが原因」と書いています。この点は後の章で詳しく見ます。

1fpsあたりの価格で比べると、GREとRX 9070 XTが並びます

上の平均fpsを、10月26日時点の価格.comの最安で割りました。数字が小さいほど割安です。

WQHDの1fpsあたりの価格(10月26日時点)

価格.comの最安(1店舗限定品は除く)÷PCGHの20タイトル幾何平均fps。カッコ内は最安値と取扱店舗数

RX 9070 GRE(94,800円・7店舗)1551円
RX 9070 XT(129,800円・7店舗)1568円
RX 9070(120,864円・2店舗)1657円
RX 9060 XT 16GB(84,800円・9店舗)1819円
RTX 5070(138,357円・14店舗)2043円
RTX 5060 Ti 16GB(139,800円・6店舗)2847円

GREは1fpsあたり1,551円で最も安く、RX 9070 XTが1,568円とほぼ並びました。Radeonの4機種がGeForceの2機種より割安という並びは、Radeonは買いかで見た傾向と同じです。いちばん割高なのはRTX 5060 Ti 16GBで、GREの1.8倍です。

ただし、GREだけが突出して割安なわけではありません。RX 9070 XTとは割安さがほぼ同じ水準なので、どちらを選ぶかの決め手は予算の上限になります。

GRE → RX 9070 XT(+35,000円)
平均fpsは約36%上がり、VRAMは12GBから16GBになります。払った分だけ性能が増える関係で、割高にはなりません。
RX 9060 XT 16GB → GRE(+10,000円)
平均fpsは約31%上がります。ただしVRAMは16GBから12GBに減ります。レイトレーシングを使わないなら、1万円の差は割に合います。
RTX 5060 Ti 16GB → GRE(−45,000円)
安くなって、平均fpsは約24%上がります。DLSSやNVENC、CUDAが必要でなければ、RTX 5060 Ti 16GBを選ぶ理由は見当たりません。
RTX 5070 → GRE(−43,557円)
fpsは約1割下がり、VRAMは同じ12GBです。DLSSのマルチフレーム生成やレイトレーシング性能を重視しないなら、4万円以上安いGREで十分です。

レイトレーシングの15タイトルで同じ計算をすると、WQHDの1fpsあたりの価格はRX 9070 XTが2,172円、GREが2,238円で、順位が入れ替わります。4Kのレイトレーシングでは、GREはRX 9060 XT 16GBやRX 9070より割高になりました。レイトレーシングを多用するなら、GREよりRX 9070 XTのほうが得です。

VRAM 12GBで足りなくなる場面

12GBで困るのは、主にレイトレーシングを使うときと4Kのときです。PCGHの計測から、GREが失速した例を挙げます。

Marvel's Spider-Man 2(レイトレーシング最高)— 下位のRX 9060 XT 16GBより遅い
WQHDでGREは26.5fps、RX 9060 XT 16GBは31.3fpsでした。フルHDでも36.3fpsと42.8fpsで、性能が3割下のはずのRX 9060 XTに負けています。PCGHはこのタイトルを、VRAMが足りているかを判定する指標に使っています。
サイバーパンク2077(レイトレーシング最高・4K)— 4.7fpsまで落ちる
同じ条件でRX 9060 XT 16GBは18.3fps、RTX 5060 Ti 16GBは22.6fpsでした。VRAMがあふれると、平均fpsが数分の1まで落ちる例です。
Dragon Age: The Veilguard(レイトレーシング最高)— RX 9060 XTと横並び
WQHDでGREは23.4fps、RX 9060 XT 16GBは23.8fpsでした。本来の3割の差が消えています。
S.T.A.L.K.E.R. 2(ラスタライズ・4K)— 平均は上でも、カクつきは悪化
平均fpsは23.8fpsでRX 9060 XT 16GB(18.7fps)より上ですが、下位1%のfpsは12fpsで、RX 9060 XT(15fps)やRTX 5060 Ti 16GB(18fps)を下回りました。ただし同じ12GBのRTX 5070は10fpsで、GREよりさらに低い値でした。4Kの重いタイトルでは、12GBのカードはどちらも余裕がありません。

レイトレーシングを使わないラスタライズなら、PCGHは「12GBでほぼ足りる」としています。20タイトルの中で12GBの限界が出たのは、4Kの重いタイトルだけでした。

当サイトのVRAM 8GBで足りないゲーム一覧の集計でも、フルHDで最も多く使うボーダーランズ4が約11GBで、12GBあれば収まります。サイバーパンク2077はレイトレーシングで12GB、パストレーシングや4Kで16GBが目安です。つまり、フルHD〜WQHDでレイトレーシングを控えめに使う範囲なら12GBで困る場面は少なく、レイトレーシングを最高にしたり4Kで遊んだりすると、タイトルによっては足りなくなります。

VRAM不足は平均fpsが少し下がる形ではなく、カクつきや急な失速として出ます。GREで画面が引っかかるときは、まずテクスチャ設定かレイトレーシングを1段下げてください。PCGHも結論で、12GBのカードは新作でいつ容量を超えてもおかしくなく、設定を調整する手間はRTX 5070よりGREのほうが多くなる、と書いています。

FSR 4.1とMLフレーム生成はすべて使えます

GREはRDNA 4世代なので、FSR 4.1の超解像に加えて、AIを使うFSRのフレーム生成とレイ再生成もすべて使えます。2026年10月20日のドライバー更新でRX 6000もFSR 4.1に対応しましたが、RX 6000とRX 7000に降りてきたのは超解像だけで、フレーム生成とレイ再生成はRX 9000専用のままです(RX 6000はまだ使えるか)。

上の「VRAM不足」との関係では、FSR 4.1で描画解像度を下げるとVRAMの使用量は多少減りますが、テクスチャが使う分は減りません。12GBの不足を根本から解決する手段にはならない点は覚えておいてください。

GeForce側との違いは、RTX 5070やRTX 5060 TiはDLSSのマルチフレーム生成で1枚の描画に対して最大5枚を追加でき(6倍モード)、FSRのフレーム生成は1枚まで(2倍)という点です。対応タイトルの数でもDLSSが上回ります。どのGPUで何が使えるかはDLSS・FSR・XeSSの対応早見表にまとめています。

BTOで買うなら、店によって答えが逆になります

GRE搭載のBTO完成品を、10月26日時点の各社の公式サイトで確認しました。単体のグラボとは違い、店によってGREの値付けがかなり違います。

FRONTIER — RX 9070 XT機より4万5,000円安い

FRONTIERは同じGAシリーズ(Ryzen 7 9700X・メモリ32GB DDR5・SSD 1TB・A620Aマザーボード)で、GPUだけを変えた4機種を売っています。

FRONTIER GAシリーズの価格(9700X・32GB・1TB)

FRONTIER公式サイトの販売価格(10月26日時点、税込・送料無料)。電源はRTX 5060 Tiが600W、GRE・RTX 5070が750W、RX 9070 XTが850W(いずれも80PLUS PLATINUM)

RTX 5060 Ti 8GB(FRGAM-A620AM/A/NTK)299800円
RX 9070 GRE(FRGAM-A620AM/GRE)324800円
RX 9070 XT(FRGAM-A620AM/C/NTK)369800円
RTX 5070(FRGAM-A620AM/B/NTK)374800円

GRE機はRX 9070 XT機より45,000円、RTX 5070機より50,000円安くなっています。比較相手のRTX 5060 Tiは8GB版で、2万5,000円の差でVRAMが1.5倍、性能も大きく上がります。この店ならGREを選ぶ理由は十分あります。RX 9070 XT機との差45,000円は、単体での差35,000円より開いていて、FRONTIERではGRE機が相対的に有利です。ただし9070 XT機は電源が850Wに上がっているので、差の一部は電源の違いです。

ほかにRyzen 7 5700X構成(GKシリーズ、メモリ32GB DDR4・SSD 1TB)が259,800円、Ryzen 7 7800X3D構成(GHLシリーズ、Wi-Fi 6E付き)が344,800円です。保証は1年間のセンドバックです。

マウスコンピューター — GRE機よりRTX 5070機かRX 9070 XT機

マウスコンピューターのNEXTGEARは、Ryzen 7 5700X・メモリ16GB(8GB×2)・SSD 500GBの同じ構成で5機種を並べています。

NEXTGEAR JGシリーズの価格(5700X・16GB・500GB)

マウスコンピューター公式サイトの表示価格(10月26日時点、税込・送料無料・3年保証)

RX 9060 XT 16GB(JG-A7A6X)229900円
RTX 5060 Ti 16GB(JG-A7G6T)259800円
RTX 5070(JG-A7G70)269800円
RX 9070 GRE(JG-A7A7A)274800円
RX 9070 XT(JG-A7A7X)299800円

ここではGRE機がRTX 5070機より5,000円高いという、6月と同じ形の逆転が残っています。RTX 5070は性能が約1割上で、VRAMも同じ12GBなので、この構成ならRTX 5070機を選ぶほうが合理的です。CPUをRyzen 7 7700や9700Xにした構成(メモリ16GB×1)では、GRE機のほうが1万円安くなりますが、それでもRTX 5060 Ti 16GB機との差は1万5,000円しかありません。

もう一つの問題は、RX 9070 XT機(JG-A7A7X)との差が小さいことです。5700X構成でGRE機との差は25,000円で、グラボ単体の差35,000円より小さくなっています。7700構成ではRX 9070 XT機が319,800円でRTX 5070機と同額、GRE機より1万円高いだけです。9700X構成では339,900円で、GRE機との差は20,100円です。性能が約36%上でVRAMが16GBになることを考えると、マウスで買うならGRE機よりRX 9070 XT機のほうが割安です。

マウスコンピューターの強みは標準で3年保証が付くことです。GREを選ぶなら、同じ店のRTX 5070機・RX 9070 XT機と差額を並べ、GRE機のほうが高ければRTX 5070機を、RX 9070 XT機との差がグラボ単体の差(35,000円)より小さければRX 9070 XT機を選んでください。10月26日時点では、どの構成でもこの条件に当てはまりました。

ドスパラ・パソコン工房

ドスパラのGALLERIAは7月9日にGRE搭載機を6機種発売し、10月26日時点ではRyzen 7 7700構成(メモリ16GB DDR5・SSD 1TB・B850マザーボード)が314,980円、9700X構成が334,980円、9800X3D構成(32GB)が449,980円です。発売時の349,980円・364,980円・484,980円から3万〜3万5,000円下がっていますが、10月26日時点では全構成とも在庫なしの表示でした。

同じ7700・メモリ16GB・SSD 1TB・B850マザーボードでRTX 5070を積むGALLERIA XPR7A-R57-GDは、10月26日時点で338,880円(10月9日は313,880円)で在庫ありです。GRE機のほうが23,900円安いものの、在庫がないので選べません。在庫がある中では、マザーボードがA620A・SSDが500GBの下位構成になるRX 9070 XT搭載のGALLERIA XPR7M-97XT-WL(Ryzen 7 7700)が329,980円です。ドスパラは送料が1台3,300円かかり、FRONTIERとマウスコンピューターは送料無料です。

パソコン工房はGREの紹介ページがありますが、10月26日時点で「GRE搭載ゲーミングPCを見る」のリンク先はRX 9070 XT搭載機の一覧になっていて、GRE搭載のBTOは確認できませんでした。各社の特徴はBTOメーカー比較にまとめています。

10月28日発売予定のASRock Challengerは選ぶ価値があるか

ASRockの「Radeon RX 9070 GRE Challenger 12GB」(型番RX9070GRE CL 12G)は、10月28日に発売予定です。国内代理店はシー・エフ・デー販売で、予想価格は税込99,800円前後とされています。

ASRock Radeon RX 9070 GRE Challenger 12GBの映像出力端子。DisplayPortが3つとHDMIが1つ並ぶ
映像出力はDisplayPort 2.1a×3とHDMI 2.1b×1(画像: シー・エフ・デー販売のプレスリリース(エルミタージュ秋葉原掲載))© ASRock Inc.
3連ファン・ブーストクロック2,790MHz
クロックはAMDの基準値どおりで、工場出荷時のオーバークロックはありません。温度が低いときにファンが止まる0dBモードと、LEDを物理スイッチで消す機能があります。
長さ290mm・3スロット・重さ918g
ミニタワーのケースでは、グラボの長さの上限が290mmを下回る製品もあります。買い替えで使う場合は、ケースの対応サイズと、隣のスロットが3スロット分空くかを先に確認してください。
補助電源8ピン×2・推奨電源650W
電源が足りるかの考え方は電源の選び方にまとめています。
保証は2年
代理店のシー・エフ・デー販売による保証です。

価格.comには10月26日に登録され、この時点で価格を載せていたのは1店舗(99,800円)だけでした。ASUSのPRIME(99,800円)やCrowxis(99,800円)と同じ価格帯で、すでに売られている3連ファンのGIGABYTE GAMING OC(94,800円)より5,000円高くなります。GIGABYTEも3連ファンで、低負荷時にファンが止まるセミファンレスに対応しているので(価格.comの仕様表)、静音性はASRockを選ぶ理由になりません。このモデルを選ぶ理由は、LEDを物理スイッチで消せることと、映像出力がDisplayPort×3である点に限られます。GIGABYTEはHDMI×2・DisplayPort×2なので、DisplayPortのモニターを3台つなぎたい人にはASRockが合います。

Amazonで買う場合は、Amazon.co.jpが販売しているSapphireのモデルが10月26日時点で在庫ありでした。

SAPPHIRE PULSE Radeon RX 9070 GRE GAMING OC 12GB

12GB GDDR6/10月26日時点 101,827円(Amazon.co.jp販売)

価格.comの最安(94,800円)より約7,000円高いものの、Amazon.co.jpが販売・発送する在庫品です。初期不良の返品窓口がAmazonになるので、初めてグラボを交換する方には手続きが分かりやすい買い方です。取り付けの手順はグラボの交換・取り付け方にまとめています。

中古のRX 9070やRX 9070 XTを狙うのはおすすめしません

新品の価格が6月から大きく上がったので、中古のRX 9070やRX 9070 XTが割安に見えるかもしれません。ただ、当サイトは中古のグラボをおすすめしていません。特に初めてグラボを買う方には勧めません。

理由は保証の有無より、うまく動かなかったときに原因を切り分けられるかどうかです。画面が映らない、ゲーム中に落ちるといったトラブルが起きたとき、新品なら「カードの初期不良」か「自分の取り付けや設定」かを順に疑えます。中古だとそこに「前の持ち主の使い方による劣化」が加わり、どこが悪いのか判断する手がかりがほとんどなくなります。詳しくは中古グラボは買いかを読んでください。

次の世代を待つかどうかについては、RDNA 5の発売時期の見通しは2027年半ば〜2028年まで割れています(RDNA5はいつ出るか)。値下がりを待つより、必要なときに買うほうが現実的な状況です。

よくある質問

Q.RX 9070 GREとRX 9070の違いは何ですか?

A.同じNavi 48チップを使い、GREは演算ユニットが48基(RX 9070は56基)、VRAMが12GB・192bit(RX 9070は16GB・256bit)に削られています。消費電力は同じ220Wです。PCGHの計測では、RX 9070はGREより平均19%速い結果でした。10月26日時点の最安はGREが94,800円、RX 9070が120,864円です。

Q.RX 9070 GREとRTX 5060 Ti 16GBはどちらを買うべきですか?

A.ゲームのfpsが目的ならRX 9070 GREです。10月26日時点でGREは4万5,000円安く、PCGHの20タイトルではWQHDで約24%速い結果でした。DLSSのマルチフレーム生成、NVENCでの配信、CUDAを使うAIや動画編集が必要な場合はRTX 5060 Ti 16GBを選んでください。VRAMは5060 Tiのほうが4GB多いです。

Q.VRAM 12GBで足りますか?

A.フルHD〜WQHDでレイトレーシングを控えめにするなら、ほとんどのタイトルで足ります。レイトレーシングを最高設定にすると、Marvel's Spider-Man 2のように下位のRX 9060 XT 16GBより遅くなるタイトルがあります。4Kやレイトレーシング重視なら、16GBのRX 9070 XTを選んでください。

Q.電源は何W必要ですか?

A.AMDの推奨は650W以上で、補助電源は8ピン×2が基本です。消費電力(TBP)は220Wです。RTX 5060 Ti(180W)やRX 9060 XT(160W)のような補助電源8ピン×1のカードから交換する場合は、電源の容量と、8ピンのケーブルが2本取れるかを先に確認してください。

Q.FSR 4は使えますか?

A.使えます。RDNA 4世代なので、FSR 4.1の超解像に加えて、AIを使うFSRのフレーム生成とレイ再生成も使えます。RX 7000やRX 6000で使えるのは超解像だけです。

Q.6月より値下がりを待ったほうがいいですか?

A.GREは6月10日の98,980円から10月26日の94,800円まで、ほぼ横ばいです。ほかのGPUはこの間に35〜58%上がっています。大きな値下がりを期待して待つ根拠は、いまのところ見当たりません。

まとめ・次に読みたい記事

RX 9070 GREは、6月の発売時は上位モデルより高い価格で売られていましたが、ほかのGPUの値上がりで、10月には1fpsあたりの価格が最も安いGPUになりました。予算10万円前後でグラボ単体を買うなら、RTX 5060 Ti 16GBより4万5,000円安く約24%速いGREは、いちばん無駄のない選択です。

一方で、VRAM 12GBはレイトレーシングを最高設定にすると足りなくなる場面があり、RX 9070 XTとは割安さが同じです。3万5,000円足せるならRX 9070 XTを選んでください。BTOで買う場合は、同じ店のRTX 5070機やRX 9070 XT機との差額を必ず確認してください。