「ブラックフライデー ゲーミングPC」で調べると、毎年「最大10万円オフ」といった見出しが並びます。ただ、その割引率は機種によってまったく違い、見出しの数字だけで判断すると損をすることがあります。

結論から言うと、2025年のブラックフライデーで確認できた値引き率は、同じショップの中でも機種によって2%から18%まで開きがありました。「最大◯万円オフ」という見出しの多くは、上位モデル1機種に適用される最大値で、実際に多くの機種で動く金額はそれよりずっと小さいというのが実態です。この記事では、過去の実績データをもとに、見出しの割引率をそのまま信じず「本当に安いか」を確かめる視点と、ブラックフライデー・年末商戦・初売りという3つの山をどう位置づけて買い時を判断するかを整理します。

この記事は2026年10月時点で執筆しています。2026年のブラックフライデー(11月27日)における各社の具体的な特価は、セールが始まってからでないと分かりません。そのため今回は、2025年までの実績と判断の軸を先にまとめる「骨組み先行」の記事として公開し、セール内容が判明し次第、価格情報を追記していきます。

先に結論

割引率は「最大」の見出しでなく、個別モデルで確認してください
2025年の実績では同じショップでも値引き率は2%から18%まで開きがありました。欲しいモデルの通常価格を直前にメモしておくと、セール価格が本当にお得か判断できます
ブラックフライデーは1年で最大級ですが、唯一の機会ではありません
11月下旬から12月上旬のブラックフライデー、12月の年末商戦、1月の初売りと、年末年始だけで3回の山があります。買い逃しても次の機会があります
初売り福袋はBTO通常購入と別物として扱ってください
抽選制・数量限定・返品不可が基本で、完成品ではなく自分で組み立てる「組立キット」形式のことも珍しくありません
2026年はGPU・メモリの値上がり局面と重なっています
待つほど安くなるとは限らない年です。欲しい時期が決まっているなら、ブラックフライデーを待たずに判断する選択肢も検討してください

2026年のブラックフライデーはいつか

2026年のブラックフライデーは11月27日(金)です。アメリカの感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日にあたり、2026年は11月26日が感謝祭、その翌日が11月27日になります。

日本国内では、ブラックフライデー当日だけでなく、前後2〜3週間にわたってセールが続くのが通例です。2025年の実績を見ると、国内BTO各社の開催期間は次のようになっていました。

ドスパラ(2025年実績)
先取りキャンペーンが11月7日から11月21日まで、本セールが11月21日から12月1日までと、2段階に分かれて約1か月近く続きました
パソコン工房(2025年実績)
11月18日から12月2日まで。この期間の中で「超ブラックフライデーセール」という名称の集中企画も展開されました
フロンティア(2025年実績)
11月20日から12月5日までで、他社と同程度の時期に開催されていました
マウスコンピューター・G-Tune(2025年実績)
11月19日から12月10日までと、5社の中で最も長い期間セールを継続していました
ツクモ・G-GEAR(2025年実績)
11月21日から12月2日まで。全モデル共通でポイント1%還元という特典が中心でした

いずれも2025年の実績であり、2026年の正確な開催日程は各社が発表してから確定します。ただし「11月中旬から先行セールが始まり、12月上旬まで続く」という大枠のパターンは、ここ数年大きく変わっていません。

ブラックフライデーの値引きは、本当に安いのか

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。「最大10万円オフ」のような見出しは毎年のように登場しますが、実際に個別のモデルを見ていくと、割引率にはかなりの差があります。

2025年実績、値引き率は機種によって2%から18%まで差がありました

国内BTO各社が公式に発表した通常価格とセール価格を比較できたモデルを、値引き率の高い順に並べました。

2025年ブラックフライデーの値引き率 機種別の実例

2025年11月に各社公式発表・報道で確認できた通常価格とセール価格から算出。値引き率は当サイトで計算。機種ごとに世代・構成が異なるため、単純な横比較ではなく「同じショップ内でも機種によってこれだけ差がある」ことを示す目的の数字です。

パソコン工房 SENSE-18WG181-U7-VKSX18.2%
パソコン工房 LEVEL-M5A6-R97X-TKX16.7%
マウス G-Tune FZ-I7G8015.7%
マウス G-Tune DG-I7G7T14.6%
パソコン工房 STYLE-I1MA-i7-UHX-WH5%
ドスパラ GALLERIA XA7R-R57-B1.9%

同じパソコン工房の中でも、クリエイター向け上位ノートのSENSE-18WG181-U7-VKSXは54万9,800円から44万9,700円へ18.2%引き下げられた一方、入門デスクトップのSTYLE-I1MA-i7-UHX-WHは9万9,800円から9万4,800円の5.0%引きにとどまっています。ドスパラのGALLERIA XA7R-R57-Bに至っては、26万2,980円から25万7,980円への1.9%引きでした。

パソコン工房の公式発表、ITmedia PC USER(マウスコンピューター)、ドスパラのセール価格を伝えた記事で、それぞれ通常価格とセール価格が明記されていたモデルから計算しています。

「最大◯万円オフ」は上位モデル限定が多い

もう一つ重要なのが、見出しの「最大」が指しているのはたいてい最上位モデル1機種だけという点です。

パソコン工房は2025年のブラックフライデーを「最大10万円引き」と打ち出していましたが、実際にその10万円引きが適用されたのは54万9,800円のSENSE-18WG181-U7-VKSXで、同じセール内の入門モデルは5,000円引きでした。マウスコンピューターも「最大10万円オフ」としていましたが、10万円引きが適用されたのは69万9,800円のH6-I9G90BK-Cで、42万9,800円のFG-A7G7Tは3万円引きにとどまっています。

つまり「最大◯万円オフ」という数字は、そのショップで最も高いモデルを買わない限り、自分には関係のない数字であることが多いということです。狙っているモデルの価格帯での割引率を、見出しとは別に確認する必要があります。

ドスパラの場合はさらに特殊で、2025年11月7日から21日までの先取りキャンペーンでは、本体の値引きよりも「対象パソコンの購入とエントリーで最大9万円分のドスパラポイントが確定でもらえる」というポイント還元が中心でした。ポイントは次回以降の買い物に使えるものの、その場での支払い額が下がるわけではありません。「値引き」と「ポイント還元」は分けて評価する必要があります。

事前値上げの見せかけ割引に注意

ブラックフライデーのような大型セールでは、セール直前にいったん価格を引き上げ、割引率を大きく見せる「事前値上げ」が問題になることがあります。消費者庁は二重価格表示に関するガイドラインで、実際に相当期間販売していた価格ではない金額を比較対照価格として表示することを、不当表示の一類型として挙げています。

消費者庁「二重価格表示について」

2025年11月のAmazonブラックフライデーでは、セール開始前に価格を引き上げ、セール開始と同時に元の価格へ戻すことで大幅割引に見せかける手口が複数報告され、弁護士が景品表示法上の不当表示に該当しうると指摘しました。

弁護士ドットコムニュース

これはアパレルや日用品での報告例であり、今回の調査では国内BTOゲーミングPCメーカーがこうした事前値上げを行ったという確認できた事例は見つかりませんでした。ただしBTO各社も、フロンティアの週間セール更新のように頻繁に価格が変動するため、表示されている割引率だけを見て「お得」と判断するのは避けたいところです。本当にお得かどうかを確かめるには、気になっているモデルの価格をセール前から自分でメモしておくか、当サイトが継続している定点観測記事(後述)で通常期の相場を確認しておくのが確実です。

1年の中でのブラックフライデー・年末・初売りの位置づけ

ここからは、年末年始に集中する3つの山をどう位置づけるかを整理します。年間を通じたセール周期の全体像はゲーミングPCのセール時期とお得な買い方で扱っているので、ここでは11月から1月にかけての期間に絞ります。

11月中旬〜下旬 先行セール
各社がブラックフライデー本番前に一部モデルを先行値下げします。2025年はドスパラが11月7日から先行キャンペーンを開始しました
11月27日(金) ブラックフライデー本番
1年で最も規模が大きいセールです。2025年の実績では、各社とも本番後も12月上旬まで延長していました
サイバーマンデーは実質ありません
本来は感謝祭明けの月曜日を指しますが、Amazonの「サイバーマンデー」は2021年以降日本では基本的に開催されておらず、2025年もブラックフライデー期間(11月24日〜12月1日)に統合される形でした。国内BTO各社も、独立した「サイバーマンデー」企画は持っていません
12月 年末商戦・冬ボーナスセール
ブラックフライデーの勢いのまま延長するか、12月中旬以降に改めて「年末セール」として再始動する会社が多い時期です
1月1日〜 初売り・福袋
数量限定・抽選が中心です。型落ちパーツや組立キットなど、通常のBTO購入とは条件が異なる商品が交じるため、次の章で詳しく扱います

なお、ゲームソフト側のセール周期はハードとまったく別です。Steamのウィンターセールは例年12月中旬から始まり、日程も事前に公開されています。本体をブラックフライデーで買い、ソフトはウィンターセールで買うというように、時期を分けて考えると無駄がありません。詳しくはPCゲームを安く買う方法にまとめています。

クリスマスプレゼントとして恋人や友人にゲーミングPCを贈る予定がある場合は、注意が必要です。ブラックフライデーは価格が下がる一方、受注生産のBTOパソコンは注文が集中しやすい時期でもあります。安く買えても12月25日に間に合わないという事態を避けるための発注の目安は、ゲーム好きな恋人・友人へゲーミングPCを贈る前に確認すべきことにまとめました。

BTO各社はブラックフライデーをどう展開しているか

5社の傾向を、2025年の実績ベースでまとめます。2026年の内容は確定次第、更新します。

ドスパラ(GALLERIA)
先取り期間はポイント還元中心、本セール期間は本体値引きとポイントの併用。2025年に確認できた本体の値引き額は数千円程度のモデルもあり、金額よりポイント施策の規模が目立つ構成でしたドスパラ公式
パソコン工房(LEVEL∞)
「最大10万円引き」を掲げつつ、実際の値引き率は機種により5%から18%程度まで幅があります。開催期間が約2週間と長めで、店舗とWeb両方で展開されますパソコン工房公式
フロンティア
通常時から毎週金曜更新の週間セールを行っているため、ブラックフライデーだけを切り出した価格差を測りにくいショップです。2025年は11月20日から12月5日までで、開催時期自体は他社と大きくは変わりませんでしたフロンティア公式
マウスコンピューター(G-Tune)
2025年は11月19日から12月10日までと最も長期間の開催。確認できた値引き率は7%から16%程度で、上位モデルほど絶対額が大きくなる構成でしたG-Tune公式
ツクモ(G-GEAR)
2025年は11月21日から12月2日まで。大幅な本体値引きよりも、全モデル共通のポイント1%還元が基本という、他社とは異なる構成でしたツクモ公式

初売り・福袋のゲーミングPCで注意すべきこと

1月の初売りと福袋は、ブラックフライデーとは性質がまったく違います。実際に2026年の初売りで販売された商品を例に、注意点を整理します。

パソコン工房は2026年の初売りで「初夢福袋」として、インテル版18万9,980円・AMD版23万9,980円のゲーミングPC向けパーツ詰め合わせを販売しました。インテル版はCore Ultra 7 265KF、GeForce RTX 5070、メモリ32GB、SSD 1TBという構成で、パーツを個別にそろえるより割安になる設計だったとみられますが、重要なのはこれが完成品ではなく「組立キット」だったという点です。組立サービスの半額クーポンが付属していたことからも、購入者が自分で組み立てるか、別途組み立てを依頼する前提の商品でした。販売数は全店合計150セット限定で、WEB抽選または店頭での販売です。

ASCII.jpの紹介記事

こうした実例から分かる注意点を整理すると、次のようになります。

完成品とは限りません
「ゲーミングPC福袋」と名乗っていても、パーツを自分で組み立てる「組立キット」形式のことがあります。自作の経験や時間がない場合は、完成品かどうかを事前に必ず確認してください。自作とBTOの違いは別記事で整理しています
数量限定・抽選制が基本です
全店合計で100〜150セット程度しか用意されないことが珍しくなく、欲しいタイミングで必ず買えるとは限りません
型落ちパーツが中心になるとは限りませんが、油断はできません
2026年のパソコン工房の組立キットはRTX 5070や9800X3Dなど現行世代を採用していました。一方でパーツ単品を詰め合わせた廉価な福袋は、在庫処分目的で旧世代の部材が中心になりやすい傾向があります。中身は福袋ごとに大きく違うため、スペック表を必ず確認してください
返品はほぼできません
BTOパソコンは受注生産のため、通常の注文でも自己都合の返品には対応していないショップがほとんどです。福袋・初売り特価品はそれよりさらに条件が厳しく、初期不良以外の返品・交換を受け付けないのが一般的です。各社の返品条件は別記事で比較しています

福袋そのものを否定するわけではありませんが、通常のBTO購入とは別物の商品として扱うのが安全です。スペックと組み立ての要否、抽選方法を確認したうえで、納得できる場合だけ申し込むことをおすすめします。各社の返品ポリシーはBTO9社の返品ポリシー比較に、保証の内容はBTOパソコンが故障したときの修理ガイドにまとめています。組み立てを自分で行う選択肢を検討している場合は、自作PCとBTOパソコンはどちらがいいかも参考にしてください。

待つべきか、今買うべきか

2026年の年末商戦は、例年とは違う前提で迎えることになります。グラフィックボードとメモリの値上がりが続いているためです。

当サイトの定点観測では、GDDR7メモリの供給逼迫によってRTX 5070 Tiが2026年9月だけで7万円値上がりした実例を確認しています。詳しくはゲーミングPCはいくら値上がりしたのかにまとめました。メモリとSSDについても、Samsungが2028年まで、SK hynixが2027年を「業界史上最悪の供給不足の年」とする見通しを示しており、短期間での大幅な値下がりは期待しにくい状況です。詳しくはメモリ不足は2028年まで続くのかで扱っています。

こうした値上がり局面では、ブラックフライデーのセール価格が、数か月前の通常価格ほど安くならない可能性があります。「待てば待つほど安くなる」とは限らない年だという点は、例年のブラックフライデー攻略とは違う2026年ならではの注意点です。

値下がり待ち・新製品待ちなど、待つ理由ごとに合理性を検証した記事はゲーミングPCは今買うべきか待つべきかにまとめています。そちらの結論でも、期限がはっきり立つ「待ち方」はセール待ちだけで、それ以外の値下がり待ちは期限が読めないとしています。ブラックフライデー・年末年始という期限がはっきりした機会だからこそ、待つ価値があるとも言えます。今すぐ欲しい理由がない場合は、この期間まで待つのは引き続き合理的な判断です。

よくある質問

Q.2026年のゲーミングPCのブラックフライデーはいつですか?

A.2026年11月27日(金)です。アメリカの感謝祭(11月26日)の翌日にあたります。国内BTO各社は例年、本番の前後2〜3週間にわたってセールを展開します。2025年の実績では、ドスパラが11月7日から先行キャンペーンを開始し、パソコン工房は12月2日まで、マウスコンピューターは12月10日までと、会社によって開催期間に差がありました。

Q.ブラックフライデーのゲーミングPCは本当に安いですか?

A.モデルによります。2025年の実績では、同じショップの中でも値引き率が2%から18%までばらついていました。「最大10万円オフ」のような見出しは、たいてい最上位モデル1機種に適用される最大値で、中堅モデルの値引きはそれよりかなり小さいのが実態です。狙っているモデルの価格帯で、実際の割引率を個別に確認することをおすすめします。

Q.初売りの福袋は買っても大丈夫ですか?

A.内容次第です。2026年の実例では、現行世代のパーツを使った組立キット(完成品ではなく自分で組み立てる形式)もあれば、在庫処分目的で旧世代パーツを中心にした廉価な福袋もありました。いずれも数量限定の抽選制で、初期不良以外は返品・交換を受け付けないのが一般的です。スペックと組み立ての要否を確認してから判断してください。

Q.ブラックフライデーまで待つべきですか、今買うべきですか?

A.急いで必要な理由がなければ、待つのは引き続き合理的です。ただし2026年はグラフィックボードとメモリの値上がりが続いているため、ブラックフライデーのセール価格が、数か月前の通常価格ほど安くならない可能性があります。値下がりを待つ判断自体の合理性は、関連記事で待機理由ごとに検証しています。

Q.サイバーマンデーはゲーミングPCにも関係ありますか?

A.日本ではほとんど関係ありません。Amazonの「サイバーマンデー」は2021年以降国内で基本的に開催されておらず、2025年もブラックフライデー期間に統合される形でした。国内BTO各社も、独立した「サイバーマンデー」企画は特に持っていません。

Q.どのショップのブラックフライデーがいちばんお得ですか?

A.一概には言えません。2025年の実績では、パソコン工房とマウスコンピューター(G-Tune)は本体価格そのものの値引き率が比較的大きく、ドスパラはポイント還元の比重が大きく、ツクモは全モデル共通の1%ポイント還元が基本という、会社ごとに性質が違う結果でした。欲しいGPU帯を複数社で横並びにして比較するのが確実です。

まとめ・次に読みたい記事

ブラックフライデーは1年で最も規模の大きいセールですが、「最大◯万円オフ」という見出しをそのまま信じるのは危険です。2025年の実績では、同じショップの中でも値引き率が2%から18%まで開いており、見出しの最大値の多くは最上位モデル1機種だけの話でした。狙っているモデルの価格帯で、実際の割引率を確認する習慣をつけてください。

年末年始は、ブラックフライデー・年末商戦・初売りと3回の山が続きます。初売りの福袋は数量限定・抽選制で、完成品ではなく組立キットのこともあり、通常のBTO購入とは別物として扱うのが安全です。

そして2026年は、GPU・メモリの値上がり局面と重なっているという事情も無視できません。待てば待つほど安くなるとは限らない年だからこそ、セール情報が出た段階で「本当に安いか」を自分の目で確かめる姿勢が、例年以上に大事になります。この記事は骨組み先行で公開しており、2026年11月のセール内容が判明し次第、具体的な価格情報を追記していきます。