Overwatch(旧Overwatch 2)は、他の競技FPS以上に「どこまでfpsを伸ばせるか」で選び方が変わるタイトルです。エンジンのfps上限が600fpsと極めて高く、しかもGPUよりCPU・メモリの出来がものを言うため、ハイエンドGPUを積んでも報われにくい場面があります。この記事は、名称変更の経緯からGPU別の実測fps、予算別の構成、低遅延設定まで、これ一本で選べるようにまとめました。

先に結論(編集部のおすすめ)

Overwatchも、目標fps(=モニターのHz)から逆算するのが正解です。とはいえGPU要求が低いタイトルなので、240fps=Core i7/Ryzen 7クラス+RTX 5060 Ti 16GB+240Hzモニターが、コスパと満足度のバランスが良い本命ラインです。

目標fps(モニター)CPUGPU電源
144fps(144Hz・入門)Core i5-14400 / Ryzen 5 7500FRTX 5060550W
240fps(240Hz・本命)Core i7-14700 / Ryzen 7 9700XRTX 5060 Ti 16GB650W
360fps(360Hz・上位)Ryzen 7 7800X3DRX 9060 XT 16GB650W
600fps(上限・競技)Ryzen 7 9800X3DRTX 5070 Ti750W

Overwatchは競技FPSの中でもとくにGPU要求が軽いのが特徴です。予算はGPUよりCPU・メモリ・モニターに配分するのが正解です。

「Overwatch 2」は「Overwatch」に名称変更(2026年)

まず知っておきたいのが名称の変化です。Blizzardは2026年2月、シーズン20の終了に合わせて「Overwatch 2」の名称を「Overwatch」へ変更(ナンバリングの「2」を廃止)しました。ゲームディレクターのAaron Kellerは、今後「Overwatch 3」が出るのかという疑問を生まないよう、ナンバリングをやめて継続的に進化するプラットフォームとして運用する狙いを説明しています。あわせて、シリーズ10周年を記念した年間ストーリー「Reign of Talon(レイン・オブ・タロン)」が始動し、2026年中に新ヒーロー10体の追加が予定されています。

つまり「Overwatch 2」「Overwatch」は同じゲームです。この記事でも便宜上「Overwatch」で統一しますが、検索や配信では今も「Overwatch 2」表記が広く使われています。

エンジン上限は600fps、しかもCPU・メモリ依存

Overwatchの性能面での最大の特徴は2つあります。

ひとつはフレームレート上限が600fpsであること。もともとのOverwatch(無印)は400fpsが上限でしたが、RTX 40シリーズ登場のタイミングでBlizzardが上限を引き上げ、現在は600fpsまで出せます。Apex Legendsの約300fps、VALORANTの実質上限(GPU依存)と比べても、Overwatchは突出して高いfpsを受け止められるゲームです。

もうひとつがCPU・メモリへの依存度の高さです。コミュニティやベンチマークサイトでは「OverwatchはCPU・メモリにかなり敏感」というのが共通認識で、GPUをRTX 30/40世代のミドル〜ハイエンドにしても、高fps域ではCPU側で頭打ちになりやすいことが報告されています。逆に言えば、GPUは中堅クラスでも十分に高fpsが出せるため、予算配分の考え方が他の重量級タイトルとは逆になります。

公式スペックは低い、勝負は「高fps」のほう

Overwatchの推奨スペックは非常に低く設定されています(推奨でCore i7クラス/GTX 1060・R9 380クラス/メモリ8GB)。エントリークラスのGPUでも動作自体には困りません。

本当に考えるべきは、ランク戦や大会で効いてくる240〜600fpsの安定です。ここから先は、実測データをもとに必要なスペックを見ていきます。

グラボ別の実測fps(フルHD・最高設定)

フルHD・最高設定でのグラボ別の平均fpsです。複数のベンチマークサイトの実測値をもとにした目安で、テスト環境・シーンによって数値には幅があります。

Overwatch フルHD・最高設定の平均fps

複数ベンチマークソースの実測値をもとにした目安。競技設定(低画質)ではさらに伸び、ミドルクラスでも360fps超えが狙える。上位2機種はエンジン上限(600fps)に張り付くための頭打ち値

RTX 5090598fps
RTX 4090560fps
RTX 5080450fps
RX 9070 XT400fps
RTX 5070300fps
RTX 5060 Ti 16GB270fps
RX 9060 XT 16GB250fps
RTX 5060220fps

注目はRTX 5060クラスでもすでに220fps前後が出ていること。他の競技FPSなら「ワンランク上」を検討するラインですが、Overwatchでは十分実用的な数値です。最上位帯(RTX 4090・5090)になるとエンジン上限の600fpsに張り付いて頭打ちになり始めます。Apex Legendsの300fps上限ほど極端ではありませんが、フラッグシップGPUほど「上限に到達するだけ」になりやすいのはOverwatchも同じ構造です。

これは最高設定での値です。競技勢が使う低画質設定ならさらに伸び、ミドルクラスのRTX 5060 Ti 16GBやRX 9060 XT 16GBでも360fps超えが現実的になります。

144〜240fps
RTX 5060クラスで十分。最高設定のままでも余裕があります。
360fps
RTX 5060 Ti 16GB / RX 9060 XT 16GB以上が目安。競技設定ならもう一段下のGPUでも狙えます。
500〜600fps(上限)
RTX 5070 Ti以上+上位CPUが必要。エンジン上限への到達はGPUよりCPU側がボトルネックになりやすいラインです。

CPUとメモリがボトルネックになりやすい

OverwatchはGPUよりも先に、CPU・メモリの遅れが上限を決めてしまうゲームです。コミュニティのハードウェア相談でも「CPU・RAMの影響が大きい」という報告が多く、とくに次の2点でつまずきやすいとされています。

XMP/EXPOを必ず有効化
メモリの動作クロックはBIOSのデフォルトのままだと大幅に低く制限されていることがあります。XMP(Intel)/EXPO(AMD)を有効にし忘れると、数十〜100fps近く損をするという報告もあるため、組み立て後に必ず確認しましょう。
デュアルチャンネルで挿す
メモリを1枚(シングルチャンネル)で使うと帯域が半分になり、fpsが大きく落ちます。必ず2枚以上でデュアルチャンネル構成にしましょう。
速度の目安はDDR5-6000・CL30
CPU依存ゲーム全般に言えることですが、メモリの速さ・レイテンシもfpsに効きます。とくにRyzenはDDR5-6000がInfinity Fabricと同期する基準点で、価格と性能のバランスが良い選択です。

高fps(500〜600fps)を本気で狙うなら、CPUはRyzen 7 7800X3D/9800X3Dなど3D V-Cache搭載モデルが有利です。大容量キャッシュがメモリアクセス待ちを減らし、高fps域での安定性(フレームタイムの均一さ)に効きます。240〜360fps程度までは、Core i7/Ryzen 7クラスの通常モデルでも十分です。

予算別の構成例(パーツ実例)

目的別の具体的なパーツ構成です。1つを選ぶ前提でまとめました。価格はBTO完成品の目安で、メモリ高騰により変動するため、最新は各メーカーで確認してください。

240fps(本命)/約20〜24万円
Core i5-14400〜i7-14700(または Ryzen 5 7600〜7 9700X)+ RTX 5060 / RTX 5060 Ti 16GB + 16〜32GB DDR5 + 550〜650W電源。240Hz帯を余裕を持って狙える、いちばんおすすめの構成。
360fps(上位)/約25〜29万円
Ryzen 7 7800X3D(またはCore i7-14700)+ RTX 5060 Ti 16GB / RX 9060 XT 16GB + 32GB DDR5-6000 + 650W電源。X3D系CPUで高fps域の安定を底上げした構成。
600fps上限・競技/約35〜45万円
Ryzen 7 9800X3D + RTX 5070 Ti 以上 + 32GB DDR5-6000 CL30 + 750W電源。CPU・GPUともに上位で、上限600fps張り付きを狙う最上位構成。

ストレージはいずれも1TB SSD(NVMe)が目安です。BTOで買うなら、Overwatchはミドルクラスでも十分戦えるので、各社のコスパ帯が狙い目です。

モニターは600fpsまで見据えて選ぶ

Overwatchは競技FPSの中でも数少ない「600fpsまで受け止められる」タイトルです。とはいえ、モニター側のHzが足りなければ意味がありません。

144〜240Hz(入門〜主流)
まずはここから。240Hzなら価格もこなれており、コスパの良い本命ラインです。
360Hz(上位)
RTX 5060 Ti 16GB級のGPU+X3D系CPUがあれば、競技設定で十分に活かせるレンジです。
500Hz以上(最上位)
PC側が500〜600fpsを安定して出せることが前提。トップ帯のGPU・CPUと合わせて検討しましょう。

くわしくはゲーミングモニターの選び方も参考にしてください。

アップスケーリングと低遅延機能(DLSS・FSR・Reflex)

Overwatchは主要な高画質・低遅延技術に幅広く対応しています。

NVIDIA Reflex
ローンチ時から対応。システム遅延を削減し、撃ち合いの反応速度に直結します。設定でオン(できればブースト)にしましょう。
AMD FSR(FSR4対応)
FSR 1.0・2.2に加え、RDNA4世代のRadeon向けにFSR4のサポートも追加されています。Radeon勢でも高画質を保ちながらfpsを稼げます。
NVIDIA DLSS
RTXシリーズ向けにアップスケーリングが実装されています。低〜中スペックGPUでfpsを底上げしたい場合に活用できます。

とはいえ、Overwatchはもともと軽量なタイトル。競技志向ならアップスケーリングに頼らず、ネイティブ解像度+低設定で高fpsを出すのが基本です。アップスケーリングは、4K・高画質でじっくり遊びたい場合や、非力なGPUでfpsを底上げしたい場合の選択肢と考えましょう。

入力遅延を詰める(Reduce Bufferingが鍵)

Overwatchには、他の競技FPSにはあまりない独自の低遅延設定「Reduce Buffering(バッファリングの低減)」があります。

Reduce Bufferingを「オン」に
GPUに送り込む先行レンダリングフレーム数を減らし、入力から表示までの遅延を短縮する設定です。わずかにフレーム配信の滑らかさを犠牲にする代わり、競技では低遅延のメリットが上回ります。
NVIDIA Reflexと併用する
Reflexが有効な環境ではReflex側が優先されますが、非対応GPU(Radeon等)やReflex未対応の場面ではReduce Bufferingが低遅延化の代わりになります。
V-Syncはオフ、フルスクリーンで起動
V-Syncは入力遅延の原因になるため競技ではオフが基本。ウィンドウモードよりフルスクリーンのほうが遅延が小さくなります。

なお、不具合でfpsカウンター横に点が3つ表示される場合は、Reduce Bufferingをいったんオフ→オンにすると直ることがあります。

fpsと視認性を底上げする設定

Overwatchは設定次第でfpsと敵の視認性を両方底上げできます。とくにプレイヤーアウトライン(敵の輪郭線)は、他の競技FPSにあまりない独自機能です。

モデル詳細・エフェクト詳細 → 低
茂み等での視界の妨げを減らしつつfpsを底上げします。エフェクトを下げても、被弾の視認性は保たれます。
プレイヤーアウトラインの強度 → 最大(100%)
敵の輪郭線を強調表示する機能。乱戦でも敵の輪郭がくっきり見え、視認性が大きく向上します。
味方のアウトライン表示 → 常に表示
乱戦時に味方と敵を瞬時に区別できるようにする設定。誤認を防ぎます。
レンダースケール
上位GPUなら100%のまま高画質を維持できますが、ミドル〜エントリークラスは75〜85%まで下げるとfpsを稼ぎやすくなります。

よくある失敗

GPUだけ強化してメモリのXMPを有効にし忘れる
ハイエンドGPUを積んでもメモリがJEDEC標準クロックのままでは本来の性能が出ません。組み立て後は必ずBIOSでXMP/EXPOを確認しましょう。
600fps狙いで高すぎるGPUを買う
600fps張り付きにはCPUの上限も関わります。GPUだけをRTX 5090にしても、CPUが追いつかなければ頭打ちになります。
高fpsPCに240Hz未満のモニター
600fps出せるPCでも、モニターが144Hzでは144fpsぶんしか意味を持ちません。PCとモニターのHzはセットで考えましょう。
メモリをシングルチャンネルで挿す
1枚挿しはデュアルチャンネルに対応する2枚挿しよりfpsが大きく落ちます。必ず2枚以上で構成しましょう。

よくある質問

Q.Overwatch 2とOverwatchは別のゲームですか?

A.同じゲームです。Blizzardは2026年2月、シーズン20の終了にあわせて名称を「Overwatch 2」から「Overwatch」へ変更しました(ナンバリングの「2」を廃止)。今後もタイトルを変えずに継続的にアップデートしていく方針です。

Q.Overwatchは何fpsまで出ますか?

A.エンジンの上限は600fpsです。もとのOverwatch(無印)は400fps上限でしたが、RTX 40シリーズ登場の時期に引き上げられました。競技FPSの中でも高い上限を持つタイトルです。

Q.GPUとCPU、どちらを優先すべき?

A.OverwatchはGPU要求が軽く、CPU・メモリへの依存度が高いゲームです。RTX 5060クラスでも240fps前後は狙えるため、予算はCPU(できれば上位)とメモリ、モニターに回すのが効率的です。

Q.RTX 5060で240fpsは出ますか?

A.はい。フルHD・最高設定でも1080p・220fps前後の実測が報告されており、競技設定(低画質)ならさらに余裕を持って240fpsを超えます。

Q.DLSSやFSRには対応していますか?

A.対応しています。NVIDIA DLSS、AMD FSR(1.0・2.2、RDNA4世代向けのFSR4も追加)、NVIDIA Reflexに対応しています。ただし競技志向ならアップスケーリングに頼らず、ネイティブ解像度・低設定で高fpsを出すのが基本です。

Q.Reduce Bufferingとは何ですか?

A.GPUへの先行レンダリングフレーム数を減らし、入力遅延を短縮するOverwatch独自の設定です。競技では基本的に「オン」が推奨されます。NVIDIA Reflexと役割が近いですが、Reflex非対応の環境でも使えます。

Q.メモリはどれくらい積めばいいですか?

A.16GBが最低ラインです。OverwatchはCPU・メモリに敏感なゲームなので、32GB・DDR5-6000程度を用意し、XMP/EXPOを必ず有効にしてデュアルチャンネルで運用すると本来の性能を引き出せます。

まとめ・次に読みたい記事

Overwatch(旧Overwatch 2)は、エンジン上限600fpsという高い天井と、GPUよりCPU・メモリが効くという2点が選び方の核心です。本命は240fps(Core i7/Ryzen 7+RTX 5060 Ti 16GB+240Hz)。GPUに予算を盛るより、CPU・メモリの質とXMP/EXPOの有効化を優先するのがOverwatch流です。