光回線を契約しているのに、Steamのダウンロードが思ったほど速くない。途中で0bpsになって止まったように見える。ダウンロード地域を変える、キャッシュを消すといった対処法を試しても、変わったのかどうかよく分からない。100GBを超えるゲームが当たり前になったいま、こうした悩みを抱えている方は多いと思います。
先に結論を書くと、Steamのダウンロードで詰まる場所は回線だけではありません。Steamは受け取ったデータを解凍し、ディスクへ書き込むところまでを並行してこなしているので、CPUやストレージが追いつかなければ、回線に余裕があっても受信は止まります。どこで詰まっているかは、Steamのダウンロード画面にある「ネットワーク」と「ディスク使用量」のグラフである程度見分けられます。
この記事では、Valveの開発者向けドキュメントとSteamサポートの記載、Steamのコンテンツサーバー一覧API、当サイトの作業PCに残っていたSteamのログを突き合わせて、詰まる場所ごとの見分け方と直し方をまとめました。よく紹介される設定の中には速度にほとんど関係しないものもあるので、効くものと効かないものも分けて書いています。『Call of Duty: Modern Warfare 4』のPC版プリロードが日本時間10月16日午前1時に始まるので、その前に確認しておくと安心です。
まず単位をそろえる
最初に確認したいのは、本当に遅いのかどうかです。Steamのダウンロード速度は1秒あたりのバイト数(MB/s)で表示されますが、回線の速度は1秒あたりのビット数(Mbps)で表されます。1バイトは8ビットなので、Steamに表示される数字は回線速度のおよそ8分の1になるのが正常です。
Steamのサポートページでも、Steamのダウンロード速度に8を掛けて回線速度と比べるよう案内されています。同じページには、50メガビット/秒の回線ならSteamでの最高速度は6.25MB/秒という換算例が載っています。この計算でいくと、1Gbpsの回線の上限は125MB/s、10Gbpsの回線でも1,250MB/sです。実際には通信の制御に使われる分があるので、これより少し下がります。
換算が面倒なら、「Steam」→「設定」→「ダウンロード」にある「ダウンロード速度をビット/秒の単位で表示」をオンにすると、回線と同じ単位で表示されます。表示が変わるだけで速度は変わりませんが、速度テストの結果と直接比べられるようになります。
115GBを受信し終えるまでの時間(単純計算)
必要空き容量115GBをそのまま受信すると仮定した計算。実効速度は回線契約の数字ではなく、実際に出ている速度。Steamの配信データは圧縮されているため、実際の受信量はこれより少なくなることがある
1Gbpsの回線なら15分ほどで終わる計算ですが、実際にはそこまで速く終わらないことが多いと思います。その差がどこで生まれているのかを見ていきます。
Steamはダウンロード中に何をしているか
Steamのゲーム配信は、SteamPipeという仕組みで行われています。Valveの開発者向けドキュメントによると、ゲームのファイルは約1MBのチャンク(かたまり)に分割され、それぞれ圧縮・暗号化された状態で配信サーバーに置かれます。そして各プレイヤーのPCにダウンロードされた時点で復号・展開され、必要な場所に配置されると説明されています。
つまり、Steamのダウンロードは次の3つの工程が同時に流れている作業です。
- 1. 受信(回線)
- 配信サーバーからチャンクを受け取る工程です。回線の速度、Wi-Fiの状態、配信サーバー側の混雑がここに効きます。
- 2. 復号・展開(CPU)
- 受け取ったチャンクの暗号を解き、圧縮を戻す工程です。CPUが計算する部分なので、ほかの重い処理と重なると遅くなります。
- 3. 書き込み(ストレージ)
- 展開したデータをSSDやHDDに書き込む工程です。圧縮を戻した後のデータを書くので、書き込む量は受信した量より多くなります。
この3つのうち、いちばん遅い工程が全体の速度を決めます。回線が1Gbps出ていても、ストレージが毎秒80MBしか書き込めなければ、Steamは受信を止めて書き込みが終わるのを待つしかありません。
また、ダウンロード中でも、ネットワークを使わない時間帯は普通にあります。Steamの進捗表示には「容量確保中」「解凍中」「パッチ適用中」「確認中」「最終処理中」といった状態があり、これらの間は受信が0になっていても異常ではありません。アップデートでは特に「パッチ適用中」が長くなりやすく、Valveのドキュメントでも、大きなパックファイルを更新する場合は新しいファイルを丸ごと作り直すため、使っているストレージによっては非常に時間がかかると書かれています。
「容量確保中」のまま何十分も動かない場合は、この記事ではなくSteamの「容量を確保しています」で進まない原因と直し方を見てください。空き容量は足りているのにアップデートできない場合はSteamで空き容量は足りているのにアップデートできない原因で扱っています。
ダウンロード画面のグラフで詰まっている場所を見分ける
Steamの画面下部にある「ダウンロード」を開くと、上部にグラフが表示されます。凡例は「ネットワーク」と「ディスク使用量」の2つで、グラフの横には「現在」「最大」「合計」「ディスク使用量」の数字が並んでいます。数分ほど眺めて、次のどれに近いかを確認してください。
- ネットワークが平らに張り付く
- 受信速度がほぼ一定で、ディスク使用量もそれに合わせて動いている状態です。この場合はCPUとストレージには余裕があり、回線か配信サーバー側が上限になっています。数字を8倍して速度テストの結果と比べ、近ければ回線の実力どおりです。
- ネットワークが途切れ途切れ
- 受信が勢いよく上がっては0近くまで落ちる、を繰り返す状態です。落ちている間にディスク使用量が高く出ているなら、展開か書き込みが追いつかず、Steamが受信を止めて待っています。回線を変えても速くなりません。
- 両方とも0(0bps)のまま
- 受信も書き込みも止まっている状態です。進捗表示が「容量確保中」や「パッチ適用中」でなければ、配信サーバーとの接続か、Steamの設定(後述の速度制限やゲームプレイ中の一時停止)を疑います。Steam全体の障害も考えられるので、ブラウザでSteamのストアやコミュニティのページが開けるかも確かめてください。Steamのサポートページでも、Steamのサイトにアクセスしてタイムアウトする場合はシステム全体の問題の可能性が高く、解決するまで待つしかないと案内されています。
途切れ途切れのパターンだった場合、原因がCPUとストレージのどちらにあるかは、Windowsのタスクマネージャーで切り分けます。Ctrl+Shift+Escで開き、「パフォーマンス」タブを表示してください。
- ディスクを見る
- ゲームのインストール先のドライブを選び、「アクティブな時間」が100%近くに張り付いていれば、書き込みが詰まっています。書き込み速度の数字が数十MB/s程度まで落ちていないかも見ておきます。
- CPUを見る
- CPUのグラフを右クリックし、「グラフの変更」から「論理プロセッサ」を選ぶと、コアごとの使用率が見られます。全体の使用率が低くても、一部のコアだけが100%に張り付いていれば、展開処理が詰まっている可能性があります。
- ネットワークを見る
- イーサネットかWi-Fiの受信速度を見ます。Steamの「現在」の数字を8倍した値とほぼ同じなら、Steam以外の通信が帯域を取り合っていないことも確認できます。
回線が原因のとき
ネットワークのグラフが平らに張り付いているのに、8倍しても契約速度よりかなり低い場合は、回線側に原因があります。まず確認したいのは接続方法です。Steamのサポートページでも、Wi-Fiや電力線通信は干渉で不安定になることがあるので、可能なら有線接続で試すよう案内されています。有線にできない場合は、Wi-Fiの接続先が2.4GHz帯になっていないかを確認し、ルーターとPCの両方が対応していれば5GHz帯や6GHz帯につなぎ直してください。2.4GHz帯は電子レンジや近所のWi-Fiと干渉しやすく、速度も出にくい帯域です。有線にしたのに接続が切れるという場合は、有線LANが頻繁に切れる原因も確認してください。
夜だけ遅いならPPPoEの混雑を疑う
昼間は速いのに夜になると極端に遅くなる場合、日本の光回線では接続方式が原因になっていることがよくあります。従来のPPPoE方式は、NTTの回線網とプロバイダーの間にある網終端装置を経由します。NTT東日本の解説によると、利用者が集中する時間帯にはここで輻輳(アクセス集中による遅延)が起きやすく、IPoE方式では網終端装置を通らずにインターネットへ接続します。
Steamのサポートページにも、特定の時間帯(たとえば夕方5時から11時)にだけ問題が起きる場合は、プロバイダーが接続をブロックしたり、帯域を絞ったり(調整)している可能性がある、という注意書きがあります。夜に遅くなったら、同じ時間帯に速度テストもしてみてください。速度テストも遅ければ回線側、速度テストは速いのにSteamだけ遅いなら、Steamの配信サーバー側かPC側が原因です。
IPoEにすればSteamのダウンロードにも効くのか
ここが気になるところだと思うので、実際に確かめました。IPoEで混雑を避けられるのはIPv6の通信が基本なので、Steamの配信サーバーがIPv6に対応していなければ効果は限られます。
2026年10月7日に、Steamのコンテンツサーバー一覧を返すAPI(IContentServerDirectoryService)を東京の地域コードで呼び出したところ、東京にあるSteamのキャッシュサーバー10台と、Steamが併用している、ホスト名からAkamai、Google、Fastly、Alibabaと読み取れるCDNが返ってきました。これらのホスト名をDNSで調べると、東京のキャッシュサーバー、CDNとも、すべてIPv6アドレスを持っていました。Steamクライアント側も、2019年2月のアップデートでダウンロードサーバーへの接続にIPv6を使えるようになっています。
さらに、当サイトの作業PC(IPv6が使える国内の光回線)でSteamのログを確認したところ、2026年7月から9月の間に記録された東京のキャッシュサーバーへの接続は、すべてIPv6アドレス宛てでした。ただし同じPCでも、2025年10月には東京のキャッシュサーバーにIPv4で接続した記録が残っており、毎回IPv6になるとは限りません。
- IPv4 over IPv6がある契約
- v6プラスやtransix、クロスパスなどのIPv4 over IPv6が使える契約なら、Steamの通信がIPv6でもIPv4でも網終端装置を通りません。どちらで接続されても、網終端装置での混雑は避けられます(VNE側の設備が混む例もゼロではありません)。
- IPv6 IPoEだけの契約
- IPv6はIPoE、IPv4は従来どおりPPPoEという契約もあります。この場合、SteamがIPv6で接続していればIPoEの恩恵を受けられますが、IPv4で接続された通信はPPPoEの混雑に巻き込まれます。どちらが使われるかは環境によって変わる可能性があり、当サイトでは1台のPCでしか確認できていません。
- PPPoEだけの契約
- 夜だけ遅い症状に心当たりがあるなら、プロバイダーがIPoEに対応しているかを確認する価値があります。対応ルーターへの交換が必要な場合もありますが、追加料金がかからないプロバイダーも多くあります。
自分のPCでSteamがIPv6を使っているかどうかは、Steamのインストール先にある「logs」フォルダの「content_log.txt」で確認できます。ダウンロード後にこのファイルをメモ帳で開き、「steamcontent.com」を検索してみてください。接続先が「[2404:…]」のようにコロンで区切られたアドレスならIPv6、「45.121.…」のような数字とピリオドの並びならIPv4です。同じ行の近くに、サーバーごとの転送速度(Mbps)も記録されています。
IPoEとPPPoEの違いや、宅内のWi-Fi環境の見直しはゲームのpingを下げる方法で詳しく扱っています。ルーターの買い替えを検討している場合はゲーミングルーターの選び方も参考にしてください。
発売日とプリロード開始直後はSteam側も混む
回線に問題がなくても、Steam側が混雑して遅くなることはあります。IIJ(インターネットイニシアティブ)の研究所が2024年に発表した論文によると、2023年9月の『Counter-Strike 2』配信開始時には、Steamがアジア地域に流したトラフィックが平均のほぼ6倍に達しました。同じ論文では、東京に置いた検証用の仮想マシンで『CS:GO』を続けてダウンロードしたところ、東京のキャッシュサーバーの負荷が上がった30分後の2回目は、香港のキャッシュサーバーとAkamaiのCDNから受信していたことが、Steamクライアントのログつきで示されています。
Steamは混雑すると自動で別のサーバーへ振り分けるので、つながらなくなるわけではありません。ただ、距離が遠いサーバーや外部のCDNに回されると、普段より速度が落ちることはあり得ます。大型タイトルの配信開始直後やプリロード開始直後に遅いのは、ある程度は仕方がないと考えてください。
展開処理(CPU)が原因のとき
ダウンロード中にCPU使用率が上がるのは、復号と解凍をしているので正常な動きです。問題になるのは、ほかの処理とCPUを取り合っているときです。
- ゲームを遊びながら
- Steamの設定にある「ゲームプレイ中にダウンロードを許可」をオンにしている場合、ゲームとダウンロードがCPUとディスクを取り合います。Steam自身も、この設定の説明でゲームのパフォーマンスに大きな影響が出る場合があると注意しています。急ぐならダウンロード中はゲームを閉じます。
- 重い作業と同時
- 動画のエンコード、配信、ほかのランチャーでのダウンロードなどは、展開処理とCPUやディスクを取り合います。
- セキュリティソフト
- 展開されたファイルが書き込まれるたびにリアルタイム保護の検査が入るため、CPUとディスクの両方に負荷がかかります。ゲームフォルダを丸ごと検査から外す方法はおすすめしません。理由と代わりの手順はゲーミングPCにセキュリティソフトは必要かにまとめています。
- ノートPCの省電力
- バッテリー駆動や省電力モードではCPUの動作クロックが抑えられ、展開処理が遅くなることがあります。大型タイトルのダウンロードは電源につないだ状態で行います。
なお、Steamクライアントのベータ版フォーラムには、IntelのPコアとEコアを持つCPUでダウンロードの展開処理がEコアに寄ってしまい、高速回線で速度が頭打ちになるというユーザーからの報告(2025年5月)があります。ただし、Valveからの回答はなく、当サイトでも再現を確認できていません。CPUの割り当てを手動で変える対処は副作用もあるので、ここではおすすめしません。
書き込み(ストレージ)が原因のとき
ネットワークが途切れ途切れで、タスクマネージャーのディスクのアクティブな時間が100%に張り付いているなら、書き込みが原因です。ここで効いてくるのが、回線速度とストレージの書き込み速度の関係です。
回線の上限とストレージの書き込み速度
回線はMbpsを8で割った理論上の上限。SATA SSDは規格上の実効値の目安。QLC SSDのキャッシュ切れ後の速度は製品差が大きく、数十MB/sまで落ちるものもある。ここでは80MB/sを一例として示した。展開後のデータは受信量より多くなるため、実際に必要な書き込み速度は回線の数字より大きい
1Gbpsの回線でも、QLC方式のSSDがキャッシュを使い切った後の書き込み速度を上回ることがあります。10Gbpsの回線になると、SATA接続のSSDでは規格上の上限からして追いつきません。回線を速くしたのにSteamのダウンロードが変わらない場合、ボトルネックが回線からストレージに移っている可能性があります。
- HDD
- 最近の大型タイトルは、そもそもHDDを想定していません。たとえば『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』は150GB、『Gears of War: E-Day』と『Call of Duty: Modern Warfare 4』は115GBで、いずれもSteamストアの動作環境でSSDが条件になっています。HDDにインストールしているなら、ダウンロードの速さ以前にSSDへの移行を考えたほうがよいです。
- QLC SSD
- QLC方式のSSDは、空いている領域の一部を高速な書き込み用キャッシュとして使っています。大型タイトルの書き込みでキャッシュを使い切ると、本来の遅い速度まで落ちます。空き容量が少ないほどキャッシュも小さくなる製品が多いので、ドライブが満杯に近いと早めに失速します。
- DRAMレスSSD
- DRAMキャッシュを持たないSATA SSDは、大量の書き込みが続く場面で速度が落ちやすい傾向があります。NVMe接続のDRAMレス製品は、PCのメモリの一部を借りる仕組み(HMB)で弱点を補っているものが多く、ゲームのインストール程度で問題になることは比較的少なめです。
- 外付けドライブ
- USB接続の外付けHDDやSSDは、接続規格やドライブの方式によって書き込みが大きく落ち込むことがあります。外付けのSMR方式HDDやQLC方式SSDの詳しい挙動は、前述の「容量を確保しています」で進まない場合の記事で説明しています。
使っているSSDの方式が分からない場合は、型番をメーカーの仕様ページで確認するのが確実です。TLCとQLCの違いや、ゲーム用に選ぶときの基準はストレージ(SSD)の選び方にまとめています。ダウンロードに限らず、SSDの使用率が100%に張り付いてPCごと固まる場合は、ドライブ自体の不調も考えられるのでSSDの使用率が100%でPCが固まる原因で切り分けてください。空き容量そのものが足りない場合はSSDが足りなくなったときの対処が役に立ちます。
Steamの設定で効くもの・効かないもの
Steamの「設定」→「ダウンロード」には、速度に関係しそうな項目がいくつか並んでいます。よく紹介される対処法と合わせて、実際の効き目を整理します。
- ダウンロード速度を制限する
- 効きます(オンになっている場合に限り)。過去に帯域を絞る設定をしたまま忘れていると、それ以上は出ません。制限がかかっていると、ダウンロード画面に「ダウンロードの制限:」と表示され、一時停止もできます。オフになっているなら、これ以上速くする余地はありません。
- ゲームプレイ中にダウンロードを許可
- 「止まる」原因としては効きます。オフの状態でゲームを起動すると、そのゲームを遊んでいる間はダウンロードが進みません。オンにすれば進みますが、ゲームと処理を取り合うので、ダウンロードもゲームも遅くなります。
- ストリーミング中はダウンロードを制限
- Steam Remote Playでほかの端末にゲームを配信しているときだけ関係する設定です。Remote Playを使っていないなら、速度には影響しません。
- ダウンロード地域
- 効く場面は限られます。Steamは住んでいる地域に合ったサーバーを自動で選ぶので、日本から使う限り、通常は変える必要はありません。Steamのサポートでも、一番近い地域を選び、遅ければほかの地域も試すという案内にとどまっています。発売直後のように国内が混んでいるときに試す価値はありますが、海外の地域に変えると距離が遠くなるので、かえって遅くなることもあります。
- ダウンロードキャッシュをクリア
- 速くするための操作ではありません。Steam自身の説明は「アプリのダウンロードや開始の際の問題が解消する場合がある」というもので、ダウンロードが始まらない、エラーで止まるといった不具合のときに試す手順です。実行するとSteamが再起動し、再ログインが必要になります。
- DNSの変更
- 速度を上げる対策としてはほぼ効きません。DNSは接続先の名前をIPアドレスに変換する仕組みで、データの転送そのものには関わらないからです。外部のCDNの中にはDNSの問い合わせ元をもとに近いサーバーを返すものがあるので、接続先が変わる可能性はありますが、速くなる方向に変わるとは限りません。
- 自動更新スケジュール
- 自動アップデートを行う時間帯を指定する設定で、手動で始めたダウンロードの速度には関係しません。夜中にアップデートを済ませたい場合に使います。
設定以外では、常駐しているソフトにも注意が必要です。Steamのサポートページでは、一部のサードパーティー製アプリや、セキュリティソフト・パケットフィルタリングを行うソフトの影響で、正しくないコンテンツサーバーに接続されることがあると説明されています。VPNについての記載はありませんが、VPNを通すと接続元が別の地域と判定され、遠いサーバーに回される可能性があると当サイトでは考えています。VPNを使っている場合は、ダウンロードの間だけ切って比べてみてください。
もう1つ、同じ家にゲームが入っているPCやSteam Deckがあるなら、Steamの「ローカルネットワークゲーム転送」が使えます。インターネットから受信せずに、LAN内のほかのPCからファイルをコピーする機能です。ただし、Steamのサポートページによるとプリロード中のゲームは転送の対象外で、送信側のPCも最新の状態である必要があります。
CoD MW4のプリロード前にやっておくこと
『Call of Duty: Modern Warfare 4』は、公式ブログでPC版のプリロード開始が10月15日午前9時(太平洋時間)と案内されています。日本時間では10月16日午前1時です。Steamストアの動作環境では、必要な空き容量はSSDで115GBとされています。
- インストール先の空き容量
- 115GBちょうどではなく、余裕を持って空けておきます。CoDはシーズンアップデートのたびに容量が増えていくシリーズで、アップデートの適用時には一時的に追加の作業領域も必要です。
- インストール先のドライブ
- SSDが条件なので、HDDや外付けHDDは避けます。QLC方式のSSDで空きが少ない場合は、ほかのゲームを整理して空き容量を増やしておくと、書き込みの失速を抑えられます。
- グラフで一度確認する
- プリロードの前に、別のゲームのアップデートなどでダウンロード画面のグラフを見ておくと、自分の環境で詰まる場所が分かります。途切れ途切れなら、回線よりCPUやディスクの対策を優先します。
- 始まった直後にこだわらない
- 同じ公式ブログでは、10月16日(金)から予約者向けのキャンペーン早期アクセスが始まると案内されています。日本では10月17日からと4Gamerが報じています。プリロード開始直後は混みやすいので、遅いと感じたら数時間ずらしても十分間に合います(115GBなら実効100Mbpsでも約2.5時間)。
推奨スペックや、BTOパソコンを選ぶときのストレージ容量の考え方はCoD MW4向けゲーミングPCガイドで扱っています。同じ時期の大型タイトルでは、エースコンバット8のPC推奨スペックが150GB、Gears of War: E-Dayの推奨スペックが115GBです。複数本を続けてダウンロードするなら、ストレージの空き容量は早めに確保しておいてください。
よくある質問
Q.1Gbpsの回線なのにSteamは100MB/s程度しか出ません。遅いのでしょうか?
A.遅くありません。Steamの表示はMB/s(バイト)で、1Gbpsを8で割った理論上の上限は125MB/sです。通信の制御に使われる分を差し引くと、100MB/s前後なら回線の実力をほぼ使い切れています。
Q.ダウンロード中に速度が0になったり戻ったりするのは故障ですか?
A.故障ではないことがほとんどです。Steamは受信したデータを解凍してディスクに書き込んでいるので、書き込みが追いつかないと受信を一時的に止めます。ダウンロード画面でネットワークが0の間にディスク使用量が出ていれば、この状態です。気になる場合は、インストール先のSSDの空き容量や方式を確認してください。
Q.ダウンロード地域は日本以外にしたほうが速いですか?
A.通常は日本のままで十分です。Steamは混雑すると自動で別のサーバーへ振り分ける仕組みを持っているので、手動で海外の地域に変えると、距離が遠くなる分かえって遅くなることもあります。発売直後など国内が混んでいるときに、近い地域を試してみる程度に考えてください。
Q.ダウンロードキャッシュをクリアすると速くなりますか?
A.速度を上げる操作ではありません。ダウンロードが始まらない、エラーで止まるといった不具合のときに試すものです。インストール済みのゲームやセーブデータは消えませんが、Steamへの再ログインが必要になります。
Q.夜だけSteamのダウンロードが遅いのはなぜですか?
A.回線がPPPoE方式の場合、利用者が集中する夜間に網終端装置が混雑している可能性があります。同じ時間帯に速度テストをして、速度テストも遅ければ回線側の問題です。IPoE(v6プラスなど)に切り替えると改善することがあります。速度テストは速いのにSteamだけ遅い場合は、Steam側の混雑かPC側の原因を疑ってください。
Q.ゲームを遊びながらダウンロードできますか?
A.Steamの「設定」→「ダウンロード」にある「ゲームプレイ中にダウンロードを許可」をオンにすればできます。ただし、ゲームとダウンロードがCPUとディスクを取り合うので、両方とも遅くなります。大型タイトルを早く終わらせたいなら、ダウンロード中はゲームを閉じておくほうが確実です。
まとめ
Steamのダウンロードが遅いとき、最初にやるべきなのは表示の数字を8倍して回線速度と比べることです。そのうえでダウンロード画面のグラフを見て、ネットワークが平らに張り付いているなら回線や配信サーバー側、途切れ途切れならCPUやストレージ側と切り分けます。この順番を守るだけで、効かない設定をあれこれ試す手間をかなり減らせます。
回線側の対策として効果が大きいのは、有線接続と、夜だけ遅い場合のIPoEへの切り替えです。東京にあるSteamのキャッシュサーバーはIPv6アドレスを持っているので、IPoEの恩恵はSteamのダウンロードにも届きます。PC側では、インストール先のSSDの空き容量と方式を見直し、ダウンロード中はゲームや重い作業を控えてください。



