ドスパラでBTOパソコンを探していると、同じグラフィックボードなのに2万円ほど安いモデルが必ず見つかります。CPU欄を見るとRyzen 5 4500。RTX 5060も、RTX 5060 Ti 16GBも、Radeon RX 9060 XTも、この安いCPUと組み合わせた構成が用意されています。DDR5メモリの高騰でエントリー帯が割高になっているいま、この2万円は魅力的に見えます。

先に結論を書くと、Ryzen 5 4500で失うものは2つあります。ひとつはグラフィックボードとの接続がPCIe 3.0に制限されること。もうひとつはCPUそのものの性能です。そして普段の遊びで効いてくるのは、意外にも後者のほうです。PCIe 3.0の損は、ビデオメモリ(VRAM)が足りていれば数%で収まります。ただし「8レーン接続」かつ「VRAM 8GB」のグラフィックボードでVRAMがあふれると、話がまったく変わります。

この記事では、ドスパラで販売中のRyzen 5 4500搭載機7構成を、一覧ページではなく製品ページで1台ずつ確認しました。マザーボードのチップセット、メモリの枚数、電源まで見たうえで、同じ筐体・同じマザーボードのRyzen 7 5700X版と価格を突き合わせています。「4500機は避けるべき」と一言で片付けず、どの構成なら損が小さく、どの構成は避けたほうがいいのかを分けて説明します。

ドスパラのRyzen 5 4500搭載機は7構成あります

2026年10月6日時点で、ドスパラのTHIRDWAVEブランドにはRyzen 5 4500を積んだ新品が7構成あります(ブラックとホワイトの色違いを含めると14製品)。製品ページで確認した中身は次のとおりです。

RTX 3050 6GB — 99,980円
AD-R5A35A-01B/01W。メモリ8GB(8GB×1)DDR4-3200、550W BRONZE。メモリ16GBモデルは119,980円です
RTX 5050 8GB — 139,980円
AD-R5A55A-01B/01W。メモリ16GB(16GB×1)DDR4-3200、550W BRONZE
RTX 5060 8GB — 149,980円
AD-R5A56A-01B/01W。メモリ16GB(16GB×1)DDR4-3200、650W BRONZE
RTX 5060 Ti 8GB — 159,980円
AD-R5A56B-01B/01W。メモリ16GB(16GB×1)DDR4-3200、650W BRONZE
Radeon RX 9060 XT 16GB — 164,980円
AD-R5A96G-01B/01W。メモリ16GB(16GB×1)DDR4-3200、650W BRONZE
RTX 5060 Ti 16GB — 179,980円
AD-R5A56C-01B/01W。メモリ16GB(16GB×1)DDR4-3200、650W BRONZE
RTX 5070 12GB — 189,980円
AD-R5A57A-09B/09W。メモリは8GB(8GB×1)DDR4-3200、650W BRONZE

7構成すべてに共通するのは、マザーボードがAMD B550チップセットのMicroATX、SSDが500GB(M.2 NVMe Gen4)、ケースがX3-03ミニタワーという点です。製品名に「Minecraft同梱版」と付くページと付かないページがありますが、価格は同じでした(Microsoft 365付きモデルは別価格です)。

こうした構成が増えた背景には、メモリ価格の高騰があります。DDR5を使うAM5機は値上がりの影響を強く受けるため、DDR4で組めるAM4プラットフォームの構成が、エントリー帯の価格を下げる手段になっています。メモリ高騰の見通しはメモリ不足は2028年まで続く?で整理しています。

最新の在庫と価格は、ドスパラの「Ryzen 5 4500」検索結果で確認できます。

Ryzen 5 4500がPCIe 3.0までしか使えない理由

Ryzen 5 4500は、内蔵GPU付きのAPU「Ryzen 4000G」シリーズ(開発コード名Renoir)から、内蔵GPUを無効にしたCPUです。設計はZen 2世代で、CPUから出ているPCI ExpressのレーンはすべてPCIe 3.0です。L3キャッシュも8MBと小さめです。

ここで紛らわしいのが、ドスパラの製品ページの表記です。マザーボード欄には「拡張スロット:PCIe 4.0 x16 ×1」と書かれています。これはB550マザーボード側の対応規格で、実際の動作はCPUで決まります。Ryzen 5 4500を載せている限り、このスロットはPCIe 3.0で動きます。

同じ理由で、SSDも本来の速度が出ません。B550チップセット自身が出せるレーンはPCIe 3.0なので、Gen4対応のM.2スロットはCPUにつながっています。そのCPUがPCIe 3.0までなので、「500GB Gen4 SSD」もGen3の速度で動きます。とはいえゲームの読み込み時間は、Gen3とGen4の差が体感しにくいことが多いので、こちらは大きな問題ではありません。

帯域は何分の1になるのか

PCIe 3.0の転送速度は1レーンあたり8GT/s。128b/130bという符号化を差し引くと、片方向で約0.985GB/sです。世代が1つ上がるごとに倍になり、レーン数に比例して増えます。

PCI Expressの帯域(片方向)

1レーンあたりPCIe 3.0=約0.985GB/s、4.0=約1.97GB/s、5.0=約3.94GB/sから計算

PCIe 5.0 x1663GB/s
PCIe 5.0 x831.5GB/s
PCIe 4.0 x1631.5GB/s
PCIe 4.0 x815.8GB/s
PCIe 3.0 x1615.8GB/s
PCIe 3.0 x8(4500+RTX 5060など)7.9GB/s

問題になるのは、グラフィックボード側のレーン数です。RTX 50シリーズのうち、RTX 5050・5060・5060 Tiは8レーン、RTX 5070以上は16レーンで接続します。Radeon RX 9060 XTは16レーンです。

8レーン接続(x8)
RTX 5050、RTX 5060、RTX 5060 Ti(8GB/16GBとも)。RTX 3050 6GBもPCIe 4.0 x8です。Ryzen 5 4500と組むと片方向約7.9GB/sになり、PCIe 5.0 x8やPCIe 4.0 x16の4分の1です
16レーン接続(x16)
Radeon RX 9060 XT、RTX 5070。Ryzen 5 4500と組んでも片方向約15.8GB/sで、PCIe 4.0 x8と同じ帯域を確保できます

もうひとつ押さえておきたいのが、比較相手の側です。同じTHIRDWAVEのRyzen 5 7500F版・Ryzen 7 7700版はA620Aマザーボードで、製品ページの拡張スロットは「PCIe 4.0 x16」です。つまりドスパラの同価格帯で4500機の比較相手になる機種も、PCIe 5.0ではなく4.0で動いています。現実の差は「3.0か4.0か」です。

なお海外の検証記事ではPCIe 3.0 x8の帯域を「16GB/s」と書いていることがありますが、これは上りと下りを足した双方向の数字です。片方向では約7.9GB/sで、同じことを言っています。

VRAMが足りていれば、PCIe 3.0の損は数%です

まず誇張しないために、損が小さいケースから見ていきます。

TechPowerUpは、RTX 5060 Ti(16GB版)をPCIe 5.0 x8・4.0 x8・3.0 x8に切り替えて、20本以上のゲームで性能を比べています。テスト機のCPUはRyzen 7 9800X3Dで、PCIeの世代だけを変えた条件です。

RTX 5060 Ti 16GBのPCIe世代別性能

PCIe 5.0 x8を100とした相対値。4.0 x8は1080pの全ゲーム平均、3.0 x8は全ゲーム平均(TechPowerUp・2025年4月)

PCIe 5.0 x8(本来の接続)100%
PCIe 4.0 x898%
PCIe 3.0 x8(Ryzen 5 4500相当)96%

TechPowerUpの結論では、PCIe 4.0 x8での低下は1080pで2%、1440pで1%、PCIe 3.0 x8では全ゲーム平均で4%でした。レイトレーシングを有効にした場合は、PCIe 3.0 x8で約5%の低下です。VRAMが16GBあってデータがビデオメモリに収まっている限り、PCIe 3.0の影響は「気にするほどではない」水準だということです。

VRAMがあふれると、PCIe 3.0で一気に崩れます

話が変わるのは、ゲームが要求するデータがVRAMに収まらなくなったときです。あふれた分はメインメモリに置かれ、グラフィックボードはPCI Express経由で取りにいきます。RTX 5060 TiのVRAMの帯域は448GB/sありますが、PCIe 3.0 x8は片方向で約7.9GB/s。この細い道がそのままボトルネックになります。

これを正面から検証したのがTechSpotの比較記事(2025年6月)です。RTX 5060 Tiの8GB版をPCIe 3.0・4.0・5.0に切り替え、16GB版(PCIe 3.0)と比べています。条件はアップスケーリングを使った1440pで、8GBではVRAMがあふれる画質設定をあえて選んでいます。

Dragon Age: The Veilguard(どちらもPCIe 3.0)

RTX 5060 Ti、アップスケーリング使用の1440p。テスト機はRyzen 7 9800X3D(TechSpot)

16GB版 平均66fps
16GB版 1% low47fps
8GB版 平均27fps
8GB版 1% low9fps

同じPCIe 3.0で、平均fpsは66対27、カクつきの指標になる1% lowは47対9です。ほかのタイトルでも同じ傾向が出ています。

Marvel's Spider-Man 2
Very Highプリセット+品質優先のアップスケーリング(1440p)。PCIe 3.0では16GB版(平均90fps)が8GB版の約7倍の速さでした
Ratchet & Clank: Rift Apart
16GB版は平均133fps。8GB版はPCIe 3.0でフレームタイムが大きく乱れ、PCIe 4.0にすると平均95fpsまで持ち直しました
The Last of Us Part II
16GB版は平均91fps。8GB版はPCIe 5.0なら92fpsで並びますが、PCIe 3.0では16GB版が40%速い結果でした

The Last of Us Part IIの例が分かりやすいと思います。8GB版でも、帯域の広いPCIe 5.0ならVRAMからあふれた分を何とか運べて16GB版に追いつきます。PCIe 3.0ではそれができません。同じ「VRAM 8GB」でも、PCIe 3.0の機械に載せたときがいちばん不利になります。

ただし、帯域を広げれば解決するわけでもありません。Dragon Age: The Veilguardでは、8GB版をPCIe 5.0にしても、PCIe 3.0の16GB版のほうが平均で68%速いままでした。根本的な対策はPCIeの世代ではなくVRAMの容量です。

公平のために書いておくと、TechSpotの検証は「8GBではあふれる設定」を意図的に選んだものです。VRAMの消費が軽いタイトルや、画質を下げて遊ぶ対戦ゲームなら、8GB版でもこうした崩れ方はしません。どのタイトルで8GBが足りなくなるかはVRAM 8GBで足りないゲームにまとめています。

なお、PCIeの世代だけを切り替えたRTX 5060/RTX 5050の実測は、見つけられませんでした。ただしどちらも8レーン接続でVRAMは8GBなので、VRAMがあふれる場面では同じ仕組みで不利になると考えるのが自然です。

もうひとつの損はCPUのボトルネックです

ここまではPCIeの話でしたが、4500機で普段から効いてくるのは、むしろCPUの性能差です。

ちもろぐは、RTX 4060とRyzen 5 4500を組み合わせて11タイトルを計測しています。その結果は、フルHDの平均で「Core i5 12400F以上より約30%もフレームレートが下がる」というものでした。Apex Legendsでは、Ryzen 7 5700XやCore i5 12400FならRTX 4060の性能を引き出せている一方で、4500だけが大きく落ちています。サイバーパンク2077では約1.5倍、多人数のアバターを読み込むVRChatのワールドではRyzen 5 7500Fと2倍を超える差が出ています。

RTX 4060も8レーン接続なので、この30%にはPCIe 3.0 x8の影響も含まれています。ただVRAMが足りていればPCIe 3.0 x8の損は数%なので、差の大半はCPUの側にあると考えるのが自然です。

原因はL3キャッシュの小ささと世代の古さです。Ryzen 5 4500のL3キャッシュは8MB、Ryzen 7 5700Xは32MBで、世代もZen 2とZen 3で1つ違います。フルHDで高いfpsを狙う対戦ゲームほど、この差がそのまま出ます。どんなタイトルでCPUが効くのかはGPUを上げても速くならないゲームで一覧にしています。

この損は、グラフィックボードを16レーン接続のRX 9060 XTにしても消えません。PCIeの問題とCPUの問題は別物で、4500機を選ぶ以上、CPUの側は必ず背負うことになります。

同じB550のまま、2万円以内の差額で両方を解決できます

では、どうすればいいのか。答えは同じTHIRDWAVEの中にあります。Ryzen 7 5700X版です。

5700X版は、マザーボードが同じB550、メモリも同じ16GB(16GB×1)DDR4-3200、SSDも電源容量も同じです。違うのはCPUだけで、Ryzen 7 5700XはZen 3世代なので、B550のスロットがPCIe 4.0で動きます。Gen4 SSDも本来の速度になります。2026年10月6日時点の価格差は次のとおりです。

RTX 5050 — 差額15,000円
4500版 139,980円 → 5700X版(AD-R7X55A-01B)154,980円。34周年記念モデル(AD-R7X55A-09B)146,080円なら差額6,100円
RTX 5060 — 差額18,900円
4500版 149,980円 → 5700X版(AD-R7X56A-01B/01W)168,880円
RTX 5060 Ti 8GB — 差額20,000円
4500版 159,980円 → 5700X版(AD-R7X56B-01B)179,980円。34周年記念モデル(AD-R7X56B-09B)171,080円なら差額11,100円
RX 9060 XT 16GB — 差額20,000円
4500版 164,980円 → 5700X版(AD-R7X96G-01B)184,980円
RTX 5060 Ti 16GB — 差額18,900円
4500版 179,980円 → 5700X版(AD-R7X56C-01B)198,880円

通常モデルで1万5,000〜2万円(記念モデルがある帯では6,000円台から)、割合にして1割ほどまでの上乗せで、CPUの性能差とPCIe 3.0の制限がまとめて片付きます。ちもろぐの計測では、Ryzen 7 5700XはApex LegendsでRTX 4060の性能を引き出せていたCPUです。4500機を検討しているなら、まず同じGPUの5700X版の価格を確認してください。

「とりあえず4500機を買って、あとでCPUだけ交換する」という手もありますが、おすすめしません。Ryzen 7 5700Xの単体価格は価格.comの最安で31,980円(2026年10月6日時点)で、最初から5700X版を選ぶ差額より1万円以上高くつきます。外した4500も手元に余ります。BTOパソコンのCPUを自分で交換したときの保証の扱いはCPU交換の手順と注意点で説明しています。ゲーム向けの上位候補だったRyzen 7 5700X3Dも、価格.comの最安が10万円を超えており、現実的な選択肢ではなくなっています。

Ryzen 5 7500F版という選択肢もあります。こちらはAM5・DDR5で将来のCPU交換の余地が広い一方、4500版との差額はRTX 5060で30,000円、RTX 5060 Ti 16GBでは40,000円と、5700X版より開きます。ドスパラのこの価格帯で、いちばん安く4500の弱点を消せるのは5700X版です。なお34周年記念モデルは製品ページに終了日の記載がなく、予告なく終了する場合があるとされています。

型番だけでは4500版と7500F版を見分けられません

4500機を検討するうえで、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。THIRDWAVEは、Ryzen 5 4500版とRyzen 5 7500F版に同じ型番を付けて売っています。2026年10月6日時点で7型番が該当します。

AD-R5A35A-01B(RTX 3050 6GB)
4500版 99,980円/7500F版 149,980円
AD-R5A55A-01B(RTX 5050)
4500版 139,980円/7500F版 168,880円
AD-R5A56A-01B(RTX 5060)
4500版 149,980円/7500F版 179,980円
AD-R5A96G-01B(RX 9060 XT 16GB)
4500版 164,980円/7500F版 189,980円
AD-R5A56B-01B(RTX 5060 Ti 8GB)
4500版 159,980円/7500F版 199,980円
AD-R5A56C-01B(RTX 5060 Ti 16GB)
4500版 179,980円/7500F版 219,980円
AD-R5A57A-09B(RTX 5070)
4500版 189,980円(メモリ8GB)/7500F版 229,080円(LEDファン標準搭載モデル・メモリ16GB)

「AD-R5A56C-01B」という型番をメモして注文画面に進むと、どちらのCPUのページを開いているのか分からなくなります。見分けるポイントは4つです。

製品名
「Ryzen5 4500搭載」か「Ryzen5 7500F搭載」かが、型番の後ろに書かれています
メモリ欄
DDR4-3200なら4500版(または5700X版)、DDR5-4800なら7500F版です
マザーボード欄
B550なら4500版または5700X版、A620Aなら7500F版または7700版です
ページのURL
ドスパラの製品ページは「MC」で始まる番号で区別されています。型番が同じでもMC番号は別々です

型番の読み方と、同じ型番で中身が違う例はゲーミングPCのスペック表の見方でも取り上げています。

Ryzen 5 5500とRyzen 7 5700も同じ落とし穴があります

ドスパラ以外のBTOメーカーでも見かけるCPU名の罠があります。Ryzen 5 5500とRyzen 7 5700(末尾にXが付かないモデル)は、Ryzen 5000シリーズでありながら、4500と同じくAPU由来の設計(開発コード名Cezanne)で、PCIe 3.0までしか使えません。L3キャッシュも16MBで、5700Xの半分です。Ryzen 5 5500をB550で検証したマイナビニュースの記事(2026年8月)でも、「L3キャッシュ16MB、PCI Express 3.0制限という妥協点がある」と評価されています。

「5700X」と「5700」は1文字違いですが、PCIeの世代もキャッシュ容量も違います。スペック表でCPU名を見るときは、末尾の文字まで確認してください。

もうひとつ、他社の4500機ではマザーボードがA520のことがあります。A520はPCIe 4.0に対応していないため、あとでCPUを5700Xに交換してもPCIe 3.0のままです。注文前にチップセットを確認してください。

構成別の判定

ここまでの内容を、ドスパラの4500機7構成に当てはめます。

避けたい RTX 5060 Ti 8GB(159,980円)
8レーン接続、VRAM 8GB、PCIe 3.0。TechSpotの検証で崩れた組み合わせそのものです。11,100円足せば5700X版の34周年記念モデル(171,080円)、20,000円足せば4500版のRTX 5060 Ti 16GB(179,980円)にでき、どちらも損は小さくなります
避けたい RTX 5060(149,980円)
構造は5060 Ti 8GBと同じで、8レーン接続のVRAM 8GBです。18,900円足して5700X版(168,880円)にするのが素直な選択です
避けたい RTX 5050(139,980円)
こちらも8レーン接続のVRAM 8GB。軽めのタイトル中心なら困る場面は限られますが、15,000円差の5700X版(154,980円)が無難です
避けたい RTX 5070(189,980円)
グラフィックボードは16レーン・VRAM 12GBでPCIeの面では問題ありません。ただしメモリが8GB(8GB×1)で、16GB(16GB×1)にすると+25,000円の214,980円。RTX 5070を活かすにはCPUも力不足です。5700Xを積んだAD-R7X57A-01B(メモリ16GB×1・750W GOLD)は224,980円で、差は10,000円しかありません
条件付き RTX 5060 Ti 16GB(179,980円)
8レーン接続でもVRAMが16GBあるため、PCIe 3.0の損は平均4%程度です。損はCPU側に集中します。ただし18,900円足せば5700X版(198,880円)になります
4500機ならこれ RX 9060 XT 16GB(164,980円)
16レーン接続でPCIe 3.0でもPCIe 4.0 x8と同じ帯域があり、VRAMも16GB。x16接続とVRAM 16GBを両立している唯一の構成です。CPU側の損は残ります
別記事で RTX 3050 6GB(99,980円)
PCIeより先にメモリ8GBが問題になる構成です。詳しくは10万円のゲーミングPCは買える?で検証しています

同じ予算で迷いやすい2つの組み合わせ

価格を並べると、4500版と5700X版が近い価格でぶつかる組み合わせが2つあります。

179,980円と171,080円
4500+RTX 5060 Ti 16GB(179,980円)と 5700X+RTX 5060 Ti 8GB(34周年記念モデル171,080円、通常モデルは179,980円)。重いシングルプレイ作品を高画質で遊ぶならVRAM 16GBの4500版、対戦ゲームで高fpsを狙うならCPUの強い5700X版が向きます。どちらも決め手に欠けるので、18,900円足せる人は5700X+RTX 5060 Ti 16GB(198,880円)が答えです
164,980円と168,880円
4500+RX 9060 XT 16GB と 5700X+RTX 5060。差は3,900円です。重量級タイトルでVRAMが効くのはRX 9060 XT 16GB、CPUが効く対戦ゲームとDLSSのフレーム生成を重視するなら5700X+RTX 5060です

RadeonとGeForceの機能面の違いはRadeonとGeForceどっちを選ぶべきかで比較しています。

4500機を選んでいい人、やめたほうがいい人

結局のところ、Ryzen 5 4500機が合うのは「予算の上限が動かせず、遊ぶのはグラフィックの重いシングルプレイ作品が中心」という人です。この場合はRX 9060 XT 16GB版を選べば、PCIe 3.0の不利をほぼ避けたまま、VRAM 16GBのグラフィックボードを16万円台で手に入れられます。

逆に、Apex LegendsやVALORANTのような対戦ゲームで144fps以上を狙いたい人、VRChatのように大人数が集まる場所で遊ぶ人、ゲームをしながら配信もしたい人には向きません。CPUの差がそのままfpsに出るジャンルです。

もうひとつ、7構成とも、メモリはDDR4の1枚挿し(シングルチャネル)です。これは5700X版も同じですが、AD-R5A56C-01B(4500版)の場合は+5,000円で16GB(8GB×2)に変更できます。2枚挿しにする意味はメモリの選び方で説明しています。

中古の4500機はおすすめしません

ドスパラの検索結果には、Ryzen 5 4500を積んだ中古のゲーミングPCも並びます。上位のグラフィックボードを積んで新品より安いものもありますが、とくに初めての1台にはおすすめしません。

理由は、不具合が出たときに原因を切り分けられないからです。ここまで見てきたとおり、4500機はそもそもPCIe 3.0やCPU性能による「仕様どおりの性能低下」を抱えています。そこに中古特有のパーツの劣化が重なると、fpsが出ない・カクつくといった症状が、仕様なのか故障なのかを判断するのが非常に難しくなります。新品なら初期不良として相談できます。考え方はゲーミングPCは中古でも大丈夫?で詳しく書いています。

よくある質問

Q.Ryzen 5 4500はPCIe 4.0に対応していますか?

A.対応していません。Ryzen 5 4500はAPU(Ryzen 4000G)から内蔵GPUを無効にしたCPUで、PCI ExpressはPCIe 3.0までです。B550のようにPCIe 4.0対応のマザーボードに載せても、グラフィックボード用のスロットとM.2スロットはPCIe 3.0で動作します。

Q.RTX 5060 Ti 16GBならRyzen 5 4500でも大丈夫ですか?

A.PCIeの面では大きな問題はありません。TechPowerUpの検証では、RTX 5060 Ti 16GBをPCIe 3.0 x8で動かしたときの低下は全ゲーム平均で約4%でした。ただしCPUそのものの性能差は残り、フルHDで高いfpsを狙うゲームでは不利です。ドスパラでは18,900円の差でRyzen 7 5700X版が選べます(2026年10月6日時点)。

Q.RTX 5060(8GB)とRyzen 5 4500の組み合わせはなぜ良くないのですか?

A.RTX 5060は8レーン接続のため、Ryzen 5 4500と組むと帯域が片方向約7.9GB/sに絞られます。VRAM 8GBがあふれる場面では、足りない分をこの細い経路で運ぶことになり、fpsとカクつきが大きく悪化します。RTX 5060 Ti 8GB版の実測では、PCIe 3.0で16GB版の半分以下のfpsになったタイトルもあります。

Q.Ryzen 5 4500機を買ってあとでCPUを交換すれば、PCIe 4.0になりますか?

A.ドスパラの4500機はB550マザーボードなので、Ryzen 7 5700XのようなZen 3世代のCPUに交換すればPCIe 4.0で動作します。ただし5700Xの単体価格は価格.comの最安で31,980円(2026年10月6日時点)で、最初から5700X版を選んだ場合の差額(通常モデルで15,000〜20,000円、34周年記念モデルなら6,100円から)より高くつきます。なお他社の4500機ではA520マザーのことがあり、A520はPCIe 4.0非対応のため、CPUを交換してもPCIe 3.0のままです。注文前にチップセットを確認してください。

Q.Ryzen 5 5500やRyzen 7 5700もPCIe 3.0ですか?

A.はい。どちらもAPU由来の設計(Cezanne)で、PCIe 3.0までです。L3キャッシュも16MBで、Ryzen 7 5700Xの32MBの半分です。Ryzen 7 5700XやRyzen 5 5600はPCIe 4.0に対応しています。

Q.Ryzen 5 4500と7500Fが同じ型番なのはなぜですか?

A.ドスパラのTHIRDWAVEでは、同じ型番でCPU違いの構成が販売されています。たとえばAD-R5A56C-01Bには、Ryzen 5 4500版(179,980円)とRyzen 5 7500F版(219,980円)があります(2026年10月6日時点)。製品名のCPU表記、メモリのDDR4/DDR5、マザーボードのB550/A620Aで見分けてください。

まとめ・次に読みたい記事

Ryzen 5 4500機の弱点は2つあります。グラフィックボードとの接続がPCIe 3.0に制限されることと、CPUそのものの性能です。PCIe 3.0の損は、VRAMが足りていれば数%で済みます。崩れるのは、8レーン接続のVRAM 8GBのグラフィックボードでVRAMがあふれたときで、ドスパラの構成ではRTX 5060 Ti 8GB版、RTX 5060版、RTX 5050版がこれに当たります。

一方でCPUの差は、どの構成を選んでも残ります。同じTHIRDWAVEのRyzen 7 5700X版は、同じB550・同じメモリ・同じ電源のまま通常モデルで1万5,000〜2万円(記念モデルがある帯では6,000円台から)高いだけで、PCIe 4.0とCPU性能の両方が手に入ります。予算が許すならこちらを選び、どうしても4500機にするならRX 9060 XT 16GB版かRTX 5060 Ti 16GB版に絞ってください。価格と構成は入れ替わるので、注文前に製品ページのCPU名とマザーボード欄を必ず確認してください。