ゲーミングノートのGPUは、型番の数字だけ見ても性能が分かりません。同じ「RTX 5070 Laptop」でも機種によって3〜4割違い、デスクトップのRTX 5070と比べると6割に届きません。さらに2026年からは、同じ型番でVRAMが8GBの機種と12GBの機種が混在しています。
結論を先に書くと、ノート向けGeForceは RTX 5060 Laptopが1万円あたりの性能でいちばん得 で、RTX 5070 Laptopは「どの機種のRTX 5070か」を確かめないと、電力枠の大きいRTX 5060機に負けることがあります。VRAM 12GBが欲しいなら、日本では12GB版のRTX 5070 LaptopよりRTX 5070 Ti Laptopのほうが安く買えます。
このページでは、ドイツのレビューサイトNotebookcheckが計測した実機ごとのスコアと電力枠(TGP)、3DMarkの開発元ULが公開しているノートとデスクトップの同一ベンチマーク、そして2026年10月12日に価格.comで確認した型番ごとの最安ノートを突き合わせました。序列の一覧だけでなく、「その差にいくら払うのか」まで並べています。
ノート向けGeForceの性能ランキング(RTX 50 Laptop)
ノートパソコンのグラボ(GPU)は、本体に組み込まれていて交換できません。だからこそ、買う前に序列と実力を知っておく必要があります。
まず序列です。ノートとデスクトップを同じものさしで並べるために、3DMarkの「Steel Nomad」というベンチマークを使いました。ULはユーザーが送信した結果の中央値をGPUごとに毎日更新して公開しており、ノート用とデスクトップ用が同じテストで比べられます。
3DMark Steel Nomadスコア(ノートとデスクトップ)
UL Benchmarks「Best GPUs」の中央値(2026年10月12日閲覧)。ノートは機種ごとのTGPの違いを含んだ値。色付きがノート用
出典: UL Benchmarks「Best GPUs」ノート部門 / 同デスクトップ部門
ノートのRTX 5090は、デスクトップのRTX 5070 Tiに届きません。ノートのRTX 5080はデスクトップのRTX 5070とほぼ同じ位置にいます。デスクトップのRTX 5090はこのグラフに入れると14,636で、ノートのRTX 5090の約2.4倍です。
同じ名前のデスクトップ版に対する割合を出すと、上位ほど差が開くことが分かります。RTX 5050は92%、RTX 5060は83%とデスクトップに近い一方、RTX 5070は56%、RTX 5070 Tiは55%、RTX 5080は59%、RTX 5090は43%です。下位の2つはデスクトップ版ももともと消費電力が小さいので差が出にくく、上位はデスクトップ版が250W以上を使って動くぶん、ノートとの距離が広がります。
- RTX 5090 Laptop → デスクトップのRTX 5070 Ti弱
- Steel Nomad 6,223。当サイトのデスクトップGPUスコアに換算すると約5,950(推定)で、デスクトップRTX 5070(5,490)とRTX 5070 Ti(6,660)のあいだです。
- RTX 5080 Laptop → デスクトップのRTX 5070並み
- Steel Nomad 5,236。換算スコアは約5,380(推定)。VRAMは16GBあり、デスクトップRTX 5070の12GBより多い点はノート側の利点です。
- RTX 5070 Ti Laptop → デスクトップのRTX 5060 Tiより少し上
- Steel Nomad 3,847。換算スコアは約4,680(推定)。ノートで初めてVRAM 12GBが標準になる型番です。
- RTX 5070 Laptop → デスクトップのRTX 5060より少し下
- Steel Nomad 3,012。換算スコアは約3,530(推定)。CUDAコア4,608基はデスクトップRTX 5060 Tiと同じ数ですが、電力の制約で届いていません。
- RTX 5060 Laptop → デスクトップのRTX 5060の8割強
- Steel Nomad 2,639。換算スコアは約3,090(推定)。Steel NomadではデスクトップのRTX 4060(2,309)を14%上回ります。
- RTX 5050 Laptop → デスクトップのRTX 5050の9割
- Steel Nomad 2,130。Steel NomadではRTX 5050が実際のゲームより低めに出るため、換算スコアは載せていません(サイバーパンク2077ではRTX 5060 Laptopの8割の性能です)。CUDAコアはデスクトップ版と同じ2,560基です。
換算スコアは、当サイトのスコアがあるデスクトップRTX 50シリーズのうちSteel Nomadで近いものとの比率を、GPU性能比較・序列早見表のスコアに掛けて出した推定値です。Steel Nomadは負荷の重いテストなので、フルHDの軽いゲームではノートとデスクトップの差がもう少し縮むことがあります。
実際のゲームでは何fps出るのか
ベンチマークの点数だけでは体感がつかみにくいので、Notebookcheckがノートパソコンのレビューで毎回計測しているサイバーパンク2077(バージョン2.21)の平均fpsを並べます。数字は同サイトが計測した機種の平均で、TGPの高い機種も低い機種も含みます。
サイバーパンク2077
1920×1080 / ウルトラプリセット / アップスケーリングなし・レイトレーシングなし(Notebookcheck計測機の平均)
サイバーパンク2077
2560×1440 / ウルトラプリセット / アップスケーリングなし・レイトレーシングなし(Notebookcheck計測機の平均)
出典(Notebookcheck、2026年10月12日閲覧): RTX 5050 / 5060 Laptop / RTX 5070 / 5070 Ti Laptop / RTX 5080 / 5090 Laptop
フルHDのウルトラ設定なら、RTX 5050 Laptopでも平均60fpsを超えます。差が目立つのはRTX 5060とRTX 5070のあいだで、フルHDで85→99fps、WQHDで56→63fpsと、価格差(後述の最安値で5万6,520円)に対して伸びが小さめです。計測機の数はフルHDでRTX 5050が10台、RTX 5060が21台、RTX 5070が35台、RTX 5070 Tiが17台、RTX 5080が19台、RTX 5090が28台です。
4K(ウルトラ、アップスケーリングなし)ではRTX 5070 Laptopが28fps、RTX 5070 Ti Laptopが37fps前後と、どちらも快適とはいえない水準です。計測機が少ないので参考程度です。
RTX 5050 LaptopとRTX 5060 Laptopの差
入門クラスで迷いやすい2つを並べると、Time Spy Graphicsの平均は8,958対11,637でRTX 5060が30%上、サイバーパンク2077(フルHD・ウルトラ)は68fps対85fpsです。VRAMはどちらも8GBで、10月12日の最安値の差は2万8,500円でした。この価格差で3割伸びるのは、ノートGPUの段の中でいちばん割のいい上げ方です。予算が18万円台で止まるならRTX 5050、21万円台まで出せるならRTX 5060を選んでください。
RTX 50 Laptopの仕様(CUDAコア・VRAM・TGP)
各モデルの基本仕様です。CUDAコア数とVRAMはNVIDIAの公式仕様ページ、TGPの範囲はNotebookcheckのGPUデータベース、Dynamic Boost込みの上限はASUSが公開している自社機の一覧によります。NVIDIAの公式仕様ページにはTGPの範囲が載っていません。
- RTX 5090 Laptop
- CUDAコア10,496基、VRAM 24GB GDDR7(帯域896GB/s)。TGPは95〜150Wで、Dynamic Boostを足すと最大175W。
- RTX 5080 Laptop
- CUDAコア7,680基、VRAM 16GB GDDR7(896GB/s)。TGPは80〜150W、最大175W。
- RTX 5070 Ti Laptop
- CUDAコア5,888基、VRAM 12GB GDDR7(672GB/s)。TGPは60〜115W、最大140W。
- RTX 5070 Laptop
- CUDAコア4,608基、VRAM 8GBまたは12GB GDDR7(どちらも384GB/s)。TGPは50〜100W、最大115W。
- RTX 5060 Laptop
- CUDAコア3,328基、VRAM 8GB GDDR7(384GB/s)。TGPは45〜100W、最大115W。
- RTX 5050 Laptop
- CUDAコア2,560基、VRAM 8GB GDDR7(384GB/s)。TGPは35〜100W、最大115W。
出典: NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ ノート仕様 / ASUS ROG・TUFのGPU電力一覧(2025年7月)
RTX 5070・5060・5050の3つは、上限がそろって115Wです。電力の上限が同じなので、この3つは機種の作りしだいで順位が入れ替わります。次の節で実例を見ます。
同じ型番でもTGPで3〜4割変わる
TGPは、メーカーがGPUに割り当てる電力の枠です。同じ型番でも枠が違えば別の性能になります。Notebookcheckが計測した実機の3DMark Time Spy Graphicsから、同じGPUのいちばん高い機種と低い機種を拾いました。
同じ型番でもTGPで逆転する(3DMark Time Spy Graphics)
Notebookcheckの実機計測値。カッコ内はDynamic Boost込みのTGPと機種名。2026年10月12日閲覧
数値は前の節と同じNotebookcheckの比較ページに、機種ごとのCPUとTGPつきで載っています。いちばん低い機種と高い機種の差は、RTX 5060で40%、RTX 5070で36%、RTX 5080で40%、RTX 5090で35%でした。CPUや冷却の違いも含んだ数字ですが、「同じ型番なら同じ性能」とはまったく言えません。
特に見てほしいのが2か所です。ひとつは、105WのRTX 5060(12,719)が、85WのRTX 5070(11,969)を上回っていること。もうひとつは、120Wに絞った薄型のRTX 5090(19,216)が、175WのRTX 5080(23,269)に大きく負けていることです。上位の型番に高いお金を払っても、薄型の機種では下の型番の厚い機種に届かないことがあります。
85WのRTX 5070として載せたGIGABYTE GAMING A16は、日本でRTX 5070ノートの最安になっているシリーズです(Notebookcheckが計測したのはCore i7-13620H版で、日本の最安構成はRyzen 7 260版)。同じRTX 5070でも、115Wで動くASUS TUF Gaming A16との差は23%あります。
- 製品ページで「最大グラフィックスパワー」を見る
- 多くのメーカーが仕様表にTGP、またはDynamic Boost込みの最大値を載せています。日本の販売ページで見つからないときは、同じ型番の海外向けページに載っていることがあります。
- 薄型・軽量の機種は枠が小さい
- ASUSの一覧でも、同じRTX 5070が厚みのあるTUF Gaming A16では115W、14型のROG Zephyrus G14では90W(手動モードで100W)です。持ち運びやすさと引き換えに性能を手放しています。
- 高いTGPを維持できるかは冷却しだい
- 枠が大きくても、熱で長く維持できなければ意味がありません。長時間のゲームで性能が落ちる仕組みはゲーミングノートPCが熱くなる原因と対策で解説しています。
TGPの表記の読み方や、MUXスイッチ・冷却性能の見分け方はRTX 5060・5070搭載ゲーミングノートは同じGPUでも性能が違うで掘り下げています。
RTX 5070 Laptopの8GB版と12GB版
NVIDIAは2026年4月末、RTX 5070 Laptopに12GBの構成を正式に追加しました。従来の8GB版も併売が続いています。CUDAコア数や帯域(384GB/s)は同じで、メモリチップを2GB×4枚から3GB×4枚に替えて容量だけを増やした構成です。NVIDIAは追加の理由を「メモリの供給量を最大にするため」と説明しており、2026年のメモリ不足がGPUの構成にまで及んだ例といえます。背景はゲーミングPCはいくら値上がりしたのかにまとめました。
問題は、日本での売られ方です。10月12日に価格.comでRTX 5070搭載ノートを価格の安い順に並べると、価格が表示された46製品のうち、仕様欄でVRAM 12GBと確認できたのは4製品だけでした。
- 8GB版の最安 26万9,800円
- GIGABYTE GAMING A16(3WHK3JP894SH、Ryzen 7 260・メモリ16GB・SSD 1TB・16型165Hz)。安い順の上位13製品のうち、容量が記載されたものはすべて8GBです。価格.com 製品ページ
- 12GB版の最安 44万9,800円
- MSI Raider 16 HX(B2WGX-2669JP、メモリ32GB・SSD 1TB・16型240Hz)。ほかの3製品もMSI Crosshair 16 Max HX(47万1,800円)、Crosshair 18 HX AI(48万5,800円)、Lenovo Legion 5i Gen 11(52万5,565円)と上位の筐体ばかりです。価格.com 製品ページ
- RTX 5070 Tiの最安 35万9,800円
- GIGABYTE GAMING A16 PRO(DXHG4JPC64SP、Core 7 240H・メモリ32GB・SSD 1TB・16型WQXGA 165Hz)。VRAMは12GBで、GPU自体も1段上です。価格.com 製品ページ
つまり今の日本では、12GB版のRTX 5070はRTX 5070 Tiより9万円高い 状態です。12GB版は上位機種の部品として使われており、「同じ値段なら12GB版を選ぶ」という選び方がそもそもできません。VRAM 12GBが目的なら、RTX 5070 Tiを選ぶほうが安く、性能も上がります。
型番だけでは8GBか12GBか区別できないので、RTX 5070機を買うときは仕様表のVRAM容量を必ず確かめてください。価格.comのRTX 5070搭載ノート一覧では、各製品の「ビデオメモリ」の欄に表示されます。
VRAM 8GBのGPUが多い
仕様を見ると、RTX 5050・5060、それに大半のRTX 5070がVRAM 8GBです。デスクトップでは「RTX 5060 Tiは16GB版を選ぶ」という助言が定着していますが、ノートには同じGPUの16GB版がありません。12GB以上が欲しければRTX 5070 Ti以上に上げることになります。
フルHDで遊ぶ分には8GBでもほとんどのゲームが動きますが、高解像度のテクスチャやレイトレーシングを使うと足りなくなる場面があります。どのゲームで足りなくなるかはVRAM 8GBで足りないゲーム一覧で確かめられます。アップスケーリングを使えば内部解像度が下がり消費量も減りますが、不足そのものを解消する手段ではありません。GPU世代ごとの対応はDLSS・FSR・XeSSの対応早見表にまとめています。
型番ごとの最安ノートと価格差(2026年10月12日)
価格.comのノートパソコンカテゴリで、GPUごとに価格の安い順に並べた先頭の製品です。どれもその時点の最安値で、数日で数万円動きます。RTX 5060の最安機GIGABYTE GAMING A16は、10月8日には18万8,000円でした。
- RTX 5050 18万4,780円〜
- ドスパラ GALLERIA NPC5L-R55-G5(価格.com限定、Core i5-14450HX・メモリ16GB・SSD 500GB・15.6型144Hz)。2番手はMSI Cyborg 15(B13WEKG-1182JP、Core i7-13620H)の18万4,800円で、差は20円です。価格.com 製品ページ
- RTX 5060 21万3,280円〜
- GIGABYTE GAMING A16(5VHP3JP893SH、Ryzen 7 170・メモリ16GB・SSD 512GB・16型165Hz)。価格.com 製品ページ
- RTX 5070 26万9,800円〜
- GIGABYTE GAMING A16(3WHK3JP894SH、Ryzen 7 260・メモリ16GB・SSD 1TB・16型165Hz)。VRAM 8GB。価格.com 製品ページ
- RTX 5070 Ti 35万9,800円〜
- GIGABYTE GAMING A16 PRO(DXHG4JPC64SP、Core 7 240H・メモリ32GB・SSD 1TB)。同額でパソコン工房のLEVEL∞(Core Ultra 7 255HX・メモリ16GB)もあります。価格.com 製品ページ
- RTX 5080 46万9,800円〜
- GIGABYTE GAMING A16 PRO(DYHG5JPC64SP、Core 7 240H・メモリ32GB・SSD 1TB)。価格.com 製品ページ
- RTX 5090 74万9,800円〜
- GIGABYTE AORUS MASTER 18(BZHC6JPD65JP、Core Ultra 9 275HX・メモリ32GB・SSD 1TB×2・18型240Hz)。取扱いはGIGABYTEの公式ストア1店舗です。価格.com 製品ページ
この最安値を、NotebookcheckのTime Spy Graphics平均で割ると、1万円あたりの性能が出ます。
1万円あたりのTime Spy Graphicsスコア
NotebookcheckのTime Spy Graphics平均 ÷ 価格.com最安値(2026年10月12日)。最安機はTGPが平均より低いことがあるため目安
1段上げるごとの差額と伸びを並べると、どこで止めるかの判断がしやすくなります。
- RTX 5050 → 5060 +2万8,500円
- Time Spy Graphicsの平均は8,958→11,637で30%増。いちばん割のいいステップです。
- RTX 5060 → 5070 +5万6,520円
- 11,637→13,278で14%増。VRAMは最安機ではどちらも8GBのままです。
- RTX 5070 → 5070 Ti +9万円
- 13,278→16,621で25%増。VRAMが12GBになります。
- RTX 5070 Ti → 5080 +11万円
- 16,621→20,727で25%増。VRAMは16GBに。
- RTX 5080 → 5090 +28万円
- 20,727→23,919で15%増。VRAMは24GBになりますが、ゲームのためだけなら割に合いません。
売れ筋も同じ傾向です。10月12日23時時点の価格.comゲーミングノート人気順の上位15製品のうち6製品がRTX 5060搭載機で、残りはRTX 4050が2製品、RTX 3050・5050・5070・5070 Tiが1製品ずつ、携帯ゲーム機など内蔵GPUで動く機種が3製品でした。
ただし、最安機は電力枠が控えめなことが多い点に注意してください。RTX 5070の最安機と同じGIGABYTE GAMING A16シリーズは、Notebookcheckが計測したIntel版が85Wでした。日本の最安構成(Ryzen 7 260版)のTGPは国内で公表されておらず、海外の掲載値は75〜85Wと割れています。115Wで動くASUS TUF Gaming A16(FA608PP、Ryzen 9 8940HX・SSD 1TB)は、メモリ16GB版がASUS Storeで30万9,800円と4万円高く、32GB版は31万9,800円です。RTX 5050の2番手のMSI Cyborg 15も、Notebookcheckが計測した同じシリーズの別型番(B2RWEKG)は45W設定で、RTX 5050の計測機の中でいちばん低いスコアでした。
同じ予算ならデスクトップでどこまで買えるか
同じお金をデスクトップに回すと、性能の差ははっきり出ます。デスクトップ側はドスパラの10月12日の価格です。Steel Nomadの数字は冒頭のグラフと同じULの中央値です。
- 21万円台 ノートRTX 5060 対 デスクトップRTX 5060 Ti 16GB
- ノートはGIGABYTE GAMING A16の21万3,280円、デスクトップはTHIRDWAVE AD-R7X56C-01W(白、Ryzen 7 5700X・メモリ16GB)の20万8,880円。デスクトップが4,400円安く(ドスパラの送料3,300円を含めると差は1,100円)、Steel Nomadは2,639対3,622で約1.4倍、VRAMは16GBです。ドスパラ 製品ページ
- 27万円前後 ノートRTX 5070 対 デスクトップRTX 5070
- ノートは26万9,800円、デスクトップはTHIRDWAVE AD-R7X57A-01W(白、Ryzen 7 5700X)の23万3,880円。デスクトップが3万5,920円安く、Steel Nomadは3,012対5,340で約1.8倍です。ドスパラ 製品ページ
- 最上位 ノートRTX 5090 対 デスクトップRTX 5070 Ti
- ノートは74万9,800円、デスクトップはGALLERIA XGR7M-R57T-GD(Ryzen 7 5700X)の34万9,980円。半額以下のデスクトップのほうがSteel Nomadで高い数字(6,223対6,967)です。ドスパラ 製品ページ
ただし、デスクトップにはモニター・キーボード・マウスが別に要ります。同じGPU名のデスクトップと比べると、周辺機器を足した総額ではRTX 5060・5070クラスのノートとデスクトップはほぼ同額になります。総額での比較と、電気代や置き場所まで含めた判断はゲーミングPCはノートとデスクトップどっち?で計算しました。言いかえると、総額が同じでも、ノートは持ち運べることと引き換えに、同じ名前のデスクトップの8割強(RTX 5060)から6割弱(RTX 5070)の性能を受け入れることになります。
GeForce以外の選択肢(Radeon・Intel・RTX Spark)
ノートパソコンでは、GPUの選択肢は実質的にGeForceだけです。価格.comのゲーミングノートPCカテゴリで、ビデオチップがRadeonの製品は10月12日時点で17製品ありましたが、どれも単体GPUのRadeon RXではなく、ROG Xbox Ally Xのような携帯ゲーム機や、Ryzen AI Max・Ryzen AI 300搭載機の内蔵GPUでした。AMDのRDNA 4世代(RX 9000シリーズ)のノート向け単体GPUは、10月12日時点で日本では見当たりません。
- Radeon 8060S(Ryzen AI Max+ 395などに内蔵)
- Steel Nomadは2,027で、RTX 5050 Laptop(2,130)に近い数字です。内蔵GPUとしては突出していますが、Ryzen AI Max搭載のゲーミングノート(ASUS TUF Gaming A14など)は価格.comで30万円台からと高めです。実力はRyzen AI Max+ 395ミニPCはゲーミングPCの代わりになるかで検証しました。
- Intel Arc B390(Core Ultra X9・X7に内蔵)
- 2026年に出たPanther Lake世代の内蔵GPUで、Steel Nomadは1,494。RTX 4050 Laptop(1,786)の8割強です。現行のArc Bシリーズには、ノート向けの単体GPUがありません。
- 携帯ゲーミングPC
- ROG Xbox Ally Xなどの携帯機も同じAMDの内蔵GPUで動いています。重いゲームを最高画質で遊ぶ機械ではないので、選び方は携帯ゲーミングPCの選び方を参考にしてください。

新しく加わったのが、NVIDIAのArmチップ「RTX Spark」です。搭載機のSurface Laptop Ultraが10月16日に日本で出荷されます。GPUのコア数は上位チップ(70万7,080円から)でデスクトップRTX 5070と同じ6,144基ですが、メモリ帯域は273GB/sとノート用RTX 5070(384GB/s)より狭く、価格は下位チップ構成でも51万3,480円からです。第三者のゲームベンチマークはまだ出ていないため、このページの序列には入れていません。詳しくはSurface Laptop Ultraでゲームは遊べる?を読んでください。
DLSSが使えるのもGeForceの利点です。逆にFSRにしか対応しないゲームもあるので、遊びたいタイトルが決まっているなら、DLSSが使えないゲームも一度確認しておくと安心です。
前世代・旧モデルのノートGPUと比べる
買い替えを考えている人向けに、前世代以前のノートGPUも同じSteel Nomadの中央値で並べました。比較のためにRTX 5060・5070 Laptopも入れています。
前世代・旧モデルのノートGPU(3DMark Steel Nomad)
UL Benchmarks「Best GPUs」ノート部門の中央値(2026年10月12日閲覧)。カッコ内はVRAM
RTX 4060 LaptopからRTX 5060 Laptopへの伸びは16%ほどで、RTX 4070 LaptopはRTX 5060 Laptopとほぼ同じ位置です。RTX 4060 Laptopから買い替えるなら、RTX 5070 Laptopで3割、RTX 5070 Ti Laptopで7割の伸びになります。同じ段の型番に買い替えても、差は小さいと考えてください。
目を引くのがRTX 3050 Laptopです。6GB版は1,088ですが、4GB版は386と極端に低くなっています。重いテストでVRAMが足りずに失速していると考えられ、いまのゲームでVRAM 4GBが厳しいことを示す数字です。RTX 3050搭載ノートは12万円台から買えて売れ筋にも入っていますが、VRAMが4GBの機種は避けてください。
予算別の選び方
- 12万〜15万円台 RTX 3050・RTX 4050
- RTX 3050機は12万円台、RTX 4050機は15万円台から。フルHDで設定を下げて遊ぶ前提です。RTX 4050のSteel NomadはRTX 5050 Laptopの8割強で、VRAMは6GB。長く使うなら、3万円あまり足してRTX 5050にしたほうが後悔しにくいです。
- 18万〜19万円台 RTX 5050
- 現行世代の入口です。フルHDのウルトラ設定でサイバーパンク2077が平均68fps。ただし最安クラスは電力枠が小さい機種があるので、TGPを確認してください。
- 21万〜25万円 RTX 5060
- 1万円あたりの性能がいちばん高い帯で、迷ったらここです。同じ予算なら、TGPが100W以上ある機種を選ぶとRTX 5070の低TGP機と同じくらいの性能になります。
- 27万〜32万円 RTX 5070
- 最安機は75〜85W級です。RTX 5070を選ぶ意味を出すなら、115Wで動く機種(ASUS TUF Gaming A16の30万9,800円など)まで見てください。VRAMは8GBが前提です。
- 36万円以上 RTX 5070 Ti・5080
- WQHDの高画質を狙う帯です。RTX 5070 TiでVRAMが12GBになり、RTX 5080で16GBになります。ここまで来ると、同じ金額のデスクトップとの差が大きいので、本当に持ち運ぶかをもう一度考える価値があります。
よくある失敗
- 型番だけで性能を判断する
- 同じRTX 5070でも60Wの機種と115Wの機種でTime Spy Graphicsが36%違い、105WのRTX 5060に85WのRTX 5070が負ける例もあります。製品仕様の最大グラフィックスパワーを確認してください。
- 12GB版を狙ってRTX 5070を探す
- 日本では12GB版のRTX 5070は44万円台からで、RTX 5070 Tiの最安より高い状態です。12GBが欲しいならRTX 5070 Tiを探すほうが早く、安く済みます。
- ノートの型番をデスクトップと同列に考える
- ノートのRTX 5070はデスクトップRTX 5070の約56%で、デスクトップのRTX 5060に届きません。名前が同じでも別物です。
- 薄型の上位GPUに性能を期待する
- 120WのRTX 5090は175WのRTX 5080より遅いという実測があります。薄さと性能はトレードオフです。
- 最安値だけで機種を決める
- 最安機はTGPが控えめなことが多く、4万円足すと115W機に届く場合があります。価格・TGP・メモリ容量をセットで比べてください。
よくある質問
Q.ノートパソコンのGeForceはデスクトップ版と比べてどれくらい違いますか?
A.3DMark Steel Nomadの中央値で、同じ名前のデスクトップ版に対してRTX 5050が92%、RTX 5060が83%、RTX 5070が56%、RTX 5080が59%、RTX 5090が43%です。下位はデスクトップに近く、上位ほど差が開きます。
Q.RTX 5070 Laptopはデスクトップでいうとどのくらいの性能ですか?
A.デスクトップのRTX 5060よりやや下です。CUDAコア数はデスクトップRTX 5060 Tiと同じ4,608基ですが、電力の制約で届いていません。当サイトのスコアに換算すると約3,530(推定)です。
Q.RTX 5060 LaptopとRTX 5070 Laptopの性能差はどれくらいですか?
A.NotebookcheckのTime Spy Graphics平均で14%、サイバーパンク2077(フルHD・ウルトラ)の平均で85fps対99fpsです。10月12日の最安値の差は5万6,520円で、VRAMはどちらも8GBの機種が中心です。TGPの高いRTX 5060機が、TGPの低いRTX 5070機を上回る例もあります。
Q.RTX 5050 Laptopの性能はどれくらいですか?
A.Steel NomadでデスクトップRTX 5050の約9割、RTX 4060 Laptopより少し下です。サイバーパンク2077はフルHD・ウルトラで平均68fps(Notebookcheck計測機の平均)でした。RTX 5060 Laptopとの差は30%で、最安値の差は2万8,500円です。
Q.ノートのRTX 5090はデスクトップと同じ性能ですか?
A.いいえ。Steel NomadではデスクトップRTX 5090の43%で、デスクトップのRTX 5070 Tiにも届きません。薄型の120W設定の機種では、175WのRTX 5080 Laptopより遅くなることもあります。
Q.同じRTX 5070 Laptopなら、どの機種でも同じ性能ですか?
A.違います。Notebookcheckの計測では、60Wの機種と115Wの機種でTime Spy Graphicsが36%違いました。さらにVRAM 8GB版と12GB版があるので、TGPとVRAMの両方を仕様表で確かめてください。
Q.RTX 5070 Laptopの8GB版と12GB版はどう見分けますか?
A.型番では区別できないので、製品仕様のVRAM容量を見るしかありません。価格.comでは製品一覧の「ビデオメモリ」欄に出ます。10月12日時点の日本では12GB版は44万9,800円からで、上位の機種に限られています。
Q.TGPはどこで確認できますか?
A.製品ページの仕様表に「最大グラフィックスパワー」「GPU電力」などの名前で載っていることが多いです。Dynamic Boost込みの値で書かれている場合もあります。日本のページにないときは、同じ型番の海外向けページやレビュー記事で確認できることがあります。
Q.Radeonを積んだゲーミングノートはありますか?
A.10月12日時点で、価格.comのゲーミングノートPCカテゴリには単体GPUのRadeon RXを積んだ製品がありませんでした。Radeonと表示される製品は、携帯ゲーム機やRyzen AI Max搭載機の内蔵GPUです。
Q.前世代のRTX 3050搭載ノートは買いですか?
A.12万円台から買えるのは魅力ですが、VRAM 4GBの機種は避けてください。Steel Nomadでは4GB版が386と、6GB版(1,088)の3分の1ほどまで落ちます。長く使うなら、18万円台からのRTX 5050以上をおすすめします。
まとめ・次に読みたい記事
ノートのGeForceは、型番の序列どおりに性能が並ぶわけではありません。押さえるのは3点です。
ひとつはデスクトップとの差です。ノートのRTX 5070はデスクトップRTX 5070の6割に届かず、ノートのRTX 5090でもデスクトップのRTX 5070 Tiを下回ります。ふたつめはTGPで、同じ型番で3〜4割違い、下の型番に追い抜かれることもあります。みっつめはお金の使い方で、1万円あたりの性能はRTX 5060 Laptopがいちばん高く、12GBが欲しいならRTX 5070の12GB版よりRTX 5070 Tiのほうが安く手に入ります。
価格は10月12日時点のもので、ノートは数日で数万円動きます。買う直前に価格.comで最新値とTGP・VRAMを確かめてください。



